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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2012/09/30 (Sun)
残暑がキビシくて、
ダラけまくったおかげか、
先週は新しい記事を書くことを、
すっかりサボってしまいました(笑)
すいませんでしたーっ。


ようやく涼しくなってきたと思ったら、
今度は大型台風がやって来るとかで、
明朝の通勤が心配です。
月曜から、ヤレヤレですなぁ…。

とはいえ、
涼しくなってくればこっちのもの、
芸術の秋へ向かって、
ふたたびギアを入れなくっちゃ、
と思う今日この頃です。


さて…、
夏から始まった、
LED ZEPPELINの紙ジャケット・コレクションですが、
諸般の事情(笑)により予定をはるかに遅れ、
ようやく『Ⅲ』に到達しました。



10代の頃、
彼らのアルバムの中で、
もっとも嫌いだったのが、
この『Ⅲ』でしたが、
あらためて聴いてみると、
そうでもなく…、
というか、
けっこうイイ感じに響いてきます。

LED ZEPPELINは、
すでにファーストアルバムの時点で、
基本コンセプトを完成させていたと、
以前に語りました。

リフを前面に押し出したソリッドでハードなナンバー、
独特のコード感を持つアコースティックギターによるナンバー、
ルーツであるブルースを題材としたナンバー、
鍵盤を効果的に使ったナンバー。

セカンドアルバムはファーストの延長で、
これらのバラエティをバランスよく配分してありますが、
リフを前面に押し出したソリッドでハードなナンバーの完成度が高く、
ハードロック好きにはたまらない作品となっています。

それに対して、
このサードアルバムは…、
「移民の歌」や「祭典の日」のような、
リフを前面に押し出したソリッドでハードなナンバーや、
ブルースを題材としたオリジナルナンバーの最高傑作、
「貴方を愛しつづけて」がバランスよく配置されているとはいえ…、
LP時代のB面すべてを占める(CDでは6〜10)
アコースティックギターを導入したナンバーの多さが目立ちます。

なんだよこれ、フォークソングみたいなのばっかりで…。

私もご多分にもれず…、
ハードロック少年たちはみな、
これをイヤがったのでした。
(あの渋谷陽一先生ですら、
『Ⅲ』が発売された当時、
「ツェッペリンはもうオシマイだ」などとのたまったそうです)

1970年代は、
ロック派とフォーク派に分かれて論争が起こったような時代、
当然、
我々からすれば、
天敵とも言える、
フォークソングの香りただよう『Ⅲ』は、
受け入れられるはずがありませんでした。

ジミー・ペイジはなぜ、
この段階で、
アコースティックにウェイトを置いた作品を作ったのでしょう?
答えは、
その後のアルバムにありました。

5枚目の『聖なる館』以降、
7枚目の『プレゼンス』あたりの彼らは、
独特のスタイルのハードロックを構築していきます。
それは、
明確なルーツ(というか元ネタ)がわからない、
白人による白人のためのサウンドとでもいいましょうか、
そんなハードロックです。

もはやブルースの匂いはまったくせず、
歪んだトーンのギターすら登場しない…、
それは、
いまだにフォロワーが登場しないほど、
唯一無比の、
孤高のサウンドです。

『Ⅲ』のアコースティック・ナンバーは、
そこへ到達するための布石だったのです。

アコースティックも、
6弦だけでなく、
12弦やマンドリンまで駆使し、
フレットレスベースまで登場するほど…。
これらの楽器と、
通常のロック(または、それまでのブルースロックとでもいいましょうか)
では使用しないコードを多用することにより、
独自の音空間を演出することに成功したというわけです。

これが『4』における「天国への階段」、
『聖なる館』以降の、
ペケペケとした歪まない音を使ったハードナンバーへとつながり、
『プレゼンス』の「アキレス最期の戦い」を生むに至るわけです。

『プレゼンス』の頃になると、
もはやアコースティックギターを使うこともなくなりますが、
エレクトリックで、
しかもハードな曲調であっても、
この音世界を創出することができるようになっていくのです。

そう考えると、
『Ⅲ』は、
将来のあるべき姿を見据えた、
ジミー・ペイジ渾身の一手だったということになり、
ますます興味深い作品と思えてきます。

このような…、
アコースティックギターを使っても、
アメリカっぽくならないサウンドは、
今のブリティッシュロックでも主流ですから、
ちっとも古くさく感じられず、
かえって新鮮に聴こえるんでしょうね。

「ギャロウズ・ポウル」(これはマジ、カッコいいっす)
「タンジェリン」
「ザッツ・ザ・ウェイ」
「スノウドニアの小屋」(なぜか、これだけコピーした経験があります)…
この並び、
本当によくできています。

私も、
今ここにひっかかるということは…、
セミアコのエレキを入手したということは…、
やはり、
将来はアコースティック路線に行くんだろーなぁ…、
などと、
おぼろげに感じながら、
昔は大嫌いだったアルバムを、
感動しながら聴いているのでした(笑)
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★ ILLUSTRATION BY nyao