忍者ブログ
「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
  ★ カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
  ★ フリーエリア
  ★ 最新コメント
[01/25 matsuZACK]
[01/23 shiba]
[01/02 matsuZACK ]
[01/02 ういん]
[12/27 shiba]
  ★ 最新記事
(02/16)
(02/15)
(02/13)
(02/06)
(01/30)
  ★ 最新トラックバック
  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
  ★ バーコード
  ★ ブログ内検索
  ★ P R
  ★ カウンター
  ★ お天気情報
[76] [77] [78] [79] [80] [81] [82] [83] [84] [85] [86]
★2024/11/24 (Sun)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

★2014/02/09 (Sun)
都心で記録的な大雪を観測、
20㎝以上の積雪を記録したのは、
20年ぶりのこと…。

昨日はスゴかったですね。
とくに、
午後から夜にかけては、
このまま雪の中へ埋もれてしまうのではないか、
と思えるほどの降り方でした。

私が澄んでいる千葉市では、
都心よりもさらに多い、
25㎝と発表されていましたが…
実測では楽に30㎝を越えており、
雪が吹き溜まる場所では40~50㎝はあろうか、
という感じです。

そんな中私は、
先週木曜日の午後、
勤務先近くのクリニックで、
A型インフルエンザと診断され、
それ以降は出勤停止。

熱こそあまり出なかったものの、
自宅で隔離状態にあったため、
どこへも行かず、
雪かきにかり出されることもなく、
何かイベントのような、
他人事の感覚で、
この大騒動を見ていました。

都心の積雪に関して報道機関は、
冒頭で述べたように、
20年前…1994年の例を引き合いに出しておりましたが、
私の記憶では、
小学校1年のとき…
ですから45年前…1969年、
都心で30㎝の積雪を記録したときに匹敵するのではないか、
と感じています。

それほど、
めったにない大雪だったのですが、
私は幸いなことに…
(ホントに世の中、何が幸いするかわかりません)
平熱に下がってまだ2日しか経っていないので、
明日(月)もお休み、
明後日は祝日なのでお休み、
ということで、
かなり世間から雪が消えた頃になって、
やっと外へ出る予定なので、
少しほくそ笑んでいるところです。

さて…
そんな大雪を見て、
少年時代を思い出したのか、
療養中でヒマを持て余していたせいもあって、
YouTubeで、
古いテレビ番組の主題歌ばかりを検索していたのですが、
これはちょっと面白かったですね。
本当に、
YouTubeには見たい画像が何でもあるもので、
便利なようなコワいような…

ここで、
音楽好きの大人の目から見て、
たいへん興味をそそられる、
なつかしのテレビ番組の主題歌をいくつか…

まず…
後年になってもずっと、
そのメロディの素晴らしさが記憶に残っていたのが、
「キャプテンウルトラ」と「マイティジャック」です。
じつは、
両方とも冨田勲氏の作品で、
一般的にも評価の高い作品です。

冨田氏は、
この当時(1960年代後半)のテレビ番組に、
驚くべきほどたくさんの作品を残しており、
(あの「どろろ」の主題歌もそうでした…)
その多作ぶりに驚かされますが、
どの作品も、
エキゾティックなメロディと、
独特の陰影のある荘厳な和音に特徴があり、
一度耳にすると忘れられなくなります。

この志向が後に、
プログレ好きにつながるのかもしれませんが、
どちらもギターの伴奏はまだペケペケで…
ヴェンチャーズあたりの音と大差ありません。

「キャプテンウルトラ」は、
ウルトラマンとウルトラセブンの間に放映されていた、
変身ヒーローの出て来ない、
特撮宇宙もので、
時代劇では悪役が多かった中田博之氏が主演を演じていました。
シュピーゲル号という、
のちのウルトラホーク1号に発展する、
3分割される宇宙船が印象的でした。

「マイティジャック」も、
変身ヒーローの出て来ない、
同名の潜水艦に乗る特殊部隊の話で、
こちらはたしか…
夜の8時からの1時間枠で、
少し大人の視聴者を意識した内容だった、
と記憶しております。
のちに30分枠になって、
もう少し子供向けに再編されたのですが、
主題歌がカッコよくって、
そこだけ見せてと親に頼んだ記憶があります。(笑)



