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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2011/12/18 (Sun)
前回、
トッド・ラングレンの『サムシング / エニシング』を紹介しましたが、
私はその後、
ライノの再発盤を中心に、
彼の主要作品を集めまくったので、
今回は少し、
そのあたりの話をしたいと思います。

トッド・ラングレン。
1948年生まれ。
1967年に NAZZ(ナッズ)のメンバーとして、プロデビュー。
3枚のアルバムを発表するが、
たいした成果を残せず1970年に解散。
『サムシング / エニシング』に収録されている
「ハロー・イッツ・ミー」は NAZZのファーストアルバムが初出だが、
リードヴォーカルはトッドではない。
このことに象徴されるように、
NAZZ時代は不遇だったといえる。

1970年『ラント(RUNT)』でソロデビュー。
『サムシング / エニシング』は、
『ラント(RUNT)』、『バラッド(THE RALLAD OF TODD RUNDGREN)』
に続く3枚目のソロ作品。
この作品から、
ソロでは、
すべての楽器を一人で演奏するようになり、
マルチプレイヤーと呼ばれる。
現在までに20枚のソロアルバムを発表。
アップルコンピューターの支持者で、
最近ではパソコンを使って演奏することも多い。

ソロと並行して、
1974年からはユートピア(UTPIA)を結成。
当初6人編成だったバンドはその後4人編成になり、
1985年までに11枚の作品を発表。
当初は、
プログレッシヴロックを標榜していたが、
その後はビートルズのパロディというか、
発展型のようなサウンドを展開。
こちらでのトッドは、
ギター&ヴォーカルに徹している。

現在も現役のミュージシャンである。

というような経歴のトッドですが、
私が『サムシング / エニシング』の次に気に入っているのは、
ソロ作品としては、
『サムシング / エニシング』の次に発表された、
『魔法使いは真実のスター(Wizard, A True Star)』(1973年発表)



これは、
前作の完成度から一転して、
短い実験的な楽曲を19曲も、
切れ目なしに並べるという、
コラージュ的な手法を使った作品です。

ジャケットも、
かなりシュールですが、
インナースリーブの写真が、
ものスゴい散らかった部屋にいるトッドで、
これが内容を見事に表現しています。

ちなみに、
当時のトッドの恋人だった、
ベベ(有名なグルーピーとしてその男性遍歴を本にした人)の話によると、
この写真って、
トッドの真実の姿のようで、
考えられないくらいロマンティックだと思ったら、
とつぜんハードロッカーになったり、
ヒッピー風のフォークシンガーいになったり、
豹変ぶりが凄まじくてついていけなかったと…。
(トッドって、
ベベとの子供を大切に育てていましたが、
じつはその子はステーヴン・タイラーの子で、
それが後に女優になってリズ・タイラーであるという、
すんごいネタがあります(笑)

とにかく…、
この作品は、
早いペースで次から次へと、
いろいろなタイプの作品が登場するのですが、
各曲のレベルは高く、
さすが、
と唸らされるものがあります。

とくに、
大甘のソウルメドレー:
「アイム・ソー・プラウド
〜ウー・ベイビー・ベイビー
〜ラ・ラは愛の言葉
〜クール・ジャーク」は、
部屋に女子を呼んでこれをかけたら、
まず落ちるだろう(笑)
必殺の1曲です。



その他、
ライブの定番曲、
「ネヴァー・ネヴァー・ランド」
「たったひとつの勝利」など、
名曲がズラリです。




トッドは、
ドラムの、
それもスネアの音に、
かなりのコダワリがあって…、
彼の理想はビートルズ時代のリンゴの音のようですが…、
それがサウンドの特徴になっています。

じつは、
これは私も同じで…、
ただ私の場合は、
ZEPのジョン・ボーナムが理想ですが…、
このアルバムでも1曲目で、
タンタンっとスネアが聴こえた瞬間に、
おーっと感動したものです。

ユートピアは、
そのプログレっぽい展開からか、
トッド・ファンの間では評判が悪いのですが、
私はそんなことはなく、
(なにしろ、プログレ好きですから)
けっこうよく聴きました。

まずは、
2枚目の『アナザーライブ(ANOTHER LIVE)』(1975年)



6人編成ですが、
たいへん完成度の高いライブです。
内容は、
それほどプログレっぽくはなく、
かなりソロ作品の音に近く、
部分的には、ステーヴィー・ワンダーっぽい部分があり、
とてもポップで聴きやすい作品になっています。



この“ポップで聴きやすい”は、
トッド・ラングレンのポイントで、
裏方に、
どれだけ毒(攻撃的なメッセージ)があっても、
サウンドにどれだけ凝っていても、
とりあえず、
覚えやすいメロディで、
聴きやすい音になっています。

まるで、
砂糖でコーティングしてあるように…。

このへん、
同じタイプのフランク・ザッパとは大きく違っている部分です。
彼の場合は、
まず、
その先鋭的なサウンドにすべてが表れていますからね。

ユートピアのスタジオ作品では、
その後の、
『太陽神(RA)』
『悪夢の惑星(OOPS WRONG PLANET)』
(ともに1977年発表)
という2枚の完成度が凄まじく、
これは他の追従を許さない程だと思います。





この頃のユートピアは、
衣装も銀色の光モノだったりして、
かなりSFっぽいイメージでした。

『悪夢の惑星』になると、
怒濤のような音の連続で、
全編を通して聴くには、
かなりの体力が必要になるくらいです。

『太陽神』に収録されている「サンバースト・フィニッシュ」は、
当時流行したフュージョン的な展開を見せる曲ですが、
そこで、
楽器によるインタープレイではなく、
コーラスを採用するあたりが、
トッド・ラングレンの真骨頂です。



あくまでも、
人の声にこだわる。

そういえば、
声をサンプリングして演奏に仕上げた作品もありました。
(『ア・カペラ』(1985年)

トッド・ラングレンは今でも音楽活動を続けており、
最近では、
2004年発表の「ライアーズ(LIARS)」という作品が印象に残っていて、
パソコンを上手く使っているなぁ…と感心したものです。




こうして、
あらためて見てみると、
トッドってスゴいなぁ…と思うのですが、
髪を7色に染めてみたり、
眉のあたりに蝶を書いてみたり…、
けっこう変な人というか、
はっきり言って、
奇人変人なんですよね(笑)

天才と○○は紙一重って、
トッドのためにあるような言葉かも…。

そういえば、
以前に紹介した、
クラプトンがクリーム時代に使っていた、
サイケデリックペイントのSGは、
その後トッド・ラングレンが所有しているんですね。

その上、ミーハー?(笑)
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★ ILLUSTRATION BY nyao