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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2008/05/25 (Sun)
今回は、
エース・フレイリーのギターについて、
語ってみたいと思います。



エース・フレイリーが、
キッスに加入する際に使用していた機材は、
ギブソン・ファイヤーバード〓と、
マーシャル・アンプ(50Wコンボ・タイプ)だった、
ということです。

ギターに詳しい人なら、
すぐにピンとくるかもしれませんが、
これはクリーム時代の、
エリック・クラプトンと同じ機材です。

エース・フレイリーはその後、
ステージにおいては、
ギブソン・レスポールとマーシャル・アンプを
定番セットとするようになりますが、
まれに、
ギブソン・エクスプローラのコピーモデル(日本製)
を手にすることがありました。

キッスというバンドが、
その初期において、
ビートルズをイメージしていたことは、
前回に語った通りですが、
エース・フレイリーのギターは、
機材からも明らかなように、
エリック・クラプトン、
それも、
ブルース・ブレイカーズからクリーム時代の、
エリック・クラプトンの影響が大です。

楽曲の雰囲気を損なわないように、
覚えやすいメロディで、
コンパクトにまとめられたギターソロには、
クラプトン直系の、
微妙な音程のチョーキングや、
大きなヴィブラートといった、
ブルースギターのテクニックでいっぱいです。

私は、
そんなエースのギターソロを、
たいへんセンスのいいものであると、
評価しております。

しかし、
バンドの方針なのか、
エースの方針なのか、
歌のバックではほとんどオブリガード等を入れず、
ひたすらリズムギターに徹しているため、
リードギターにスポットが当たる時間が極端に少なく、
またあのメーキャップのおかげで、
音楽的な評価を得る機会そのものにも恵まれず、
結果として、
エースのギターは過小評価されているのが現状です。

これは、とても残念なことです。

長尺のギターソロで自己主張するよりも、
短くコンパクトにまとめる方が、
難易度が高いと思うのですが、
いかがなものでしょう。

さて、
エースのようなタイプのギタリストは、
海外ではあまり見かけないのですが、
おもしろいことに、
日本にはけっこうおります。

たとえば、
キャロル時代の内海利勝さんや、
ストリート・スライダーズ時代の土屋公平さんは、
間違いなく、
エース・タイプのギタリストです。

つまり、
ブルース・ブレイカーズからクリーム時代の
エリック・クラプトンの影響が大でありながら、
バンドのポップなサウンドを損なわないように、
短くコンパクトにまとめるギターソロが多いこと。
そういえば、
バンドにもう一人、
リズムギターを弾くギタリストがいることも、
共通しています。

これは、
同じく、
2本のギターでサウンドを組み立てている、
エアロスミスのようなバンドとは少し違った手法で、
どうやら、
目指すべき存在が、
ビートルズなのかストーンズなのかが、
分かれ道になるようです。
(ストリート・スライダーズは、
ルックスのおかげでストーンズ派に分類されがちですが、
バンドのコンセプトは間違いなくビートルズ派です)

最後に、
いまでも私の記憶に残る、
エース・フレイリーのギターソロ・ベストテイクですが、
「ショック・ミー/アルバム『ラブ・ガン』収録」
「ロケット・ライド/アルバム『アライブ〓』収録」
「スノウ・ブラインド/ソロアルバムに収録」
といったところでしょうか。
いずれの曲も、
エース節全開ではあるものの、
けっこうプッツンいきそうになる部分があって、
おもしろいサンプルだと思います。



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さて、
当初は『地獄の軍団』だけを語るつもりだったのに、
つい調子に乗って、
5回にわたってキッスを語ってしまいましたが、
今回で終了したいと思います。

私をロックへと導いた、
『地獄の軍団』は、
キッスの出世作として位置付けられるものの、
本人達はその手法をよしとせず、
次作『地獄のロック・ファイヤー(ROCK AND ROLL OVER)』
では、
もう一度原点に戻ったようなサウンドを展開します。
キッスが『地獄の軍団』の手法を、
自分達のものとするのは、
その次のアルバム『ラブ・ガン』においてでした。

そう考えると、
キッス・サウンドの完成は、
『ラブ・ガン』ということになるのですが、
その頃の私の興味の中心は、
すでに他のバンドへ移っていたため、
『地獄の軍団』のような感動を得ることはありませんでした。

しかし、
キッスのキャリアはその後も続き、
メンバーチェンジを経たり、
メイキャップをやめたり、
さまざまな困難を乗り越えながら、
アメリカン・ハードロックの王者の地位を守っていきます。
その姿は、
まさに1編のサクセスストーリーであり、
アメリカン・ドリームの体現として賛辞すべきものでしょう。
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