さてつづいて、
1960年代後半のアニメには、
時代背景でしょうか…
エレキサウンド重視の、
ヴェンチャーズや
グループサウンズ
といった要素を反映した曲が多く見られますが…
サイコーなのは、
アメリカのアニメ「スーパースリー」

これは、
3人の諜報部員のお話なんですが、
ふだんは3人でグループサウンズをやっているという…
衣装もそれ風で、
今見るとかなり笑えます。

アメリカのアニメなのに、
日本語吹き替え版は、
たいへん和風な歌詞になっていて、
この和洋折衷なところも、
時代を感じさせるところです。

私は幼稚園の当時、
友達と、
この3人の真似をして、
ホウキを持って踊っていたというのですから、
うーん、
おそるべしですなぁ…そんな頃からエレキが好きだったとは。



それから、
「ファイトだ!!ピュー太」という、
かなりお気楽でおバカなアニメがありまして…
この主題歌が当時のグループサウンズそのものだった、
というのを記憶しております。
今聴くと、
このノー天気な歌詞も、
なんとも言えませんなぁ(笑)



最後に、
カワイコちゃん系でひとつ…
石ノ森章太郎先生は、
サイボーグ009のプロトタイプみたいな作品を、
テレビ番組にひとつ残しておりまして、
それが「レインボー戦隊ロビン」という、
科学者の両親が残したロボットたちに育てられた少年が、
地球を宇宙人の侵略から守るというストーリーの作品です。

このロボットたちが、
009のサブキャラたちにそっくりで、
戦闘能力の高いウルフ(=004?)、
怪力のベンケイ(=005?)、
看護婦ロボットのリリィ(=003?)
頭脳明晰な教授(=001?)
ロビンが乗るロケットのペガサス(=002?)
といったラインアップです。

このリリィが歌う、
たいへん短いエンディングテーマが、
番組後半の1時期に使われ、
それがとってもキュートで…
今聴くと、
1960年代というよりは、
50年代のガールズポップっぽくて、
たいへんよろしいのです。

たしか私は、
幼稚園ぐらいの頃だったと思うのですが、
ものすごーく印象に残っておりまして…
リリィはロボットなんですが、
とってもお茶目で…
この感じは、
後のサイボーグ003にはなかった要素で…
そこがとっても気に入っていたんですね。



さて、
このへんの話を始めると、
ネタが尽きなくなってしまいそうですが…
当時(1960年代後半)の子供向けのテレビ番組って、
夢があって、
明るくて前向きでしたね。
今は…
どうなんだろうか?
子供には、
暗いものや汚いものは、
見せなくていいと思うのですが、
いかがでしょう?

そんな意味では、
今回の大雪、
大人はたいへんですが、
子供にはうれしいプレゼントだったのでしょうね。
PR
★2014/02/02 (Sun)
その音からは…
ブルースなどまったく感じさせず、
クラシックやジャズの香りはするものの、
高度なテクニックを持つ演奏者がいるわけではなく、
インプロビゼーションの火花を散らすわけでもない…
しかし、
多くの人は“プログレッシヴ・ロック”をイメージする。

ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイターは、
そんなグループです。
(以下、VDGGと略します。)

ヴォーカルのピーター・ハミルは、
その端正な顔立ちと、
カリスマ的なたたずまい、
独自の世界観に支えられた歌詞の世界から、
“裏ピーター・ガブリエル”などと称されていた時期がありました。

派手な話題でマスコミを騒がせる、
太陽のようなイメージのピーター・ガブリエルと、
派手な話題とは無縁であるし、
むしろそれを敬遠しているかのような、
月のイメージのピーター・ハミルですが、
その本質が同じようなものであることを、
ロックファンはよくわかっていたのです。

