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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2016/02/07 (Sun)
早いもので、
今年も年明けからひと月が過ぎ、
2月になりました。

時の移ろいは残酷なまでに早く、
自然の営みは呆れるほど淡々と四季を繰り返し、
我々はただなすすべもなく、
その流れに身をまかせるのみ…

そんなことに想いをめぐらせていた1月の後半に、
BS-TBSで放映された『SONG TO SOUL 永遠の一曲』は、
キッスの「ロックンロール・オールナイト」を取り上げていました。

この番組は、
名曲の誕生秘話から、
時代背景やアーティストの才能を掘り下げる企画で、
私が毎週チェックしているテレビ番組のひとつです。

インタビューに答える、
ポール・スタンレイとジーン・シモンズの最新映像からは、
さすがにメイクを施していても、
シワや肌のたるみがよくわかり、
年齢を感じさせられてしまいました。

同じように最新のライブ映像を見ると、
1970年代後半に見たような、
激しくも切れのある動きは影をひそめ、
これまた年齢を感じさせられる場面が多く、
少々複雑な想いになったことは確かですが…

彼らのいつまで経ってもブレないポリシーと、
それに裏付けられた自信に満ちた態度には、
正直なところ感服してしまいました。

やはり、
この人たちはスゴイっす。

かつては、
メンバー・チェンジがあると、
新しいメイクのキャラクターが生まれましたが、
最近はそれもやめて、
あくまでもオリジナルの4人のキャラクターを守っています。

中身は誰でもキャラクターは変わらず。

つまり…
キッスは進化をやめてしまったのです。

当初の目的であった、
コンサートホールの中は日常と別世界…
普段の自分と違う自分にスイッチを入れて、
限られた時間を楽しむべきだ、
というポリシーのために、
キッスというバンド自体を、
その空間に封印してしまった…
そんな潔さを感じました。

そこには、
ふっきれたというか…解脱したというか、
ある種の悟りのようなものが感じられます。

ポールとジーンは以前から、
このポリシーを貫くために、
とにかくポップなメロディにこだわり、
単純な構成で難しいコードを使わず、
3分程度の短い時間の曲を作り続けていたわけです。

オリジナルメンバーで、
リードギターを担当していたエース・フレーリーは、
この鉄則を守るため、
毎回コンパクトなソロを考え、
歌のバックはコード中心のリズムギターに徹する、
という規制にフラストレーションを感じ、
バンドから脱退してしまうわけですが、

ミュージシャン側からすると、
これを長年続けることが、
いかに過酷なことかわかると思います。

私は正直なところ、
自分のキャリアの初期にキッスを聞いたおかげか…
ポップでコンパクトな曲を好むという傾向にあり、
どうやらこのあたりのコンセプトに、
かなり影響を受けていることに、
最近になって気が付いた次第です。

「ロックンロール・オールナイト」は、
歌詞もメロディも、
そんな彼らの基本姿勢を表現し尽くしているわけで、
そう考えると、
本当に象徴的な一曲だと思います。

諸行無常の人生を享楽的に楽しむこともまた、
人間の知恵のたまもの…
キッスのコンサートにやって来るファンを見ていると、
そんな気持ちになります。

このような光景から、
我が国の戦国時代に流行した、
「カブキ者」と一致するものを感じてしまうのですが、
キッスのメイクが歌舞伎っぽいことと関連があるのだろうか?

さて…

ここまで極めるとおそらく、
ポールやジーンが亡くなっても、
その後任が同じメイクをして、
「ロックンロール・オールナイト」を歌うのではないか…
いや、
ぜひそうしてもらいたい…
それがキッスの真髄でしょう、
と思う今日この頃です。

今更ながら、
あらためて、
彼らのスゴさに気がついたという次第で、
青年期にはキッスを好きだということに、
多少の恥ずかしさがあったものですが、
今では堂々と、
尊敬するミュージシャンのひとりである、
と言えるようになりました。

20世紀に生まれた、
偉大なる遺産…ですね。

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★2016/01/31 (Sun)
1月は、
ここ十年間でもっとも、
デヴィッド・ボウイに触れる機会が多い月、
だったようです。

