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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2024/04/24 (Wed)
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★2017/12/24 (Sun)
どうして、
海外の紙ジャケはこのように粗悪なのだろうか…

ロキシー・ミュージックもそうだったけど、
これでは、
インナースリーブに印刷した程度じゃないか…

ブツブツ…

などという、
紙ジャケ・コレクターの不満はさておき、


フォーカスの紙ジャケBOXセット
『HOCUS POCUS BOX』(13枚組)が届きました。

暮れも押し詰まったこの時期に、
フォーカス三昧の日々を送るとは、
予想だにしなかった出来事で、

そのついでに、
と言っては何ですが…

この際、
ソフトの関係で更新できなくなってしまった、
『web-magazine GYAN GYAN』の、
「コレクターにならずに、ユーロ・ロックを聴く方法(第7回)」に予定していた、
フォーカスの特集をお届けしたいと思います。


「コレクターにならずに、ユーロ・ロックを聴く方法(第7回)」FOCUS

前回PFMの項でお話しした、
1973年のレディング・フェスティバルでトリを務めたのが、
フォーカスです。

さらに、
この年のメロディ・メーカー誌の人気投票では、
グループ部門で2位(1位はイエス)
ギタリスト部門ではヤン・アッカーマン(フォーカス)が1位
(2位はエリック・クラプトン)
キーボード部門ではタイ・ヴァン・レア(フォーカス)は5位
シングル「Sylvia」が2位、「Hocus Pocus」が3位
という、
ユーロピアン・プログレッシヴ・ロック系のバンドとしては、
二度と達成できない記録を打ち立てました。

当時のイギリスの音楽ファンの目が、
自国以外のヨーロッパのシーンに向けられていたことは、
間違いありませんが、
フォーカスはその中でも別格の存在で、
ロックの本拠地イギリスを脅かす勢力として、
オランダからやってきた黒船だったのです。

フォーカスは、
前出のタイ・ヴァン・レアとヤン・アッカーマンが出会い、
1970年に結成されました。

以降、
1976年にヤン・アッカーマンが脱退するまでを全盛期としていますが、
その後もバンドは後任を迎え存続し、
1985年には、
再び合流しアルバムを1枚だけ発表しました。
それから現在に至るまで、
何度か再結成されてはいるものの、
ヤンは参加せずにマイペースでソロ活動を続けています。

タイ・ヴァン・レアは、
コンセルバトワール(「のだめカンタービレ」参照)で正規の音楽教育を受け、
各種学位を取得しています。
ヤン・アッカーマンはタイ・ヴァン・レアほどではないものの、
やはり正規の音楽教育を5年間受け、
成績優秀であったため奨学生になっています。

このため、
フォーカスはヨーロッパ古典音楽の理論に基づき、
演奏を組み立てていたそうで、
3代目ドラマーとしてイギリスから参加した、
コリン・アレン(前任のピエール・ヴァン・ダー・リンデンはトレースに移籍)は、
アレンジ変更や転調を、
セッションの中で簡単にこなしてしまう、
メンバーの技術の高さに圧倒されたという話が残っています。

そして、
ポップ・ミュージック(ロックを含む)が英米発祥
と理解されていることに否定的であり、
音楽史から見てもヨーロッパ(大陸側)が主体である、
と主張していたようです。

そのせいか、
ヤン・アッカーマンはエリック・クラプトンに対し、
「いいギタリストだが技術的には自分の方がはるかに上だ」
とコメントを残しているだけでなく、
後にインタビューでクラプトンについて尋ねられると、
何も答えなかったと言うエピソードを残しています。

さしずめ、
正規の音楽教育を受けた彼から見れば、
ブルースなどを愛聴しているクラプトンなどは、
素人のギター少年であるというところでしょう。

そんなフォーカスのポリシーが具体的に表現されているのが、
セカンドアルバム『MOVING WAVES』(1971年)冒頭に収録されている、
ヒット曲「Hocus Pocus」です。
そうあの有名な…
鋼鉄リフから歌に入るといきなりヨーデルになり、
「よいろろ、よいろろ、ろんぱっぱ〜」となるアノ曲です。
(邦題「悪魔の呪文」はいえてます)

英米中心のロックに対しシニカルな視線を投げかけた、
この曲以外は、
バロックの香りがする小曲や、
いわゆるシンフォニック・ロックと呼ばれる組曲で構成されていますが、
これこそがフォーカスの真骨頂といえます。

ちなみに、
我が国でも当時の学園祭の定番だった、
大ヒット曲「Sylvia」を含む、
サード・アルバム『FOCUS 3』(1972年)、
メンバーは納得していない演奏のようですが、
ライヴの名盤に数えられる『AT THE RAINBOW』(1973年)に続く、

5枚目のアルバム『HAMBURGER CONCERTO』(1974年)は、
『MOVING WAVES』とまったく同じ構成をとっており、
「Harem Scared」でまたもや、
ブルースをおちょくったような演奏を披露しています。
(このアルバムのドラマーは前出のコリン・アレン)

フォーカス未体験の方には、
『MOVING WAVES』か『HAMBURGER CONCERTO』から
入ることをおススメいたします。

ヤン・アッカーマンのギターは、
ブルース・ブレイカーズ〜クリームあたりの
クラプトンによく似たトーンでありながら、
クラシック仕込みの流麗なフィンガリングに加え、
(このあたりはリッチー・ブラックモアに近い…)
フレーズの語尾に絶妙なビブラートを添えるという、
名人芸ともいえる高度なテクニックを誇っています。

ロックギター好きに受ける要素が満載なのです。

そんな彼はフォーカスを脱退すると、
ジャズ色を強め、
いわゆるフュージョンっぽい音を聴かせるようになり、
こちらも絶妙なのですが、
また別の機会にお話するとしましょう。


ユーロロックの世界で、
もっとも支持を受けたバンド、
それはフォーカスであることは、
間違いないことでしょう。


↓「よいろろ、よいろろ、ろんぱっぱ~」である…

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★ ILLUSTRATION BY nyao