ピーター・ハミルは、
人間の心に潜む闇の部分にスポットを当て、
そこからメッセージを発信しています。
ただ…そのメッセージは力強く、
確認に満ちあふれています。

昨年末に、
SHM-CD化され紙ジャケ仕様で再発されたのは、
そんな彼らの全盛期の作品群です。

彼らの活動は、
大きく4つの時期に分かれます。

契約問題から、
当時はほとんど流通していなかった、
デビューアルバムの後、
『THE LEAST WE CAN DO IS WAVE TO EACH OTHER』
『H TO HE』
『PAWN HEARTS』
までの3枚の作品を発表した1969年から1971年。

ここでいったんバンドは解散したものの、
再結成され、
『GODBLUFF』
『STILL LIFE』
『WORLD RECORD』
という、
かつては“後期3部作”といわれた、
問題作を立て続けに発表した1975年から1976年。

そして、
バンド名をヴァン・ダー・グラフと短くして、
『THE QUIET ZONE』
『VITAL(LIVE)』
を発表した1977年から1978年。

その後、
バンドは長らく活動を休止していましたが、
2003年に復活を遂げ、
3枚のアルバムを発表、
現在に至るまでの時期。

今回、
再発されたのは、
この中でアルバム名を明記した8枚です。

私が今回、
まず手に入れたのは、
いわゆる“後期3部作”の最後の作品で、
VDGGの最高傑作といわれてる、
『WORLD RECORD』です。

私が彼らに興味を持ったのは、
高校の終わり頃(1979年)だったので、
ほぼリアルタイムのはずですが、
その作品は輸入盤店ですら見かけることが少なく、
私は『WORLD RECORD』を、
ロンドンに出張に行った父親に頼んで、
わざわざ現地で入手してもらったほどでした。

ようやく手に入れた『WORLD RECORD』は、
私の愛聴盤のひとつになったことは言うまでもありません。

さて、
LP音源に慣れ親しんでいた私にとって、
今回のSHM-CD化は衝撃でした。

何が変わったといって、
バンドの音がたいへんクリアになったことに驚きました。
とくにそれは、
バスドラやベースといった低音に顕著で、
いままでは、
混沌としたサウンドの中に埋もれがちだった音が
よく聴こえるようになったことで、
バンドの全体像がよく見えるようになったのです。
それと同時に、
不思議な躍動感が伝わってきて、
よりいっそう、
バンドのメッセージが心に響くようになった感じがします。

この、
混沌としたサウンドというのは、
VDGGの特徴で、
リフもメロディも判別がつかない状態で曲が進行し、
唯一ヴォーカルが入ることで、
曲としての体裁は整うものの、
アドリブ展開の少ない、
インプロビゼーションみたいなものが延々続き、
ときにリズムをチェンジしたり、
主旋律が変化したり、
譜面を起こしているのか、
即興なのかわからない…
そんな表現方法が、
この『WORLD RECORD』では、
他の作品よりも強力に
全体を支配しているのです。

音的には、
そうですね…
イギリスのバンドに、
こんな表現を使うのは変だと思いますが…
いわゆる、
“ブリティッシュロック”というよりは、
“ユーロロック”に近い感じ…、
VDGGにもっとも近いサウンドを探すと、
『web-magazine GYAN GYAN』で紹介した、
スイスのアイランドによく似ています。

アイランドといえば、
ヴォーカル&パーカッション、
ドラムス、
キーボード、
管楽器という変則的な4人編成ですが、

VDGGも、
ヴォーカル、
ドラムス、
オルガン、
管楽器なので、
編成自体がよく似ています。

VDGGは、
ヴォーカルのピーター・ハミルが、
ギターやピアノを弾くのですが、
基本的には、
ギター&ベースという、
ロックバンドの基本定位置が不在であることが、
大きな特徴だと思います。

その編成でありながら、
スタジオ重視の音作りではなく、
メンバーが疲弊するほど、
たくさんのライブをこなし、
そのライブを通じて曲を成長させてきたので、
ここはアイランドと大きく異なる点です。

『WORLD RECORD』はそんな感じで、
ライブで練り込んだ曲を、
ライブに近い臨場感で延々と演奏をする、
そんな手法で作り上げられております。

注目すべきポイントは、
LP時代のB面、
CDでは4~5曲目で、
まず「MeurglysⅢ」という、
20分に及ぶ大作の後半で、
リズムがレゲエに変化するところ。

