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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2011/10/30 (Sun)
ひさしぶりで、
紙ジャケ再発シリーズをチェックしたら、
年末に THE WHO が予定されていることを知りました。

しかも今回は、
前回逃してしまった、
『THE KIDS ARE ALRIGHT』がラインアップされているではありませんか…。

よく聴いたなぁ…。
コイツのおかげで、
私のギタープレイは大きく変わったんだ…。

そういえば…、
以前書いていた、
『私の人生を変えたアルバム』の、
次の話題にしようと思っていたんだよなぁ…。

あれは、
あのまま進んでいなかったんだけど…、
最近ネタがなくなってきたから、
もう一度取り組んでみようかな?

ということで、
今回は、
たいへん短絡的でありますが、
『THE KIDS ARE ALRIGHT』紙ジャケ再発を祝して、
中断していたシリーズを再開しようと思います。

題して『私の人生を変えたアルバム』⑪

--------------------------------------------------------

私的ロック評論シリーズの第11弾です。

第11回は、
THE WHOの『THE KIDS ARE ALRIGHT』です。



『ザ・フー/キッズ・アー・オールライト
(THE WHO/THE KIDS ARE ALRIGHT』
(1979年発表)

SDE1
マイ・ジェネレーション
 (My Generation)
アイ・キャント・エクスプレイン
 (I Can't Explain)
ハッピー・ジャック
 (Happy Jack)
恋のマジック・アイ
 (I Can See For Miles)
マジック・バス
 (Magic Bus)
不死身のハードロック
 (Long Live Rock)

SDE2
エニウェイ・エニハウ・エニホエア
 (Anyway, Anyhow, Anywhere)
ヤング・マン・ブルース
 (Young Man Blues)
マイ・ワイフ
 (My Wife)
ババ・オライリィ
 (Baba O'Riley)

SDE3
ア・クイック・ワン
 (A Quick One While He's Away)
トミー・キャン・ユー・ヒア・ミー
 (Tommy, Can You Hear Me?)
スパークス
 (Sparks)
ピンボールの魔術師
 (Pinball Wizard)
シー・ミー・フィール・ミー
 (See Me, Feel Me)

SDE4
ジョイン・トゥゲザー
 (Join Together)
無法の世界
 (Won't Get Fooled Again)

私は、
このアルバムと同名の映像によって初めて、
ザ・フーの全貌を理解しました。

いや私だけでなく、
多くの日本のファンにとっても、
ザ・フーがどのようなグループであるかを、
知ることができた作品だったのではないでしょうか。

ただし皮肉なことに、
その時すでにオリジナルメンバーである、
キース・ムーンはこの世を去っていたのです。

我々日本に住んでいる、
ザ・フーのファンにとって最大の不幸は、
オリジナルメンバーによるライブを
リアルタイムに体験できなかったことです。

これによって、
日本でのザ・フーの評価は、
欧米と比較して、
著しく低いものになっています。

私が初めてザ・フーを知ったのは、
中学の頃に見た、
映画『ウッドストック』の中ででした。

白くハレーションを起こしたような画面に、
SGを抱えたピートが跳ねる…、
西部劇に出てくるようなピラピラしたジャケットを着た
ロジャーがマイクを振り回す…。

そして、
派手なフロント2人を支える、
やたら手数の多いドラムと、
とにかく弾きまくるベース…。

意外に美しいコーラスワークを聴かせ、
それと対極の歪んだ音で盛り上げ、
最後にギターを叩きつける…。

それは、
暴力的なハードロックを好む少年には、
たまらない衝撃でした。

映画の後でさっそく、
ザ・フーのレコードを探したのですが、
近所のレコード屋には置いておらず…。
じつは、
当時の日本では、
彼らの主要アルバムは国内盤として発売されていなかったのです。

その後、
『ライブ・アット・リーズ』を入手したのですが、
何となく中途半端な内容で、
(LP時代のB面がよろしくないですね…
ウッドストックの演奏と違ったアレンジになっているし)
どうにもあの衝撃が蘇らず、
不完全燃焼状態に陥り…。

さらに、
スタジオ盤のベストアルバムを見つけたのですが、
これが、
「別のバンドか?」と思えるほど綺麗な録音で、
(よーするにチンマリした音)
シャレでなく、
「キミたちは何者?」と疑惑を持つに至り…。

