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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2017/10/15 (Sun)
昨年のちょうど今頃、
『室町無頼』という小説について
語ったことがありましたが、
世間ではそのあたりから、
応仁の乱について騒がれ始め、
たくさんの本が刊行されるようになりました。

日本史の再検証がブームになっていますが、
人気の高いテーマとして、
先日語った幕末から明治維新のあたりと、
今回話題にする応仁の乱、
そして関ヶ原の合戦が続くようです。

そんな応仁の乱ですが、
決定版とも言うべき『応仁の乱』(呉座勇一著:中央公論新社)が
ベストセラーになっているというので、
私も購入して読んでみました。

歴史モノについては最近、
小説をほとんど読まなくなり、
ノンフィクションばかり読むようになっています。

感情移入しないで読める方が、
ラクだしリアルに感じられるのです。

さて、
この『応仁の乱』ですが、
事件が広範囲に及ぶだけでなく、
登場人物も多数なので、
相当に読みごたえがあります。

登場人物は多数というだけでなく、
あまり知名度の高くない名前が多い上に、
(地味ともいう…)
同族の争いばかりなので、
同じ姓が敵味方に分かれ、
余計に話をややこしくしています。

それにしても、
知らなかったことばかりです。

日本史の教科書では、
このあたりは1ページにも満たないヴォリュームで…

細川勝元と山名宗全の争いが長引き、
京都が荒廃し、
ここから戦国時代へ突入することになる、
という位置付けで、

その一方で将軍、
足利義政が文化人として優れており、
銀閣寺に代表される東山文化が形成された、

という内容が定番になっています。

ところが…

そんな単純な話でなかったのですね。

応仁の乱は、
管領である畠山氏の内紛に端を発し、
そこへ足利義政の後継者争いがからみ、
その結果、
細川氏と山名氏までが争うことになった、
というのが真相で、

畠山氏の内紛に終止符が打たれると、
そこで終息したということです。

また、
義政はたしかに、
文化人としては優れていたが、
将軍…というか、
政治家としてはあまりよろしくなかったということで、
その後の混乱も元をたどれば、
義政が原因であったとしています。

私が今回、
これまでの認識を改めざるを得なくなったのは、

室町幕府の統制力がそれなりに強かったということ
大名は在京制であったこと
応仁の乱後、
明応の政変で将軍家が二つに分かれてしまったこと

に代表されるのですが、

戦国時代の幕開けの位置が、
明応の政変とされている点も新鮮でした。
(つまり、
そこまでは室町将軍の権威は残っていた…と)

その他、
細かい部分を入れると、
かなりの数の発見があり、
この秋の大きな収穫でした。

『明治維新の正体』同様、
史実を検証してストーリーを再構築する手法は
たいへん現実的であり説得力があります。

最初のうちは、
親しみにくい話と思ってしまいますが、
新しい発見に出会うたびに興味が湧いてくるので、
みなさんも秋の夜長に『応仁の乱』などはいかがでしょう?
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★ ILLUSTRATION BY nyao