おそらく史上もっとも早い、
プログレとレゲエの接点であり、
この音の感触は、
この後のいわゆる
“ニューウェイブ・サウンド”に引き継がれているので、
たいへん重要なポイントだと思います。

あのジョニー・ロットンは、
VDGGからたいへん影響を受けたと語っておりますが。
それはこのあたりから窺えます。
PILのヒントはVDGGだったのかもしれません。

そして、
もうひとつのポイントは、
アルバムの最後に収録された「Wondering」…
CDではボーナストラックが追加されているので、
最後ではありませんが、
ここでいったんCDを止めることをおススメします。

この曲は最初からシングルを意識していたので、
たいへん聴きやすく作られていますが、
ここにVDGG…というより
ピーター・ハミルの世界観が凝縮されています。


僕は目覚める
ずっと深い所で そして目を開く
もう少しで息が止まるところだった

待ってくれ
何か得体の知れないものがいる
私が怖れているものが
近寄ってくる気配がする

君なのか?
その声は誰なんだ?

今こそが心を決めるときなんだろうか
あの理不尽な痛みよ
このちっぽけな脳ミソが
今は歓喜ではちきれそうだ

僕なのか?
今こそそのときなんだろうか?
誓いを立てるときがやって来たのだろうか?

僕は戻ってくる
生きている限り、息をしている限り、輝いているかぎり
生き抜いてみせると誓いを立てる

暗闇に向かって思い切り腕を伸ばし
鏡に向かってじっと目を凝らし
これらがすべて現実だったのだろうかと
考えながら



いかがでしょう?
私は“死”とか“宇宙”のイメージを感じ取ってしまいますが、
なぜかそこに“魂”の解放を感じます。
イメージとは裏腹の前向きなメッセージ。

この歌詞が、
見事に構築された美しいメロディと、
後半に登場する、
賛美歌のようなコーラスに支えられて
エンディングへと向かう瞬間は、
たとえようのないほど美しいのです。

初めて耳にしたとき、
涙が出るほど感動したことを覚えています。

これこそが、
VDGGの真髄、
ピーター・ハミルの世界観なのです。


さて、
VDGGについては、
諸作を含め、
一度まとまった文章にしておきたいところですが、
それは別の機会に譲るとして…

私の今の興味は、
そんな彼らが、
21世紀の今、
どんな音を出しているかということ…
以前、
kisatoさんからいただいた、
最近来日した際の音源を聴く限りでは、
表現方法は当時と大きく変わっていないので、
さて、
そこで何を描いているのか、
たいへん興味深いところです。

ひさびさに、
VDGGを聴いて、
芸術家魂を揺さぶられてしまいました。

うーむ…(笑)

★2014/01/26 (Sun)
年明け早々の1月16日、
J-POP界の名プロデューサー、
佐久間正英氏、逝去。
享年61歳。
昨年夏頃、
自身が末期の胃がんであることを公表していた…

プロデューサー?
たしかに、
功績として残したものの多くは、
そうであったかもしれませんが…
私にとってこの方は、
ベーシスト以外の何物でもなく…
四人囃子のベーシスト…
いや、
当時の日本ロック界屈指のスゴ腕ベーシストとして、
強烈な印象を残しているのです。

1976年、
四人囃子が待望のセカンドアルバム
『ゴールデン・ピクニックス』を発表した際、
ベーシストとしてクレジットされていたのが、
佐久間さんでした。

四人囃子は『一触即発』という、
日本ロック史に残る傑作でデビューを飾り、
注目を集めていました。
とくに、
森園勝敏さんのギターは、
センス・テクニックともにバツグンで、
日本中のロック少年たちのアコガレの的でした。