私は徐々に、
ザ・フーから興味を失っていきました。

ザ・フーはスタジオとライブを、
完全に別物として考えており、
スタジオに入ればテクノロジーを駆使し、
とにかく凝りに凝った音を作ります。

また、
楽曲がストーリー性を持っているので、
ベストアルバムのような形で切ってしまうと、
かなり説得力に欠けてしまいます。

ライブは『ウッドストック』のように、
暴力的な方向へ振り切っているのですが、
これも音だけではイマイチ伝わりきらず。

つまり、
非常にフトコロの深いバンドだったのですが、
それが当時の断片的な情報だけでは伝わりきらず、
ザ・フーに対する私の渇きは、
けっして癒されることがなかったのです。

それをすべて解消してくれたのが、
この『キッズ・アー・オールライト』の音と映像でした。
ここに至って私は、
ザ・フーの本当にスゴさを理解することができました。
そして彼らは、
私の音楽人生でもっとも重要なグループのひとつになったのです。

当時の私は、
エキセントリックでテクニック志向のギターを追求することをやめ、
コードやカッティングのおもしろさにハマっていました。
『キッズ・アー・オールライト』のリリースは、
ちょうどこれにピッタリのタイミングでした。

私はとにかく熱心に、
ピート・タウンゼントのギターを研究しました。

ピートのギターの特徴は、
まずその独特のコード感覚にあります。
ロックの楽曲ではあまりお目にかかることのない、
7th系のコードやそれにテンションを加えたコードや、
(とくに、sus4をロック全体に響かせました)
ペダルポイントといった技を、
(※コードに関係なく1つの音をずっと鳴らし続けること)
絶妙のタイミングで放り込んできます。

そして、
あの激しいステージがそうさせるのか、
それらの複雑なコードを、
じつに簡単な、
楽な抑え方で鳴らしてしまいます。

とにかく、
開放弦の使い方がうまくて…、
開放弦というのは、
ギターにだけできる音の鳴らし方なので、
(※どこも抑えず弦を鳴らすこと)
表現を変えると、
ギターという楽器の特性を知った鳴らし方ができる、
ということになりますが、
これにはたいへん影響を受けました。

ステージアクションの方は、
とりあえず挑戦してみたのですが、
有名な、
腕を風車のように回してギターを弾く…、
高校の頃に、
レスポールであの奏法に挑んだところ、
見事に右手親指の爪をハガし、
それ以来そちらの方はあきらめてしまいました。

ピートは、
ストラトだろうが、
SGだろうが、
レスポールだろうが、
果てはダブルネックのギターでも、
ブンブン腕を振り回して、
涼しい顔をしているので、
こちらもたいしたモノです。

今聴くと、
初期の LOOSE CONNECTIONの楽曲には、
ピートからいただいたネタが
あちこちにちらばっていることがよくわかります。

私のコード感覚、
そしてカッティングのセンスは、
CHAR、POLICEのアンディ・サマーズ、
RUSHのアレックス・ライフスン、
そしてピート・タウンゼントによって作られたのです。

さらに、
彼らのプレイを研究し、
コードについて知れば知るほど、
和声や音楽理論を学ぶ必要性を痛感し、
20歳頃になってはじめて、
独学ではあるものの、
音楽理論について勉強するに至るのでした。

『キッズ・アー・オールライト』では、
もちろんあのウッドストックのハイライト、
「スパークス」
「ピンボールの魔術師」
「シー・ミー・フィール・ミー」
も素晴らしい出来ですが、
『ライブ・アット・リーズ』より凶暴な
「ヤングマン・ブルース」、
そしてアコースティックなのに凶暴な
「マジック・バス」が
私にとってのベストチューン。

そして音を聴くと、
あの映像が見たくなり…、
お茶目で憎めない奇人変人、
キース・ムーンの天使のような笑顔に会いたくなります。

すでに半分のメンバーが亡くなっても、
耳が聴こえなくなっても、
いつまでも続いている THE WHO。
全員クタバルまで、
ロックンロールを続けてほしいものです。

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★ ILLUSTRATION BY nyao