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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2009/02/22 (Sun)
私的ロック評論シリーズの第10弾です。

第10回は、
RUSHの『MOVING PICTURES』です。



『ラッシュ/ムーヴィング・ピクチャーズ(RUSH/MOVING PICTURES』
(1981年発表)

SIDE1
1,Tom Sawyer
2,Red Barchetta
3,YYZ
4,Limelight

SIDE2
1,Camera Eye
2,Witch Hunt
3,Vital Signs


JOHNNY,LOUIS&CHARや
THE POLICEに注目していた当時、
私にはもうひとつ、
大好きなトリオ編成のロックバンドがありました。
それが、ラッシュです。

ラッシュといえば、
高校の初め頃、
友人の家で「A FAREWELL TO KINGS」(1977年発表)
を聴いたことがあり、
リフ中心のハードロックではあるものの、
メタリックで少しプログレがかった独特のサウンドに、
衝撃を受けたものです。



ところがその後、
ラッシュは話題に上ることもなく、
新譜の情報も聞こえてこなくなりました。

私が、
そんなラッシュに、
ふたたびお目にかかったのは、
大学に入学した1980年のこと。
それは、
彼らが「PERMANENT WAVES」という新譜を発表したが、
日本での発売元が決まっていないという、
なんとも情けない記事でした。



私にはその記事を読んだ瞬間に、
なにかヒラメクものがあったようで、
さっそく輸入盤店へ行き、
「PERMANENT WAVES」を手に入れました。

これがたいへんすばらしい内容で、
私はそれまでに買い逃していたラッシュの旧作、
「HEMISPHERES」「A FAREWELL TO KINGS」「2112」を
一気に揃えたほどでした。

そして年が明け1981年になり、
相変わらず日本での発売元が決まっていない状態でありながら、
一部のファンが待ちに待った状況で発表されたのが、
この「MOVING PICTURES」です。

ラッシュの魅力は、
前述のように、
あくまでもリフ中心のハードロックではあるものの、
プログレっぽい曲構成と、
冷たくメタリックな感触のサウンドにあります。
わかりやすく例えるなら、
レッド・ツェッペリンとイエスを融合したような音、
とでも言いましょうか。
その独特の無機質なサウンドは唯一無比のものです。

加えて、
メンバーそれぞれが驚異的なテクニシャンで、
ニール・パートは極限に近いドラムキットに、
ベルやパーカッション類を装備し、
アレックス・ライフスンはエレキギターのみならず、
ガットギターや12弦ギターを使用、
ダブルネックギターを縦横無尽に操りながら、
足元でタウラス・ペダル・シンセを踏む。
圧巻はベースのゲディ・リーで、
ベースを弾きながら歌うだけでなく、
時に片手でシンセを弾き、
足元でタウラス・ペダル・シンセを踏み、
ベースと12弦ギターのダブルネックを操るという、
大道芸人のようなプレイをします。
このようにラッシュは、
3人で可能な限りの音を出し、
トリオの極限の姿を示しているのです。

しかし、
このスタイルを追求した結果、
1978年発表の「HEMISPHERES」では片面1曲、
(しかも、
前作「A FAREWELL TO KINGS」の最後の曲からつながっています。)
裏面3曲というたいへんマニアックな内容になってしまい、
本人たちもかなり煮詰まってしまったようです。



そこで、
「PERMANENT WAVES」では曲を短めにし、
当時の最新の音楽であったレゲエなどを取り入れ、
バンドを時代に合ったサウンドに変化させたのです。

「MOVING PICTURES」はその延長にあり、
ニューウェイブ的な音や、
ネオ・ヘヴィ・メタリックの音を意識し、
かなりモダンなサウンドに仕上がっています。

元々、
近未来的なコンセプトが強いバンドだったので、
このようなサウンドによくマッチしたといえるでしょう。

ギターのアレックス・ライフスンは、
「HEMISPHERES」あたりから、
例の「BOSS CE-1」(コーラス・アンサンブル)を使用し、
かなり歪んだ音ではあるものの、
独特の「シャラ〜ン」とした、
音の広がりを感じさせるようになりました。

アレックス・ライフスンは、
通常のロックでは使わないような、
テンションの効いた、
ミョーなコードを多用する人で、
そういう意味では、
THE POLICEのアンディ・サマーズと同系統といえるでしょう。

当時の私が、
そんなプレイに夢中にならないはずはなく、
それは一時期、
ラッシュのコピーバンドを結成したほどであり、
このアルバムからは、
「Red Barchetta」と「Limelight」を演奏したことがあります。

「MOVING PICTURES」では、
従来の彼らが得意とした、
変拍子ビシバシの曲は、
インストの「YYZ」ぐらいで、
後は比較的ストレートなビートに仕上がっています。

「Red Barchetta」「Camera Eye」「Vital Signs」といった曲からは、
どことなくTHE POLICEの香りがします。
(この後の彼らには、本当にTHE POLICEのようになる時期があります。)

そして、「Tom Sawyer」と「Limelight」は、
文句なしの名曲でしょう。

私はラッシュを究極のロックバンドの姿ととらえ、
ゲディ・リーのようなベーシストを探しました。
しかし、
そのようなベーシストには、
現在までお目にかかったことはなく、
世界のロック界でもフォロワーが存在しません。

ラッシュがどれだけ、
ワン&オンリーの存在であるか、
おわかりいただけるでしょう。

そこで私は、
トリオ+ワン(ヴォーカリスト)のユニットで、
オリジナル曲を模索し始めたのです。
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