ただ、
デビューの段階で、
あまりにも完成度の高い音楽性を持っていたためか、
その後、
試行錯誤を重ね、
メンバーが流動的になり、
少し活動が停滞していました。

佐久間さんは、
オリジナルメンバーであった、
中村真一氏(2011年逝去)の後任として、
四人囃子に参加。
一時期5人編成になった時期もあったのですが、
また元の4人編成に戻り、
『ゴールデン・ピクニックス』を発表。
しかし、
今度は看板ギタリストであった、
森園さんがバンドから脱退。
後任に佐藤ミツル氏を迎え、
1977年に『PRINTED JELLY』を発表。
バンドは再スタートを切りました。

この後はメンバーも安定し、
アルバムを数枚発表しましたが、
佐久間さんが四人囃子と並行して活動していた、
プラスティックスが話題を集めるようになった、
1979年から1980年頃から活動を休止。
佐久間さんの活動もプラスティックスに移行し、
そこではベースを弾かず、
シンセサイザーをプレイしていました。

私は四人囃子を見たさに、
中学3年のときに、
フジテレビの公開スタジオライブを見たのですが、
森園さんもおらず…
しかし当時は情報が少なくて、
その後、
しばらくするまで、
あのときのギターが、
ハルヲフォンの小林克己氏であることを知りませんでした。

「森園さん太った?何で歌わないの?青いストラト持ってるんだ…」
なんて感じでした。

余談ですが、
佐久間さんが後にインタビューで、
この時期のことを…
「森園さんが急に脱退したので、
すでに決まっていたスケジュールは、
小林さんを代役に立ててこなした。
ただ、
小林さんはたいへん器用で重宝した。
森園さんがエコーを使ってリピートさせたフレーズを、
手動で…エコーを使わずに、
それこそ克明に再現してみせたので、
メンバー全員大笑いだった。」
などと語っていたので、
中学生だった我々が、
それをわからなかったのも、
無理はないことだったかもしれません。

さて本題に戻りますが、
そこでの佐久間さんのベース…
これがスゴかったのです。
ピックでゴリゴリと白いジャズベーを鳴らし、
尋常でないドライブ感を生み出していました。
グレッグ・レイクに、
さらにノリを良くした感じ?
あまりのスゴ腕に圧倒されてしまいました。

『ゴールデン・ピクニックス』では、
全編でこのようなプレイを堪能できるのですが、
森園さん脱退後の作品では、
さらにヒートアップしたプレイを聴くことができます。
とくに、
『包』(1978年)では、
「眠たそうな朝には」とか「機械じかけのラム」など、
プレイヤーとしてのピークを感じさせる楽曲が、
多数収録されています。





また、
「なすのちゃわんやき」(『ゴールデン・ピクニックス』収録:
転調をせずに最初と最後でキーが半音上がっている不思議な曲)
のイントロでリコーダーを吹いたり、
「ハレソラ」(『PRINTED JELLY』収録:この曲サイコーです)
ではマンドリンを弾いたり、
『包』には大々的に弦のアレンジを入れたり、
従来のロックサウンドのイメージにとらわれない音作りを
していて、
このあたりのセンスが、
後にプロデューサーとしての才能を
開花させるに至るのではないでしょうか?





もともと佐久間さんは、
ギタリストだったそうで、
ただ…さすがに四人囃子には森園さんがいて、
ギターでは仕事が来ないだろうから、
ベースを主体にしたと語っておりました。

それゆえに、
ギタリストの求める役割、
(アレンジャーとして:ジョン・ポール・ジョーンズのような)
ギタリストがコーフンするようなフレーズを、
よくわかっておられたのでしょうね。

だから私は、
いまだに四人囃子の諸作を聴くと、
佐久間さんのベースプレイにコーフンしてしまうのです。
正直なところ、
佐久間さんは私の理想のベーシストのひとりです。

今回、
佐久間さんに関連して、
四人囃子の資料を見ていたら、
前述の中村さんの他、
茂木由多可さん(5人編成時、『NEO-N』にキーボードで参加)
も2003年に逝去していることがわかり、
あらためて、
ああ…みんな年取ったんだなぁ…と思い、
私が初めて佐久間さんのプレイを見てから、
もうすぐ40年が経とうとしていることに気がつき、
諸行無常を感じてしまいました。