追悼番組と題して、
未発表映像が放映され、
そのたびに新しい発見があり、
過去の作品を聴き直す…
こんな日々が続いていました。

おかげで、
最新作『★』に対する理解も深まり、
意外と過去の先鋭的な作品群…
『ステイション・トゥ・ステイション』や『ヒーローズ』
に近い感覚であることや、

前作『ザ・ネクスト・デイ』
のリズムアプローチとよく似ていることに気がつき、
どうやら、
『ザ・ネクスト・デイ』と『★』が対になる作品、
ということもわかり、

あらためてボウイの、
アーティストとしての資質の高さに
敬意を払っているところです。

こんなボウイ熱の最中、
予約していた、
1枚のCDが届きました。

『TEMPEST』



そうです。
なんと『テンペスト』の…
あのアラン・ホールズワースが参加した、
ファーストアルバムが、
紙ジャケ仕様Blu-specCDになって、
再発売されたのです。

これは事件だーっ

『テンペスト』のCDは、
廉価版シリーズで、
かなり粗略な扱いを受けており、
私はかねてより、
紙ジャケになったら買い換えたいCDの、
筆頭に数えておりました。

それが今回、
封筒型の、
オリジナルLPのデザインそのままで、
21世紀に蘇ったのです。

テンペストは、
コロシアムのドラマーだった、
ジョン・ハイズマンが、
1972年に結成したバンドで、

ベースにコロシアムからの付き合いになる、
マーク・クラーク…
(同時期にユーライア・ヒープにも関わり、
名盤『悪魔と魔法使い』の一部作品を手がける)

ジューシー・ルーシーのヴォーカリストだった、
ポール・ウィリアムズ、

そして、
アラン・ホールズワースからなる4人組です。

アランは翌年にバンドを脱退し、
後任にオリー・ハリソールが参加しますが、
1974年に解散。
ハイズマンはその後、
ゲイリー・ムーアとコロシアムⅡを結成します。
(ちなみにこの人は、
ギタリストをイジメることで有名で、
コロシアム時代は、
のちにハンブル・パイに加入する、
デイヴ・クレムソンをチクチクやっていたらしい…)

テンペストのサウンドは、
クリームと似ていると言われることが多いのですが、
それはハイズマンがジャズ系で、
ジンジャー・ベイカーと雰囲気が似ていることからだと思います。
(あと、ベースがSGベースであることも…)

しかし、
ギタリストである、
ホールズワースはかなりジャズ寄りなので、
似ているとはいえ、
微妙に雰囲気が違っています。

私はむしろ、
キーボードのいないユーライア・ヒープ、
またはヴォーカルがダミ声のクイーン…(笑)
これらとクリームの中間みたいな感じだと思います。

それは…
ジャケットのイメージそのまま、
ちょっと中世的でダークな響きを、
ジャズっぽいコード進行で、
クリームのような爆音で演奏している、
とでも言ったらよいでしょうか…

ホールズワースは、
まだ活動の初期段階で、
例のトレモロアームをうまく使った、
サックスのようなギターソロは会得しておらず、
ひねりがない分、
個々のフレーズがよくわかります。

ちょっとイレギュラーなスケールを、
プリングやハンマリングを使って、
華麗なフレーズに仕立てあげるあたりは、
リッチー・ブラックモア御大に似ており、
こんなところが私の好みに合うのかもしれません。

アルバム冒頭の「ゴルゴン」、
クリーム「サンシャイン・オヴ・ユア・ラヴ」によく似た、
「フォイヤーズ・オヴ・ファン」
そして、
ホールズワースがヴァイオリンを弾く「アポン・トゥモロウ」
などはオススメです。

コイツが届いたおかげで、
私のボウイ熱は一瞬にして、
冷却されたのですから、
どれほどの作品かおわかりいただけることでしょう。

未聴の方にはぜひ、
体験していただきたいのですが、
かなり売れているようで、
(よーするに、
私のような輩が他にもいたのだ…)
早めに手配した方がよさそうな作品ではあります。

ちなみに、
この時期のホールズワースは、
白いSGカスタム…
3ピックアップにアーム付き、
という仕様のものを使っていたのですが…

やっぱりSGって、
いいですね(笑)
★2016/01/24 (Sun)
かつて私が書いた記事の情報修正です…
デヴィッド・ボウイの左目は義眼ではなく、
瞳孔が開いたまま閉じなくなったということでした。

