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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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HN:
matsuZACK
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2018/07/16 (Mon)
東海道・山陽新幹線のホームで、
列車の発着時に、
「銀河鉄道999」(ゴダイゴ)の
メロディが流れるのですが、

ピアノで演奏されると、
コードの美しさが強調されて、
とてもイイ感じです…

が…

今回のテーマはそちらではなく、
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」にちなんだもので、
耳の調子が悪かった時期に、
読んだ本のタイトルです。

門井慶喜氏による、
第158回直木賞受賞作であります。

宮沢賢治の作品には、
何度となく触れており、
一時期ハマっていた、
夢枕獏氏によるSF小説
(「上限の月を喰べる獅子」)
のテーマにもなっていたことから、
その生涯についても、
それなりに知っていたつもりでしたが、

これほど精緻に、
彼の生涯を記した作品に出会ったことがなかったので、
スラスラと読むことができました。

鉱石に興味を持った少年時代や、
農学校を志望するに至る経緯…
そもそも私は宮沢賢治を、
農業を営む人と思っていたので、
質屋の長男だったというのが驚きでした。

とにかく、
生活能力というか、
社会に適応するのが難しかった、
彼の人格形成に関する記述には、
興味深いものがありました。

とはいえ…

この作品の主人公は、
賢治ではなく、
彼の父なのです。

父親という存在が、
家庭においてどういう立場で、
子供たちにどう接するべきなのか、
自問自答を繰り返す賢治の父が主人公です。

この父親の自問自答がおもしろいというか…
「そうだよなぁ」と共感するところが多いのが、
じつはこの作品の最大のポイントなのでした。

先代から受け継いだ家業を守り、
次の代へ譲る…
生計だけでなく家系を守る存在であり、
妻や子供たちに対しては、
優しいだけでなく、
いつも威厳を持って接しなければならず…

父親というのは、
なかなかたいへんなのであります。

とくに、
賢治という、
既成概念が当てはまらない、
言ってしまえば規格外の息子に対しては、
接し方がわからず、
いつも戸惑っているばかり…

溢れるほどの愛情を持ちながら、
いつも空回りしているのです。

ところが、

そんな賢治に文学という表現手段を勧め、
文学作品を通じて、
その本質を理解できるようになることで、
規格外の息子と、
うまく接することができるようになります。

そればかりか、
若くして、
しかもほぼ無名の状態で、
この世を去った息子の作品を出版するのです。

これにより、
賢治の作品は文壇から評価され、
後世のその名を残すことになります。

つまり結果として、
賢治の父は、
彼の人生を導き、
最大の理解者であり、
そして息子の名前を後世に残した、
偉大なる父親であったわけです。

この父がいなければ、
宮沢賢治の名前は、
一部の人の記憶にしか残らなかったかもしれない、
そう考えると、
これはスゴイことであります。

「銀河鉄道の父」は、
父親という存在を通じて、
宮沢賢治という存在が描かれている、
一粒で二度美味しい的な(笑)作品でした。

そのどちらをメインテーマととるかは、
読者次第だと思いますが、
今の私には、
父親という存在を語る部分がメイン、
と思えて仕方ないのです。

酷暑の折、
「銀河鉄道」というタイトルから、
ささやかな涼感を得ていただければ幸いです。

暑いですなぁ…
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★ ILLUSTRATION BY nyao