しかし…残したプレイは永遠です。

佐久間さんはじめ、
みなさんのご冥福をお祈りしています。
★2014/01/19 (Sun)
昨年の後半から、
エフェクターのリニューアルを始めたのですが、
大きめのエフェクターケースを購入したことがアダとなって…
まだまだ入るじゃないか?と…(笑)
年明けと同時に、
ふたたび増備にハゲんでいるのでした。

最近購入したブツが2つありまして…
まずは OneControl社の「AB box with 2DC OUT」



これは、
入力した信号を2つに分けて出力する…
つまり、
アンプを2つ用意しておいて、
用途にあわせて切り替えをする、
というエフェクターです。

GODINギターを手にして以来、
エレアコとエレキの2系統の音を使い分ける、
というセッティングに慣れたせいか、
その他のギター…たとえばストラトなど…
を使う場合にも、
同じような効果がほしいなぁと思い、
購入したものです。

片方はクリーンなセッティング…たとえば JC-120、
もう片方はチューブアンプを使って歪んだセッティングにする、
といった感じです。
プロミュージシャンは、
けっこうこういう使い方をするんですね。

昨日スタジオで試してみたのですが、
これはけっこう使えます。
ただ、
切り替えのタイミングを考えないと、
唐突な感じに聴こえてしまうので、
そこだけは気をつけなければなりません。

もうひとつは、
tc electronic社の「Alter Ego(Delay)」
これは同社のデジタルディレイの名機「Flashback」を、
あるエンジニアがチューンアップしたもので、
(限定販売…この言葉に弱い)
彼が感銘を受けた
2つのサウンドをシュミレートしたものが追加されています。



そのうちの1つが、
「ER(Echorec)」で、
Binson社の「Echorec」という、
ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアが愛用していた
エフェクターのシュミレーションです。
ここでは、
あのフワーっとした広がりのあるサウンド…
最近ではシガー・ロスの作品で聴けるようなサウンドが、
用意されており、
これにはたいへん感動してしまいました。

今回、
デジタル・ディレイを購入しようと思ったきっかけは、
音を跳ね返しながら一人でフレーズを重ねていくという…
ブライアン・メイが得意とする奏法を、
楽曲に取り入れようと思ったことで、
そのためには、
今使っている「Replex」では、
音の返りがマイルドなので、
もっと冷たい感じの返り方をする
デジタル・ディレイを探していたのです。

もちろん、
その目的を果たすことはできるのですが、
前述の「ER」というサウンドがあまりに素晴らしく、
こちらも何かで使えないかな…
と考えるようになりました。

うちのバンドにシガー・ロス的な展開は…
合っているかもしれないが…また客は引くかも…(笑)

私の持論ですが…
エフェクターというのは、
1台であれこれ使える機能を持つ必要はなく、
1つでいいから、
感動できる音を持っている方がいい。
(多くの場合、それは1970年代の音です)

演奏中にセッティングを頻繁に変えることは難しいので、
スイッチを踏んだらイッてしまうようなのがよいのです(笑)

そうなると、
足元にゴロゴロとたくさんの箱が並んでしまうのですが、
いちおーっ、
厳選しているので、
あと1つ(レズリースピーカーのシュミレーター)ぐらいで、
増やすのはやめよう、
と思っています。

GUITARバカ一代
今年もよろしくです(笑)
★2014/01/12 (Sun)
浮き世を忘れ去った9連休も過ぎ…
年明け早々のハードな1週間が過ぎ…
いつもと変わらない毎日が戻って来ました。
ああ…諸行無常かな(笑)
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

さて、
今年の音初めは、
年末にワッと発売された紙ジャケシリーズのうち…
年明けまで封印していた、
パリスの2枚でした。

パリスは、
1977年「エボニー・アイズ」のヒットで有名になった、
ボブ・ウェルチ(Vo&G)が、
フリートウッド・マック脱退後、
ソロ活動に至るまでの短い期間に、
元ジェスロ・タルのグレン・コーニック(B)と結成したグループで、
1976年に2枚のアルバムを発表しています。