こんな小ネタがわかるほど、
この数週間は、
デヴィッド・ボウイを特集したマニアックな番組が、
いくつも放送されておりました。

やはり、
本国イギリスで制作された番組は、
どれも興味深い内容で…

例の「ROCK LEGENDS」でも、
2013年制作の作品を追悼特集として、
再放送していましたが…

昨晩NHK-BSで放送された、
「デビッド・ボウイ 5つの時代」という、
2013年BBC制作の作品は、
その中でも群を抜いた内容で、
何回もビデオを見返してしまいました。

これは、
ボウイのインタビューだけでなく、
重要なキャリアに関わったミュージシャンに対し、
音楽面から分析をしてもらうという構成で、

リック・ウェイクマンがピアノを弾きながら、
ボウイの作曲のセンスについて解説したり、
カルロス・アロマーがギターを弾き、
ひとり多重録音をしながら、
「フェイム」を再現したり…

トレバー・ボルダー、
ミック・ロンソン、
アール・スリック、
イーノ、
ロバート・フリップ(!)などなど…
貴重な証言と未公開映像満載で、
ファンだったら涙を流してしまう内容になっています。

この作品と『ROCK LEGENDS』を見ると、
イギリスでは、
『ヤング・アメリカンズ』と『ヒーローズ』が、
高く評価されていることがよくわかります。
(個人的には、
『ダイアモンド・ドッグス』を無視しないでほしいのですが…)

そんな中、
ようやく最新作『★』が手に入りました。

ジャズとヒップホップを取り入れ、
非常に意欲的な作品に仕上がっている…
という前評判でしたが、
実際に聴いてみると、

ジャズとはいっても、
いわゆる古いタイプのジャズではなく、
最近のヨーロッパ系のジャズであり、
ヒップホップとはいっても、
巷で一般的になっているタイプではなく、
ボウイ流の…

そう、
そうなんです…
あくまでも、
ボウイが消化して出した形になっていて、
ひとひねり効いているのです。
う〜ん、
さすがですね。

遺作ということで話題になっていますが、
そうでなくても、
これは問題作だったと思います。

まだ数回しか聴いておりませんが、
今のところ私のお気に入りは、
2曲目の「`Tis A Pity She Was A Whore」

今回のメンバーでは、
ドラマーが素晴らしくて、
カーンと張りの効いたスネアの音で、
まるで打ち込みのようなプレイをしています。

こういうリズムは好みなので、
生で見てみたかったところですね。

たしかに、
全体に暗めで重い雰囲気はありますが…
思い出してください。
『ステイション・トゥ・ステイション』
や『ヒーローズ』を作った方です。

もともと、
こういうアプローチが得意…
というか、
創作意欲が旺盛な時期に、
暗めで重い雰囲気の作品を残しているのです。

そう考えると『★』は、
ボウイにとって重要な作品だったといえるでしょう。

しかし、
ここからどういう展開を構想していたのか…
それは永遠の謎になってしまいました。

死してなお、
我々の想像力をかきたてるなんて、
偉大過ぎるアーティストであります。
★2016/01/17 (Sun)
私とデヴィッド・ボウイの出会いは、
1978年12月NHKホールで収録された、
来日公演の映像を見たことから始まっています。

じつに40年近くも前のこと…

時期的には『ヒーローズ』を発表した直後で、
後に『ステージ』という、
ほぼ同じ構成のライヴ・アルバムが発表されています。
(このへんのくだりは、
ニュー・ルーディズ・クラブに寄稿した、
「ジギー・スターダスト」の残響音を参照してください

ここから、
『ジギー・スターダスト』『スペース・オディティ』
あたりまで遡り、
順番にアルバムを制覇し、
あとはリアル・タイム、
というところです。

ボウイはジギーのキャラクターで、
グラム・ロックのシーンをリードし、
一世を風靡しますが、
ジギーを封印し、
近未来を描いたSF的作品の後は一転して、
シン・ホワイト・デュークと称し、
ソウルに傾倒したサウンドを提示します。

これは、
ディスコ・サウンドが大流行するタイミングでした。

その後、
ドイツが東西に分裂していた当時のベルリンへ行き、
(一説によると麻薬依存症の治療のため…とか)
またもや、
サウンドを一変させ、
ジャーマン・エレクトロニクス・ポップの影響を受けた、
作品群を発表します。

