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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2014/05/11 (Sun)
土曜深夜12:00から、
(正確に言えば、日曜の0:00)
BSプレミアム(BS103)で放送されている、
「笑う洋楽展」という番組をご存じですか?

ロックを中心とした洋楽のPVを流し、
みうらじゅん・安斎肇の両氏がコメントをつける…
コメントというより、
飲み屋の会話のような、
じつにバカバカしい内容で、
出演しているミュージシャンをこき下ろすという感じ…
かつては特番として企画されていたのですが、
この4月からはレギュラー番組になりました。

レギュラーになってからは毎回、
テーマに従って5本のPVを流し、
もっとも際立っているものを選ぶ、
という構成になっています。

いままでのテーマですか?
「胸毛男」とか「孤独のダンス」とか…
まぁ…そんな感じです(笑)

かなり笑えるので、
未体験の方にはオススメしておきます。

ところで、
最近になって気がついたことがひとつあるのです。
それは、
毎回笑えるネタになるPVは、
1980年代のポップスである確率が高いということです。

1980年代…
というより、
1980年代中盤…
1983年ぐらいから1987年あたり…
これはたしかに、
今になって振り返ってみると、
かなり特異な時代です。

もっとも大きな特徴は、
その前後の時代とのつながりが希薄で、
いわゆる“ガラパゴス的”な年代になっている、
ということです。

私は1980年に高校を卒業し、
大学へ入学しましたが、
1980年という年は、
多くの人々にとって、
新しい時代がやって来たという意識が強く、
マスコミもそれを煽っていたことを記憶しています。

21世紀直前、
新しい時代の幕開けだ…という感じでした。

1970年代以前の文化は、
もはやオールドファッションで、
新しい文化の波…ニューウェイヴがやってくる…
そういえば、
パンク以降のロックの動きも、
“ニューウェイヴ”と呼ばれていましたね。

セックス・ピストルズを解散させたジョニー・ロットンが、
PIL(パブリック・イメージ・リミテッド)のデビューアルバムを発表したのが、
1978年。

私はジョニー・ロットンこそ、
ジャーマンロックの要素をイギリスに持ち込み、
“ニューウェイヴ”シーンを先導した張本人だと思っています。

当時は、
デヴィッド・ボウイもドイツに注目、
1977年に『ロウ』『ヒーローズ』を発表していますが、
それほど評価されておらず、
また、
ウルトラヴォックスもすでに数枚のアルバムを発表していましたが、
思ったほどの支持を受けられず、
1978年にいったん活動を休止。
彼らが息を吹き返すのは、
シーンが動き始めた1980年になります。

ジョニー・ロットンは、
マスコミの注目度No1でしたから、
彼が動いたことでシーンが動いたという印象です。

こうして、
1980年以降のイギリスは“ニューウェイヴ”一色になり、
次第にアメリカにも飛び火していきます。

ジャーマンロックというのは、
サイケデリックロックの流れを組む、
トリップミュージックを中心としたシーンで、
シンセサイザーなどのエレクトロニクスを
大きく導入している点に特徴があります。

そこに、
何とも言えない退廃的な雰囲気、
終末感と言ってもよいかもしれません…
が漂っています。

デヴィッド・ボウイもジョニー・ロットンもウルトラヴォックスも、
このような雰囲気を見事に表現しているのです。

その一方で、
ジャーマンロックには、
どことなく無機質でクールな要素があり、
また、
このような音に対応するためか、
独特のファッションセンスを持っている個性的なミュージシャンも多く、
(例えば、テクノカットなどは、
クラフトワークというグループのメンバーがやっていたものですし、
クラウス・ノミなどは一度見たら忘れられません…)
これが、
一部の先鋭的な文化人…
ジョニー・ロットンに注目してジャーマンロックに目を向けた人たちには、
新しい時代の幕開けにピッタリのイメージと映ったのではないでしょうか。

このような音やファッションを極端にデフォルメして、
当時のポップスシーンを演出した。
来るべき21世紀…
未来を予感させる新しい時代の幕開けにふさわしいシーン…
これが1980年代のポップスである、
と、
私は思うのです。