今回、
リマスターされて、
紙ジャケ仕様で再発されたのは、
この2枚のアルバムです。
(長らく廃盤状態だった…)

ファーストアルバム『パリス』では、
トッド・ラングレンが在籍していた、
元ナッズのトム・ムーニーがドラムスを担当、
セカンドアルバム『ビッグ・タウン2061』では、
これまたトッド・ラングレンの『ラント』に参加した、
ハント・セールス(のちにデヴィッド・ボウイ『ティン・マシーン』に参加)
がドラムスを担当。

後年、
ボブ・ウェルチは、
準備不足でスタジオ入りしたことを悔いていましたが、
そればかりか、
満足なプロモーションもできず、
ライヴもほとんど行えず、
結局パリスは短命で終わってしまいました。

しかし、
日本では、
あの渋谷陽一氏が絶賛したこともあり、
ファンクラブができるほど盛り上がったので、
私ぐらいの年代の方は、
名前ぐらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。

当時、
渋谷陽一氏は、
レッド・ツェッペリンのフォロワーとして、
このパリスと、
ディティクテイヴ(元シルバーヘッドのマイケル・デ・バレスが在籍)に
注目していたのですが、
たしかに、
パリス(とくにファーストの方)は、
『聖なる館』『フィジカル・グラフィティ』あたりの
レッド・ツェッペリンを彷彿させる音になっています。

つまり…
リフ中心の、
変拍子ビシバシのハードロック…

たしかに…
これはレッド・ツェッペリンを意識した音ですなぁ…

私は…
ファースト・アルバムの方は、
「レリジョン」という、
それこそ、
リフを使った、
変拍子ハードロックの名曲以外は、
それほど印象に残っておらず、

大々的にファンクを取り入れた、
セカンド・アルバム『ビッグ・タウン2061』の方が、
聴くべきところが多いと評価しております。



今回のリマスターで、
以前より音がクリアになった感じがするので、
いっそう作品の魅力が際立ったように思えます。

ドラマーの力量の差というのは…
克明にサウンドに反映されますなぁ。

私が、
パリスに惹かれるのは、
まず、
ギターの音が歪んでいないこと。
おそらく、
レスポールのトグルスイッチを真ん中にして、
少しヴォリュームを下げた音…
ペケペケした音(笑)…
だと思うのですが、
それをメインにしていること。

こういう音は私の大好物なのです。

そして、
モジュレーション系のエフェクター、
コーラスやフランジャーといったエフェクターを、
ギターだけでなく、
ヴォーカルや、
バンド全体のサウンド処理に使っていて、
特有のスペーシーな雰囲気を出していること。

このセンスがモダンで、
非常によいのです。
コーラス好きの私には、
こりゃたまらんらん、
なのです(笑)

このような音処理は、
後にラッシュあたりが得意とするのですが…
その原型はパリスにあると、
私は評価しています。

前述の「レリジョン」は、
楽曲を練り込む時間がなく、
アレンジができていない後半を、
強引にこのような処理でゴマカした、
ということですが…
おかげで、
スペーシーというより、
グチャグチャにサイケな感覚の、
イケてる音になっているのでした。

脳内物質の代謝が盛んになる音…(笑)

ボブ・ウェルチのこの感覚は、
ソロ作『フレンチ・キッス』で花開くわけですが、
この作品、
当初は、
パリスのサード・アルバムとして構想されていた、
ということですから、
パリスの2枚のアルバムがなかったら、
彼の成功はなかったかもしれませんね。

ロックの歴史では、
まったく評価されていないんですけどねぇ…
この2枚は…

ボブ・ウェルチは残念ながら、
昨年に亡くなってしまいましたが、
このタイミングで、
歴史の彼方に埋もれそうになっていた
旧作がリリースされたことは、
たいへんよかったのではないでしょうか。

興味をもたれた方はぜひ、
この機会にパリスを聴いてみてください。
私などは、
また、
ファンクを現代流に解釈して、
曲作りに反映させてみようかな?
などと企んでおります。

ROCKバカ一代、
今年もよろしくです。
忍者ブログ★ [PR]

★ ILLUSTRATION BY nyao