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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2011/11/27 (Sun)
『U2/ヨシュアトゥリー
(U2/JOSHUA TREE』
(1987年発表)



SDE1
約束の地
 (Where The Streets Have No Name)
終りなき旅
 (I Still Haven't Found What I'm Looking For)
ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー
 (With Or Without You)
ブリット・ザ・ブルー・スカイ
 (Bullet The Blue Sky)
ラニング・トゥ・スタンド・スティル
 (Running To Stand Still)

SDE2
レッド・ヒル・マイニング・タウン
 (Red Hill Mining Town)
神の国
 (In God's Country)
トリップ・スルー・ユア・ワイアーズ
 (Trip Through Your Wires)
ワン・トゥリー・ヒル
 (One Tree Hill)
イグジット
 (Exit)
マザーズ・オブ・ザ・ディサピアード
 (Mothers Of The Disappeared)

天から音が降ってくる…。

このアルバムの1曲目、
「約束の地」のイントロが流れてきた瞬間に、
そう感じたものです。



今となっては、
それがどこだったのか、
よく覚えていないのですが、
1987年…新婚当時、
経済的にまったく余裕のなかった年に、
2枚だけ手に入れたLPの1枚であったことだけは、
今でも覚えています。

私とU2の出会いは、
この時から数年遡る1983年
…ちょうどLOOSE CONNECTIONがオリジナル曲を作り始めた頃…
になります。

このとき彼らは、
サードアルバム『WAR』を発表し、
そこからシングルカットされた、
「Two Hearts Beat As One」と「New Year's Day」
を聴いたことから、
私は彼らに興味を持つようになったのです。





なにしろ、
ギターサウンドが新鮮で、
さっそくそれを自分のギタープレイに取り込もうとしたおかげか、
初期の LOOSE CONNECTIONのオリジナル曲には、
かなり“U2っぽい”アレンジが見られます。

“U2っぽい”とはつまり…、

ギタリストの THE EDGEは、
基本的にフォークっぽく、
コードをかき鳴らすタイプなのですが、
そこに、
当時の最新鋭エフェクト、
デジタルディレイをかまし、
独特な音の奥行きと響きを生んでいます。

これが、
U2サウンドを印象的なものにしているのです。

デジタルディレイとは、
簡単に言うとエコーマシンの発展型です。

1970年代初頭、
テープを使って音をリピートさせていたエコーマシンは、
1970年代後半、
テープをメンテナンスするわずらわしさを解消するために
電子回路を使うようになり(いわゆるアナログディレイの登場)、
その数年後に、
回路をデジタル化したデジタルディレイへと進化を遂げました。

サウンド的には、
テープ式エコーとアナログディレイは、
リピートする音の輪郭が不鮮明で、
靄がかかったような感じになりますが、
デジタルディレイはそうではなく、
音の輪郭が限りなく鮮明で、
原音が「カキン、カキン、カキン…」と、
そのまま永遠に繰り返される感じになります。

ピンク・フロイドのデイブ・ギルモアはテープ式エコー、
U2の THE EDGEがデジタルディレイと言えば、
ギターを弾かない人でもイメージがつかめると思います。

ただし、
テープ式エコーやアナログディレイは、
もはや使えないのかと言えばそうではなく、
リピート音の輪郭の不鮮明さが、
かえって暖かい印象を与えるために、
デジタルディレイの冷たい音の感触を嫌い、
今でも愛用する人が多いのです。

両者は好みや目的に応じて使い分けることが必要で、
道具としては共存するべきものなのです。

THE EDGEは、
このようなデジタルディレイの特質を活かし、
たいへんクールな、
独特のギタープレイを展開しています。

デイブ・ギルモアに影響を受けて以来、
いつもエコーマシンを足元に置いていた私は、
さっそくデジタルディレイを購入し、
いろいろと試してみたというわけです。

冒頭の“天から音が降ってきた音”
「約束の地」のイントロこそ、
デジタルディレイを使った効果として、
もっともわかりやすいものでしょう。

さて、
この『ヨシュアトゥリー』ですが、
そんなTHE EDGEのギターのおかげで、
クールな音に仕上がっているのかと言えば、
そんなことはなく、
ボーノの声やメロディラインがとてもホットなためか、
音はクールなのに、
全体的には暖かい印象を受ける、
不思議なサウンドに仕上がっています。
(プロデューサーである、
イーノが随所に使用した、
鍵盤楽器の装飾音が効いているのかもしれません)

一方では、
アイルランドのバンドとして立脚していた彼らが、
アメリカの音楽に正面から向き合ったことで、
ヨーロッパ的なのに、
なぜかブルースやフォーク、ソウルを感じさせる、
不思議なサウンドを生み出したことによるのかもしれません。

この作品から彼らは、
一段大きなグループに成長していったのですから…。

さて、
この作品、
今さら私が何か言わなくても、
すでにロックの名盤として地位を確立しているわけですが、
とにかく、
1曲目から4曲目が強力で、
不幸にしてまだ聴いたことのない方がいたら、
これを聴いていただければ、
私の言っていることを理解してもらえるのではないでしょうか。







テクノロジーの進化をうまく利用し、
それを自分達のサウンドとして昇華した U2。
これ以降、
私は2種類のエコーサウンド…、
アナログとデジタルを使い分けるようになりました。

そして、
アメリカのルーツミュージックを
自分流に解釈することの可能性を知りました。

俺流ブルース、俺流ソウルでいいんですよ。

ところで、
この「約束の地」を胎教のように
毎日聴かされていたのが私の長男なのですが…、
これが彼の人格形成にどのように影響したかについては、
いまだ検証中です。
というか…、
彼は覚えていなかったですね(笑)
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