ジャーマンロックから、
退廃的な雰囲気や終末感を取り除き、
ノーテンキに、
(↑ここ重要!)
そしてクールに無機質に、
極端にデフォルメされた未来の姿に、
世界的好景気の中で踊らされた大衆…
あーっインチキくさいーっ(笑)

技術的には、
シンセサイザーを中心にしたことがアダとなり、
その驚くべき進化の途中であったことから、
1980年代には最新と思われたものが、
あっという間に古い前世紀の遺物となってしまいました。

ピコピコミョーンだからね…(笑)

テクノという分野は、
その後もヨーロッパでは脈々と継がれているわけですが、
1990年代後半に、
この種のテクノロジーを駆使した化け物的存在…
ケミカル・ブラザースが登場するに至り、
もはや1980年代の音は影も形もなくなってしまったのです。

また、
1980年代後半から、
クラブシーンが台頭し、
ジャズ・ファンクがブームになり、
その後、
1990年以降、
ヒップホップなどに枝分かれしながら、
現在に至る16ビートの文化を形成するのですが、
これはそもそも、
1970年代初頭に、
一部のミュージシャンが試した、
ファンクのリズムでジャズを演奏するという…
当時はまったく相手にされなかった音が、
再評価されたことによるもので、
1970年代から1990年代に直結し、
現在に至る…つまり1980年代の音はあまり関与しておりません。

さらに、
世界的好景気から一転、
恐慌が訪れ、
テロや戦争など、
さまざまな政情不安の中…
毎度の繰り返しですが、
ギターをかきならして叫ぶんだーっ
とばかり、
パンクに続く、
原点回帰の動き…ガレージロックのシーンが起こったのが、
1990年代。
このときリスペクトされたのは、
ブラック・サバスを筆頭に、
やはり1970年代の音…
この流れも、
1970年代から1990年代に直結し現在に至っています。

1980年代当時、
「もうギターのような原始的な楽器は終わりだよ、
これからはテクノロジーの時代だ」とのたまった愚か者たちは、
今やいずこ…(笑)
ギターサウンドはテクノロジーで再現できねーんだよっ

現在、世界的に主流になっているのは、
まず、
この2つの流れ…
16ビート系とガレージロック系。
そしてヨーロッパでは、
1980年代直前に、
デヴィッド・ボウイやウルトラヴォックスやPILが出していた、
退廃的で終末感ただよう音がそれを演出したりして…
そこには、
1980年代ポップスの影も形もなく、
唯一、
テクノの発展型にケミカル・ブラザースなどがいるものの、
もはや“エレクトロニクスポップス”と呼ばれるような、
非常に大掛かりなものになっており、
ここで、
1980年代のピコピコミョーンとした音を語るのは、
かなり恥ずかしい…
これが1980年代ポップスに対する、
今の私の見解です。

まぁ…お笑いネタとして持ち出されるだけ、
まだマシなのかもしれませんが…
それも複雑な心境ですよね。

いちばん困るのは、
その時代にリアルな世代だった私が、
「笑う洋楽展」のみうらじゅん氏といっしょで、
そのへんの音に、
まったく愛情を感じないことなんですね…
むしろ憎悪に近いか?(笑)

「オレ、この年代はどーしても好きになれないっ」

それでも以前、
1980年代の洋楽ヒット曲を集めたCDを買ったのですが、
1回聴いたっきりで、
2度と聴いていないですからね。

人のギターを聴いて「オールドファッション」と言った、
テクノカットの小僧…今、何やっているんだろうか?
見事に髪がなくなっていたりして…ね(笑)

時代は後に振り返って、
はじめて価値が評価されるもの、
ですなぁ…

それにしても笑える…ヘンだよヘンですよ、コイツら(笑)

笑う対象のミュージシャンを実名で出さなかったのは、
まぁ…いろいろ各方面を配慮したからであります。
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★ ILLUSTRATION BY nyao