「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2008/12/21 (Sun)
私的ロック評論シリーズの第8弾です。
第8回は、
JOHNNY,LOUIS&CHARの『FREE SPIRIT』です。
『フリースピリット/ジョニー・ルイス&チャー(FREE SPIRIT/JOHNNY,LOUIS&CHAR』)
(1979年発表)
SDE1
1.Introduction
2.Wasted
3.風に吹かれてみませんか
4.Open Your Eyes
5,籠の鳥
SIDE2
6.Natural Vibration
7.You're Like a Doll Baby
8.Shinin' you, Shinin' day
Charこと竹中尚人先輩は、
大田区から転校して来た、
私の中学時代の友人の兄貴の、
都立大崎高校の先輩にあたり、
ソロデビューを果たす以前から、
何かと話題になっていた人でした。
いわゆる“都立高校の星”。
同じように、
都立高校に通っていた私は、
海外のミュージシャンほど遠くない、
身近な距離にいるアコガレの存在ということで、
常にその動向を意識しておりました。
そんなCharが、
歌謡曲の世界で活躍し、
我々に軽い失望感を抱かせた後、
いくつかのトラブルに巻き込まれ、
「もう、復帰は無理かな?」
と思わせるようになっていた時期に、
どうやらトリオで再起を図るようだ、
というニュースが入ってきたのは、
私が高校3年の春、
1979年のことでした。
それはちょうど、
スタンリー・クラークを連れた、
ジェフ・ベックの来日公演を見た直後、
私が、
エキセントリックなテクニシャンを目指すことに挫折し、
16ビート系のリズムに関心を持ち始めた時期でした。
野音で無料ライブをやるらしい…。
そんな噂が聞こえてきたのは、
その年の7月に入ってからのことでした。
何をおいても見に行かねば…。
ところが、
あいにくライブ前夜から雨模様で、
しかも当日はたいへんな大雨になってしまい、
雨が降ると学校を休むと言われていた私は、
あっさりとこのライブをスッポかしてしまいました。
だって、野外なんだもん…。
(ドタキャンの悪い癖はこの頃からのようです。)
しかし、
ライブ直後から、
このときの演奏のスゴさが話題になり、
私はこのときのことを、
それから長いこと後悔するようになります。
またCharだけでなく、
相方の二人にも注目が集まるようになり、
ジョニー吉長、ルイズルイス加部という、
日本ロック界が誇る存在を知り、
私は、
いままで海外ばかりに目を向けていた自分を、
少しばかり反省することになるのです。
そして、
ライブを見に行かなかった、
私のフラストレーションを吹き飛ばすかのように、
秋になり発表されたのが、
そのときのライブを元に制作された、
ジョニー・ルイス&チャーのデビューアルバム、
『フリースピリット』でした。
これは正直、
LPが擦り切れるほど聴いた1枚です。
以前からCharは、
日本人離れしたセンスが評価されていましたが、
このアルバムでは、
歌謡曲の世界を吹っ切ったせいか、
さらにそれが強く出ており、
英詞の曲については、
日本人の作品であるとは思えないほどです。
またCharは、
ブルースよりも、
ソウルやファンク色が強いことで有名でしたが、
それがこの作品全体にも表れており、
どことなくオシャレな雰囲気になっています。
ソウルやファンクで使うコードやカッティングを、
ハードロック的な展開に持ち込んだ、
「Wasted」や
「You're Like a Doll Baby」の、
文章で表現できないほどのカッコよさ。
ソロ時代からお気に入りだった、
「Shinin' you, Shinin' day」で、
金子マリがデュエットでカラむあたりの、
鳥肌モノの美しさ。
日本語の歌詞の、
「風に吹かれてみませんか」と
「籠の鳥」の出来も素晴らしく、
どちらもCharのキャリアにおいて、
トップクラスの作品といえるでしょう。
とくに、
「風に吹かれてみませんか」は、
日本語によるメロウソウルの傑作で、
今でも…、
というか今だから、
ときどき聴きたくなる、
私のフェイバリット・ソングのひとつになっています。
16ビート系のリズムに関心を持ち始めていた、
当時の私にとって、
『フリースピリット』に収録されているCharのギターは、
これ以上ないほど魅力的であり、
とにかく、
そのすべてを、
丸ごと自分で身に付けようと思ったほどでした。
そして私は、
このアルバムの全曲コピーを決心し、
数ヶ月後にそれを果たすのです。
(余談ですが…、
このとき、
よほどしっかりやったおかげか、
今でも、ほぼ完奏することができます。)
さらにこの後、
LOOSE CONNECTIONの前身に当たるバンドで、
数曲をレパートリーにするなどし、
『フリースピリット』は少しずつ、
私の血肉と化していくのです。
私はこれ以降、
リードギターよりもむしろ、
コードカッティングやアルペジオといった、
バッキングの部分でセンスを磨く方が
“粋”であると考えるようになり、
普通のコードを普通に押さえるのでなく、
ひとひねりしたコードを、
普通でない押さえ方で押さえることに、
ギタリストとしての価値を感じるようになりました。
そういう意味で、
『フリースピリット』は、
私のギタリストとしてのキャリアにおいて、
大きなターニングポイントになったアルバム、
といえます。
これを聴いたことが、
今の自分を築いたと言っても過言ではないでしょう。
ひさしぶりで聴いてみるかな?
