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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2016/05/29 (Sun)
「春の紫祭」の続きです。


もう1枚紹介したかったのは、
『LONG BEACH 1976』
こちらは第4期ディープ・パープルのライヴです。

全盛期といわれる第2期のメンバーから、
イアン・ギラン(Vo)とロジャー・グローヴァー(B)が抜け、
デイヴィッド・カヴァーディル(Vo)とグレン・ヒューズ(B)が加入した第3期。
これで安泰かと思いきや、
今度は中心メンバーであったリッチー・ブラックモア(G)が脱退。
後任にトミー・ボーリンが加入したのが第4期ディープ・パープルです。

我々、
日本のファンにとって、
第4期といえば、
『LAST CONCERT IN JAPAN』(1977年発表)という、
前年に急逝したトミー・ボーリンの追悼盤として発売された作品が
あまりにヒドイ内容であったため、
いい印象は残っていないようです。
(このへんの詳細は過去の記事を参照)

このとき(1975年11月)は、
日本公演の直前に、
インドネシアでローディが不可解な死を遂げ、
さらに粗悪なヘロインを注射したことにより、
左腕が満足に動かなくなるなど、
メンタルとフィジカルの両面で、
トミー・ボーリンが最悪の状態であったわけで、
この作品だけで評価を下されたら、
彼にとっては不本意きわまりないことでしょう。

今回のディスクは、
その後、
十分な静養生活を送り、
1976年2月のアメリカはロサンゼルスにおけるライブで、
地元の放送局がラジオでオンエア、
『ON THE WINGS OF A RUSSIAN FOXBAT』というタイトルで、
一時期販売されていた作品です。

ズバリ!
トミー・ボーリンがしっかりとした演奏をしています!

オープニングは「Burn」
『LAST CONCERT IN JAPAN』と同様、
前半のソロをキーボード、
後半をギターという、
オリジナルとは逆転した順番の上、
例の美しいアルペジオはやりません。
それでも、
トミーがマトモに弾いているので、
タイトな演奏になっています。
『LAST CONCERT IN JAPAN』で彼が何をやりたかったのか、
よくわかりましたよ(笑)

「Lady Luck」「Getting Tighter」「Love Child」
さすがに、
このメンバーによる唯一のスタジオ作品
『COME TASTE THE BAND』からのナンバーは堂に入っています。
とくに「Getting Tighter」は、
セッションっぽく入って、
本題の後、
またセッションっぽくなる大作で、
このディスクで最大の聴きモノです。

全体に、
バスドラムの音が強調されているので、
ドスドス響いてたいへん心地よろし…
イアン・ペイスはパワーだけでなくテクニックも素晴らしい。
16ビートにまったく違和感を感じません。

パープル最大のヒット曲、
「Smoke On The Water」はグレン・ヒューズが唸る
「Georgia On My Mind」に続きますが…
これが予想外によかった。

さすがに「Smoke On The Water」はね…
と思っていたのですが、
後半2人のヴォーカルがハモるあたりは、
息もピッタリ合っていて、
これはなかなかのものです。

「Lazy」はトミー流に解釈したジャズ・テイストをまぶし、
続く「Homeward Strutは彼のソロ・アルバム『TEASER』に収録された、
インスト・ナンバー。
このへんのフュージョンっぽい展開にも、
まったく違和感がないどころか、
卓越した演奏に聴き入ってしまうばかりです。

ここでディスク1は終了。

ディスク2は、
やはり『COME TASTE THE BAND』に収録されている、
「This Time Around」〜「Owed To G」

「This Time Around」は、
グレンがスティーヴィー・ワンダーに捧げた曲ということで、
そういえば曲調がそんな感じです。
(当時はまったく気がつきませんでしたが…言われて初めてわかった(笑)

後半のインストから、
トミー・ボーリンのギターソロに移るのですが、
これはいろいろエフェクターを使って、
ギミック的なプレイを連発します。
エフェクター・マニアの方は研究してみるとよいでしょう。
後半はスライドを使ったブルースになり、
いかにも“アメリカ”という雰囲気が漂います。

フィナーレは
「Stormbringer」
オープニングの「Burn」より、
こちらの方がこのメンバーには馴染んでいる感じがします。

で「Highway Star」で終わります…

いいですね。
素晴らしい演奏と珠玉のナンバー。

さらに堪能しようと思うなら、
「Burn」と第2期のナンバーを飛ばして聴くとよろし。

そうなんです。
そうすると、
第4期ディープ・パープルが何者であったかがよくわかります。

図らずも、
ライナー(原文)の最後にあった一言、
このバンドの最大の不幸は、
これが「ディープ・パープル」と呼ばれていたことだ。

まさにその通りです。

じつは、
16ビートやジャズの要素を取り入れ、
新しいタイプのアメリカン・ハードロックが生まれようとしていたのです。
「ディープ・パープル」の看板の下で…


私は3枚のディスクが届くと、
まずはこの『LONG BEACH 1976』を聴き、
その素晴らしい内容に感動しました。

ところが、
その後に第2期の2つのディスクを聴き、
もう一度ここへ戻ってみたら…
なんだか物足りない。

第2期のナンバーを飛ばすことを思いついたのはこの時でしたが、
それでもこの音は、
「ディープ・パープル」ではない…
短命だった素晴らしいバンドの音としてしか認識されないのでした。

ここが、
このグループの悲劇でしょうね。

私と同じような感覚のファンがたくさんいるんでしょうね…
(いや、ほとんどの方がそうなのでは?)

ティーンの頃は、
『MADE IN EUROPE』を愛聴し、
第3期が好きだったのですが、
考えてみればこの作品には、
第2期のナンバーが収録されておりません。

その後に発表された、
第3期の秘蔵ライヴにはみな、
第2期のナンバーが収録されていて、
これが興醒めなのです。

やはり、
ディープ・パープルは第2期なんでしょうね。

しかし…
そうとばかり言っていては、
バンドは前へ進むことができません。

メンバーチェンジをしたら、
前のメンバー時代の曲は演奏しない、
というルールでも作っておいたらよかったのに…

ヒット曲、
バンド名(看板)…
やはりロックバンドも安定経営のためには、
曲げなければならないモノがたくさんあるようで、
このあたり芸能の世界はキビシイものがありますなぁ。

↓ だからーっ、オレのせいじゃねーよ

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★ ILLUSTRATION BY nyao