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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
56
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2016/10/30 (Sun)
私が大学に入学した頃…
1980年前後のことです。

フランシス・F・コッポラ監督の「地獄の黙示録」に続き、
我が国では「野獣死すべし」が発表され、
その強烈な世界観が世間を騒がせていました。

生意気盛りだった私は、
平常の倫理が逆転することがあるのだから、
この世に絶対的な価値観など存在しない、
などとノタマヒ、

その後、
バタイユやユイスマンスといった、
フランス文学に傾倒していったのです。
(いちおう文学部なもので…)

あれから36年…

私に当時のことを思い出させる、
トンデモナイ個性が現れました。

仲間内では、
Crazy 沙耶香と呼ばれているらしい、
村田沙耶香さん。
そう、
今年の芥川賞を受賞した方です。

芥川賞受賞の「コンビニ人間」では、
コンビニという、
現代を象徴する機能に同化することでしか
社会と接点を持つことができない主人公を通して、
現代社会を鋭く観察しています。

あまりにも突拍子のない発想が、
次から次へと飛び出してくるので、
ページをめくるたびに、
ゲラゲラと笑いころげてしまいます。

しかし、
ひとしきり笑った後で、
背筋がゾッとしてきます。
こういう考えの人、
隣にいるかも…

そして、
「コンビニ人間」より先に発表されていた「消滅世界」では、
もっと凄まじい世界が描かれています。

こちらは、
戦争に徴兵された男性たちが、
子孫を残すために精子を保存し、
その後、
人工授精が当たり前になってしまったという…

村上龍さんの「五分後の世界」のような…

こちらは、
日本軍が本土決戦を選び徹底抗戦をしていたら、
というテーマでしたが…

バーチャルな現代が舞台になっています。

そんな社会に生きる、
普通の女性の日常を通じて…
価値観が変わってしまったら
当たり前になる会話を中心に、
家族や愛情について描かれています。

これは凄い…

こちらは、
あまりにヘヴィなテーマのため、
「コンビニ人間」のように、
軽やかに読み進めることは難しいと思いますが…

私は、
かつて倉橋由美子さんの「ポポイ」
を読んだときの感覚を思い出しました。
(こちらは、
処刑されて首だけになって生きている少年を飼う、
という話でした…)

女性が、
極端にブッとんだ発想をしたときは、
本当にとんでもないことを考えるものです。

おそろしや、おそろしや…

この2作を読んで、
この方が “Crazy” と呼ばれている理由がよくわかりました。

ブッとんでいるんです…
それもハンパなく。
ハンパなくブッとんでいるんです。

ただ、
精緻な文体で、
水彩画のように淡々と描かれているので、
まったくイヤな感じにはなりませんが、

ポップスに毒を埋めこんだ、
そう、
トッド・ラングレンみたいな作風なのです。

この世に絶対的な価値観など存在しないよ…

この年齢になって、
ふたたびそのようなことを言うことになるとは、
まったく予想していなかったことです。

村田沙耶香さんは、
半世紀に一度出るか出ないかという、
異彩だと思います。

さてこの後、
どのような妖しい花を咲かせるか、
たいへん興味深いところであります。

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★ ILLUSTRATION BY nyao