これは、
パンクロックの終焉から
ニュー・ウェイヴへと移行するタイミングでした。

ドイツのシーンに注目したのも一歩早かったようです。

その後も、
ふたたびダンス・ミュージックに戻り、
クラブシーンを刺激します。

このようにボウイは、
どの時代でも、
世の中の向かう方向を的確にとらえ、
いち早く対応し、
素晴らしい作品を発表し続けたおかげで、
時代を先導する存在として、
あらゆる世代から支持されたのでありました。

私が、
そんな彼の思惑がわからなくなったのは、
1989年のティン・マシーン結成でした。
トッド・ラングレンと活動していたセールス兄弟と、
リーヴス・ガブレルズという稀代のギタリストと組み、
これからはバンドの一員として活動する、
と宣言した時です。

その後、
ガレージとかオルタナティヴとか呼ばれる、
バンド・ブームが到来するので、
これも時代を先取りしていた、
と言ってしまえばそれまでですが、
何やら違和感を覚えたものです。

実際、
このバンドのサウンドは、
轟音ではあるものの、
それらのシーンのサウンドとはほど遠いものでした。

このあたりから、
ボウイの活動は、
それ以前のような切れ味の鋭さがなくなり、
その代わりに、
ある種の迷いのようなものが感じられるようになったのです。

その要因のひとつは、
1980年代が終わり1990年代になったあたりから、
単一の価値観で、
音楽シーン全体を引っ張ることができなくなってきた…
というか、
さまざまなタイプの音楽が乱立し、
局所的な小さなブームがあちこちで起きる、
という時代になってきたため、
ボウイのカリスマ性が求められなくなったから、
だと思います。

ボウイ自身も、
自分のメッセージがファンに届かなくなっている、
と発言しておりました。

もうひとつの要因は、
ボウイ自身の感性が、
年々下がっていき、
そのような混沌とした音楽シーンの、
先を読むことができなくなってしまったから、
と思っています。

ムッシュかまやつの「ゴロワーズ」の歌詞ではありませんが、
人間年をとると、
だんだん好奇心が弱くなり、
ある日、
自身の感性の衰えに気づき愕然とする、
ということがあるようで…
これはボウイのような才能ではありませんが、
私たち凡人でも同じように感じることがあるので、
万人に等しく訪れる現象といえるのではないでしょうか。

ボウイの場合は、
世界的なスーパースターですから、
プレッシャーも想像を絶するものがあったでしょう。

でも彼もひとりの人間です。
衰えは確実にやって来たはず…
(1997年で彼は、50歳でした)

諸先輩方は、
このような年代になった場合、
自身のルーツというか原点に帰って、
それを掘り下げてみたり、
または単純に楽しむことで、
この波を乗り切ったようです。

たしかに…
新しいものに目がいかなくなったら、
自身を振り返る、
ということはアリですね。
とりあえず気持ちが楽になります。

ボウイもそこへ行きついたのか、
2004年の『リアリティ』は、
作り手の意識が軽くなった印象を受ける作品でした。
来日公演も、
単純に楽しめる内容になっていました。

しかし、
ここから彼は、
長らく新作を発表しなくなってしまいます。

ここが限界だったのか、
それとも、
本当にマイペースで活動をしよう、
と決心したのか、
そのへんの事情はよくわかりません。

引退説とか重病説がささやかれる中、
2013年に突如として新作を発表しますが、
そこで見えた光景は、
老いと死の臭いで、
正直、
これがボウイのラスト・アルバムになるのでは、
と思ったほどでした。

ところが…

私はまだ未聴ですが、
(一時的な品切れ状態になっているらしく入手できない…)
新作『★』は、
そんな感じではなく、
ジャズとヒップホップを取り入れ、
非常に意欲的な作品に仕上がっているとか…

ラスト・アルバムが、
“終わり“ではなく“始まり“を予感させるものであった、
というのは、
いかにもボウイらしいというか、
さすが「変容の王子」の面目躍如たるところです。

もう、
こんなアーティストは出てこないでしょうね。
そう考えると感無量であります。

そして、
私にも確実に老いがやって来ています。

他人事ではありませんよ。
★2016/01/11 (Mon)
デヴィッド・ボウイが亡くなりました。

新作を発表したばかり…
まだ聴いていないうちに、
このニュースです。

今年の年末は、
間違いなく、
ボウイ大会になるでしょう。

本当に、
星になっちゃったーっ

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★ ILLUSTRATION BY nyao