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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
55
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2016/01/17 (Sun)
私とデヴィッド・ボウイの出会いは、
1978年12月NHKホールで収録された、
来日公演の映像を見たことから始まっています。

じつに40年近くも前のこと…

時期的には『ヒーローズ』を発表した直後で、
後に『ステージ』という、
ほぼ同じ構成のライヴ・アルバムが発表されています。
(このへんのくだりは、
ニュー・ルーディズ・クラブに寄稿した、
「ジギー・スターダスト」の残響音を参照してください

ここから、
『ジギー・スターダスト』『スペース・オディティ』
あたりまで遡り、
順番にアルバムを制覇し、
あとはリアル・タイム、
というところです。

ボウイはジギーのキャラクターで、
グラム・ロックのシーンをリードし、
一世を風靡しますが、
ジギーを封印し、
近未来を描いたSF的作品の後は一転して、
シン・ホワイト・デュークと称し、
ソウルに傾倒したサウンドを提示します。

これは、
ディスコ・サウンドが大流行するタイミングでした。

その後、
ドイツが東西に分裂していた当時のベルリンへ行き、
(一説によると麻薬依存症の治療のため…とか)
またもや、
サウンドを一変させ、
ジャーマン・エレクトロニクス・ポップの影響を受けた、
作品群を発表します。

これは、
パンクロックの終焉から
ニュー・ウェイヴへと移行するタイミングでした。

ドイツのシーンに注目したのも一歩早かったようです。

その後も、
ふたたびダンス・ミュージックに戻り、
クラブシーンを刺激します。

このようにボウイは、
どの時代でも、
世の中の向かう方向を的確にとらえ、
いち早く対応し、
素晴らしい作品を発表し続けたおかげで、
時代を先導する存在として、
あらゆる世代から支持されたのでありました。

私が、
そんな彼の思惑がわからなくなったのは、
1989年のティン・マシーン結成でした。
トッド・ラングレンと活動していたセールス兄弟と、
リーヴス・ガブレルズという稀代のギタリストと組み、
これからはバンドの一員として活動する、
と宣言した時です。

その後、
ガレージとかオルタナティヴとか呼ばれる、
バンド・ブームが到来するので、
これも時代を先取りしていた、
と言ってしまえばそれまでですが、
何やら違和感を覚えたものです。

実際、
このバンドのサウンドは、
轟音ではあるものの、
それらのシーンのサウンドとはほど遠いものでした。

このあたりから、
ボウイの活動は、
それ以前のような切れ味の鋭さがなくなり、
その代わりに、
ある種の迷いのようなものが感じられるようになったのです。

その要因のひとつは、
1980年代が終わり1990年代になったあたりから、
単一の価値観で、
音楽シーン全体を引っ張ることができなくなってきた…
というか、
さまざまなタイプの音楽が乱立し、
局所的な小さなブームがあちこちで起きる、
という時代になってきたため、
ボウイのカリスマ性が求められなくなったから、
だと思います。

ボウイ自身も、
自分のメッセージがファンに届かなくなっている、
と発言しておりました。

もうひとつの要因は、
ボウイ自身の感性が、
年々下がっていき、
そのような混沌とした音楽シーンの、
先を読むことができなくなってしまったから、
と思っています。

ムッシュかまやつの「ゴロワーズ」の歌詞ではありませんが、
人間年をとると、
だんだん好奇心が弱くなり、
ある日、
自身の感性の衰えに気づき愕然とする、
ということがあるようで…
これはボウイのような才能ではありませんが、
私たち凡人でも同じように感じることがあるので、
万人に等しく訪れる現象といえるのではないでしょうか。

ボウイの場合は、
世界的なスーパースターですから、
プレッシャーも想像を絶するものがあったでしょう。

でも彼もひとりの人間です。
衰えは確実にやって来たはず…
(1997年で彼は、50歳でした)

諸先輩方は、
このような年代になった場合、
自身のルーツというか原点に帰って、
それを掘り下げてみたり、
または単純に楽しむことで、
この波を乗り切ったようです。

たしかに…
新しいものに目がいかなくなったら、
自身を振り返る、
ということはアリですね。
とりあえず気持ちが楽になります。

ボウイもそこへ行きついたのか、
2004年の『リアリティ』は、
作り手の意識が軽くなった印象を受ける作品でした。
来日公演も、
単純に楽しめる内容になっていました。

しかし、
ここから彼は、
長らく新作を発表しなくなってしまいます。

ここが限界だったのか、
それとも、
本当にマイペースで活動をしよう、
と決心したのか、
そのへんの事情はよくわかりません。

引退説とか重病説がささやかれる中、
2013年に突如として新作を発表しますが、
そこで見えた光景は、
老いと死の臭いで、
正直、
これがボウイのラスト・アルバムになるのでは、
と思ったほどでした。

ところが…

私はまだ未聴ですが、
(一時的な品切れ状態になっているらしく入手できない…)
新作『★』は、
そんな感じではなく、
ジャズとヒップホップを取り入れ、
非常に意欲的な作品に仕上がっているとか…

ラスト・アルバムが、
“終わり“ではなく“始まり“を予感させるものであった、
というのは、
いかにもボウイらしいというか、
さすが「変容の王子」の面目躍如たるところです。

もう、
こんなアーティストは出てこないでしょうね。
そう考えると感無量であります。

そして、
私にも確実に老いがやって来ています。

他人事ではありませんよ。
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★ ILLUSTRATION BY nyao