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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2017/10/29 (Sun)
携帯電話「Galaxy」のCMで、
バックに流れる曲の、
ギターのアルペジオが気になり、
iTunesで購入したところ、
Bump Of Chickenの「リボン」という曲でした。

これもまた、
The Edge(U2)の影響を受けていると思われるサウンドですが、
世代的には、
The Edgeの影響を受けたJ-POP第一世代から影響を受けた、
というのが正確なところでしょう。

The Edgeの、
デジタルディレイをかけたギターのバッキングは、
多くのギタリスト(とくに日本の)に衝撃を与えましたが、
私も例外ではありません。

私が最初にU2を聴いたのは、
バンド活動の最盛期だった、
1983年に発表されたシングル
「Two hearts beat as one」でした。
印象的なベースラインとシンプルなリズムの上で、
ガシャガシャとかき鳴らすギターの響きが新鮮で、
すぐにアルバム『WAR』を購入しました。

ピンク・フロイドのデイヴ・ギルモアに憧れて、
高校時代から、
エコー系の残響エフェクトを必ず、
自分のセットに組み込んでいた私ですが、
技術の進化に合わせて、
テープ式エコーからアナログディレイ、
そしてこの頃には、
デジタルディレイへと使用機材を変更していました。

デジタルディレイの登場はたいへんありがたく…
というのも、
エフェクトのサイズが小さくなり、
持ち運びが楽になったからでした。
長く使っていたアナログディレイは、
アンプに乗せるラックタイプで、
これ一つを入れるために、
大型のエフェクターケースを用意しなければならなかったのです。

ところが、
使ってみると、
デジタルディレイはリピートする音がクリア過ぎて、
なんだか冷たい感じで、
違和感を覚えました。
「ボン、ボン、ボン…」と機械的に延々繰り返すのです。

それまで使っていたアナログディレイは、
リピートする音が少し歪むというかコモる感じで、
「ボン、ボン、ボボン〜」と独特のモヤモヤした音になります。

これは、
ウィークポイントのようにも思われますが、
そのおかげで、
ピンク・フロイドで聴ける包み込むような音を演出します。
(テープ式エコーはさらに顕著です)

機材は進化すればよいというわけではなく、
どういう音を求めているかが重要なのです。

ということで、
ピンク・フロイドをイメージして、
エコー系の残響エフェクトを使っていた私は、
新顔のデジタルディレイとは、
どうもソリが合わなかったのです。

そのタイミングで登場したThe Edge…

ああ…これはデジタルディレイだらかこそできる音だ。
アナログディレイだったらモヤモヤしてしまい、
リズムが乱れて歌いづらくなるだろうな…

そして、
このサウンドは、
ギターしかメロディ楽器がいない、
シンプルな編成の、
スッカスカの音空間だから成立する、
ということもすぐに理解しました。

THE WHOやZEPのように、
賑やかなことこの上もないリズムセクションでもなく、
FREEのようにベースにクセがあったり、
VAN HALENのようにチョー音数が多いギタリストがいるわけでもない、
シンプルなビートとリードを弾かないギターによる、
トリオの演奏だから、
このようなサウンドが活きるのです。

The Edgeのギターサウンドは、
『WAR』の次のアルバム
『THE UNFORGETTABLE FIRE』(1984年)でさらに派手になり、
『THE JOSHUA TREE』(1987年)で完成形を示しました。

『THE UNFORGETTABLE FIRE』
でプロデューサーに迎えたENOは、
音響に長けたミュージシャンですが、
彼はThe Edgeの音に奥行きを与えたように思えます。

そして、
このあたりから、
多くのミュージシャンが影響を受けるようになったのです。

記憶に残っているのは、
ルースターズや60/40に在籍していた、
下山淳さんが、
The Edgeそのものといったギターで、
泉谷しげるさんのバックを務め、
「春夏秋冬」を演奏していたことです。



我々世代のギター弾きたちが、
初めて、
クラプトンやベック、ペイジ…ヴァン・ヘイレンといった、
リードギタリストでもなく、
コードカッティングの、
それも残響音の使い方に影響を受けるという、
稀有な現象が出現したのでした。

そんなU2ですが、
この秋に、
紙ジャケ仕様SHM-CDで、
全タイトルが再発されました。

私も例によって、
主要アルバムを購入し直し、
あらためて、
The Edgeサウンドに酔いしれているところです。

そして今年はこの後に、
ピンク・フロイドの紙ジャケ発売が控えており、
何というか…
「残響の秋」とでも言いましょうか…、
そんな季節になりそうな気配です。


↓やっぱテレキャスへ行くのか…

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★ ILLUSTRATION BY nyao