第8回は、
JOHNNY,LOUIS&CHARの『FREE SPIRIT』です。
『フリースピリット/ジョニー・ルイス&チャー(FREE SPIRIT/JOHNNY,LOUIS&CHAR』)
(1979年発表)
SDE1
1.Introduction
2.Wasted
3.風に吹かれてみませんか
4.Open Your Eyes
5,籠の鳥
SIDE2
6.Natural Vibration
7.You're Like a Doll Baby
8.Shinin' you, Shinin' day
Charこと竹中尚人先輩は、
大田区から転校して来た、
私の中学時代の友人の兄貴の、
都立大崎高校の先輩にあたり、
ソロデビューを果たす以前から、
何かと話題になっていた人でした。
いわゆる“都立高校の星”。
同じように、
都立高校に通っていた私は、
海外のミュージシャンほど遠くない、
身近な距離にいるアコガレの存在ということで、
常にその動向を意識しておりました。
そんなCharが、
歌謡曲の世界で活躍し、
我々に軽い失望感を抱かせた後、
いくつかのトラブルに巻き込まれ、
「もう、復帰は無理かな?」
と思わせるようになっていた時期に、
どうやらトリオで再起を図るようだ、
というニュースが入ってきたのは、
私が高校3年の春、
1979年のことでした。
それはちょうど、
スタンリー・クラークを連れた、
ジェフ・ベックの来日公演を見た直後、
私が、
エキセントリックなテクニシャンを目指すことに挫折し、
16ビート系のリズムに関心を持ち始めた時期でした。
野音で無料ライブをやるらしい…。
そんな噂が聞こえてきたのは、
その年の7月に入ってからのことでした。
何をおいても見に行かねば…。
ところが、
あいにくライブ前夜から雨模様で、
しかも当日はたいへんな大雨になってしまい、
雨が降ると学校を休むと言われていた私は、
あっさりとこのライブをスッポかしてしまいました。
だって、野外なんだもん…。
(ドタキャンの悪い癖はこの頃からのようです。)
しかし、
ライブ直後から、
このときの演奏のスゴさが話題になり、
私はこのときのことを、
それから長いこと後悔するようになります。
またCharだけでなく、
相方の二人にも注目が集まるようになり、
ジョニー吉長、ルイズルイス加部という、
日本ロック界が誇る存在を知り、
私は、
いままで海外ばかりに目を向けていた自分を、
少しばかり反省することになるのです。
そして、
ライブを見に行かなかった、
私のフラストレーションを吹き飛ばすかのように、
秋になり発表されたのが、
そのときのライブを元に制作された、
ジョニー・ルイス&チャーのデビューアルバム、
『フリースピリット』でした。
これは正直、
LPが擦り切れるほど聴いた1枚です。
以前からCharは、
日本人離れしたセンスが評価されていましたが、
このアルバムでは、
歌謡曲の世界を吹っ切ったせいか、
さらにそれが強く出ており、
英詞の曲については、
日本人の作品であるとは思えないほどです。
またCharは、
ブルースよりも、
ソウルやファンク色が強いことで有名でしたが、
それがこの作品全体にも表れており、
どことなくオシャレな雰囲気になっています。
ソウルやファンクで使うコードやカッティングを、
ハードロック的な展開に持ち込んだ、
「Wasted」や
「You're Like a Doll Baby」の、
文章で表現できないほどのカッコよさ。
ソロ時代からお気に入りだった、
「Shinin' you, Shinin' day」で、
金子マリがデュエットでカラむあたりの、
鳥肌モノの美しさ。
日本語の歌詞の、
「風に吹かれてみませんか」と
「籠の鳥」の出来も素晴らしく、
どちらもCharのキャリアにおいて、
トップクラスの作品といえるでしょう。
とくに、
「風に吹かれてみませんか」は、
日本語によるメロウソウルの傑作で、
今でも…、
というか今だから、
ときどき聴きたくなる、
私のフェイバリット・ソングのひとつになっています。
16ビート系のリズムに関心を持ち始めていた、
当時の私にとって、
『フリースピリット』に収録されているCharのギターは、
これ以上ないほど魅力的であり、
とにかく、
そのすべてを、
丸ごと自分で身に付けようと思ったほどでした。
そして私は、
このアルバムの全曲コピーを決心し、
数ヶ月後にそれを果たすのです。
(余談ですが…、
このとき、
よほどしっかりやったおかげか、
今でも、ほぼ完奏することができます。)
さらにこの後、
LOOSE CONNECTIONの前身に当たるバンドで、
数曲をレパートリーにするなどし、
『フリースピリット』は少しずつ、
私の血肉と化していくのです。
私はこれ以降、
リードギターよりもむしろ、
コードカッティングやアルペジオといった、
バッキングの部分でセンスを磨く方が
“粋”であると考えるようになり、
普通のコードを普通に押さえるのでなく、
ひとひねりしたコードを、
普通でない押さえ方で押さえることに、
ギタリストとしての価値を感じるようになりました。
そういう意味で、
『フリースピリット』は、
私のギタリストとしてのキャリアにおいて、
大きなターニングポイントになったアルバム、
といえます。
これを聴いたことが、
今の自分を築いたと言っても過言ではないでしょう。
ひさしぶりで聴いてみるかな?
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