忍者ブログ
「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
  ★ カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
  ★ フリーエリア
  ★ 最新コメント
[01/25 matsuZACK]
[01/23 shiba]
[01/02 matsuZACK ]
[01/02 ういん]
[12/27 shiba]
  ★ 最新記事
(02/16)
(02/15)
(02/13)
(02/06)
(01/30)
  ★ 最新トラックバック
  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
  ★ バーコード
  ★ ブログ内検索
  ★ P R
  ★ カウンター
  ★ お天気情報
[446] [445] [444] [443] [442] [441] [440] [439] [438] [437] [436]
★2024/11/23 (Sat)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

★2016/07/18 (Mon)
街角に
満面の笑みをたたえたネーチャンが立っていたんだ。
で…俺は「アンタ何してんの?」って聞いたわけ。
たぶんカノジョはKISSしたがっているんだよ。
「ネーチャン、名前はなんつーの?」
俺らは同じことを考えていたはずさ。
もうガマンできない、
恥ずかしがっている場合じゃない、
駐車料金が上がる前にどっか行こうぜ。

これでいいのだ。

…って、
平均年齢20歳弱のバンドの作品ですから、
大目に見てやってください。

最近、
このFREEの「All Right Now」を演奏する機会があり、
さすがに50過ぎるとこの歌詞はテレるなぁ…
などと思った一方で、
楽曲は実によくできていると、
あらためて感心した次第です。

ポール・コゾフという人は、
レスポール愛用者ですが、
たいへん繊細なタッチでギターを弾くことで有名です。

ニュアンスに富んだコードを多用し、
細かいカッティングやアルペジオを駆使したバッキングを聴くと、
ストラトの方が合っているんじゃないかい?
と思うことがあります。
(そのせいか、
ソロになってからはストラトを使うようになりました)

図太いサウンドで有名なレスポールも、
弾き手によってはこうなるという、
格好のサンプルでしょうね。

そして…

ロックの名曲数あれど、
「All Right Now」のイントロほど、
アマチュアギタリストの間で議論になったリフはありません。

単純にAとDをかき鳴らしても、
あの感じは出ないのです。

Dに聴こえるコードは、
じつは…
Aにsus4と6thを乗っけたもので、
キース(リチャーズ)が5弦ギターでよくやる…
ほら「Brown Sugar」のリフと同じパターンを、
コゾフはレギュラーチューニングでやっているのです。

しかも…雰囲気を出すために、
最初のA(オープンコード)に6弦5フレットの音を加えています。
(今回スタジオテイクを研究したのですが、
1弦5フレットを押さえた方が雰囲気が出るような…)

サビのコードなども、
シンプルに2つの音で構成しているのですが、
片方の音だけ変えて、
ガラッとコードが変わる効果を出していたり、
なかなか一筋縄ではいかないボイシングを使っています。

加えて、
リードギターになると、
あのヴィブラートですから…
後にキッスのエース・フレイリーが、
「ギュイ〜ン」という大きなヴィブラートで話題になりますが、
コゾフのはもっと細かく震える感じなので、
人呼んで「チリメンヴィブラート」。

一音一音に、
丁寧にこのヴィブラートがかかるのです。
まるで細川たかしさんの歌声のように…

コゾフは「All Right Now」発売時にちょうど20歳…
恐るべき早熟の才能ではあります。

加えて、
このコゾフよりさらに2歳年下…
若干18歳の、
アンディ・フレイザーのベースがまた凄い。

サビのバッキング、
ギターソロの後半…
いずれも一度聴いたら忘れられないほど、
ユニークなベースラインでバンドをあおります。

ライヴでは、
なぜかコゾフがバッキングで演奏をしない(やめる?)部分があり、
リズム隊だけで歌を支えることがあるのですが、
それでも音の薄さを感じさせない、
ケタ違いの存在感…
恐るべき未成年であります。

リズムの大黒柱、
サイモン・カークは、
コンマ8秒ぐらいリズムが後ろにズレる、
脅威のアフタービートを淡々と刻み続け、
かくして、
コゾフとフレイザーはじつに…
じつに自由にプレイを展開するのでした。

ここへ、
稀代の歌唱力を誇る、
ポール・ロジャースが、
冒頭の、
“青い青〜い“歌詞を、
圧倒的な迫力でぶつけてくると…
はい、
一丁上がり、
FREEサウンドの出来上がり、
となるわけです。

これをブルースと言わずして、
何がブルースなのでしょう。

これでいいのだ。

そう…本当に、

これでいいのだ…と、
妙な納得をしながら、
私はギターを弾くのでした。

かつての名曲を、
この年齢になって、
もう一度紐解いてみると、
また違った光景が見えるようです。

私のロックの旅は当分終わりそうにありません。

PR
忍者ブログ★ [PR]

★ ILLUSTRATION BY nyao