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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2018/01/08 (Mon)
さて、
2018年最初の話題は、
2017年末に、
紙ジャケ・再発シリーズを9枚、
一気に揃えてしまった、
ピンク・フロイドについてです。

9枚というのはつまり、
デビューアルバム『夜明けの口笛吹き(The Piper At The Gates Of Dawn)』から、
『神秘(A Saucerful Of Secrets)』
『モア(More)』(サウンドトラック)
『ウマグマ(Ummagumma)』
『原子心母(Atom Heart Mother)』
『おせっかい(Meddle)』
『雲の影(Obscured By Clouds)』(サウンドトラック)
『狂気(The Dark Side Of The Moon)』
『炎(Wish You Were Here)』
のことで、

以前にも述べましたが、
私にとってのピンク・フロイドとは、
まさに、
ここまでの作品を指しています。

この後の『アニマルズ(Animals)』『ウォール(Wall)』は別のバンド…
とまで言ってしまうと言い過ぎでしょうか…
とりあえずは、
別のコンセプトに支えられている作品ととらえています。

そして、
そこにあまり魅力を感じておりませんでした。

したがって、
私にとってのピンク・フロイドとは、
アルバム『狂気』であり、
この作品に至る軌跡だったのです。


2017年11月26日の項で、
『ウマグマ』が『狂気』のサウンド作りの過程で、
重要な役割を果たしていると述べましたが、
今回あらためて、
前述の9枚を聴き込んでみると、
まだ他にも発見がありました。


まず、
『アニマルズ』以降のコンセプトが違うと述べましたが、
もう1枚、
デビューアルバム『夜明けの口笛吹き』も、
その後の8枚とコンセプトが違うようです。

当時のリーダーである、
シド・バレットは、
少々変わったセンスではあるものの、
ポップ(つまり大衆音楽然とした曲調)であることを基本としているせいか、
今になって聴いてみると、
このアルバムはサイケデリックというよりは、
グラムロックっぽく聴こえるのでした。

シドのセンスに、
不思議なキラキラ感があるから、
余計にそう感じるのかもしれません。

ここから、
初期のTレックスや
ロキシーミュージックに近いものを感じてしまうのです。

そして、
彼の弾くギターはイケています。
現代のポップシーンでも十分通用しそうな、
普遍性のある音のセンスが素晴らしい。
(テレキャス特有のゴリゴリしたトーンもよいですね)

『夜明けの口笛吹き』は、
シドが伝説の存在ではなく、
ミュージシャンとしての才能に溢れていたことを確認できる作品です。

このポップな感じですが、
じつは『ウォール』でもう一度前に出てきます。

そして、
もう1つ際立ったのが、
『おせっかい』の、
2つの代表曲(「吹けよ風、呼べよ嵐」と「エコーズ」)にはさまれた小曲…
2曲目の「ピロウ・オヴ・ウィンズ」から
「フィアレス」「サントロペ」における、
ギルモアさんのギター。

これは当時流行の先端だった、
ジャズやファンクに影響された、
クロスオーバー的なオシャレなギターですが、
ギルモアさんはソロアルバムで、
かなりそちら側へ寄ったギターを弾いておりまして…
じつは「おせっかい」でその片鱗が伺えるのです。

ちなみに、
当時の先進的なギタリストには、
この嗜好が見られ、
最近何かと話題にする、
フォーカスのヤン・アッカーマンも、
『フォーカス3』の後半でこのようなプレイを見せたと思ったら、
ソロアルバムでは全面的に採用し、
オシャレなサウンドを作り出していました。

さらに余談ですが…

プログレ系のギタリストは、
ジャズのプレイスタイルからロックへアプローチしたタイプと、
(フリップ尊師やスティーヴ・ハウ先生など)
その逆にロックのプレイスタイルからジャズへアプローチしたタイプ
(ギルモアさんやアッカーマン)
に分かれますが、
私としては後者の方が色気で優っている気がして、
そちらに惹かれるのですが、
みなさんはいかがでしょう?

話を戻しますが、

つまり『おせっかい』では、
ギルモアさんの存在感が増しており、
このセンスが
『狂気』という到達点を過ぎた際に、
大きな力になったことがよく理解できたのです。

『ウォール』のコンセプトは、
『狂気』や『炎』の歌詞の一部に表れているような、
大衆をコントロールすることが可能になるほどの
商業的成功をおさめたバンドのエゴとよく言われますが、

時代の流れを意識し、
原点回帰とばかりに、
デビューアルバムの頃のポップな曲調に戻り、
最先端のギターを前に出すことを手法として採用していたとすると、
発表当時とは違う聴き方ができるかもしれません。

なにかと世間では、
ロジャー・ウォーターズにスポットが当たることが多いようですが、
ピンク・フロイドの2人のギタリストについては、
時代の先端を行くセンスの持ち主であったと言えるのではないでしょうか。

『狂気』を頂点とする9枚をよく聴いてみたら、
『ウォール』が理解できるようになったという…
2018年最初の収穫と言えるでしょうか、
これは…(笑)
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★ ILLUSTRATION BY nyao