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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2016/01/10 (Sun)
「海賊盤」

今では一般的に、
違法コピーして作成された映画を指す単語になっていますが、
我々がティーンの頃はそうではなく、
コンサート会場で非公式に録音されたライヴ盤を意味していました。

新宿には「海賊盤」専門店が存在しており、
適当に作成された安っぽいジャケットのクセに、
正規のアルバムより高値がつけられたレコードが、
店内狭しと並んでいたものです。

ライヴアルバムを発表しないアーティストや、
正規のライヴアルバムとは違った選曲を求めて、
我々はこの禁断の領域に手をのばしました。

私も第3期ディープ・パープルの海賊盤を集めたものです。

中には、
正規のライヴアルバムをはるかにしのぐ演奏で、
マニアの間で名盤扱いされるレコードもあり、
有名なLED ZEPPELINのコピーバンドは、
「197X年X月X日の海賊盤ヴァージョン」をいくつか再現して、
話題になっていました。

昨年末から、
私がよく聴いているのは、
かつては、
そのような「海賊盤」の名盤として扱われていた、
トッド・ラングレン&ユートピアの、
1978年8月、
サンフランシスコはオールド・ウォルドーフにおけるライヴです。
(『LIVE 1978 LIVE AT THE OLD WALDORF』)



「海賊盤」とは言え、
この盤は、
コンサート会場のPA卓からライン録りされており、
当時はこれを地元FM局がオン・エアしたということで、
音質的にはまったく問題のないものです。

ただ、
そのせいで、
観客の声がほとんど入っておらず、
臨場感には欠けるのですが、
今回はこのマスターテープに手を加え、
晴れて正規盤として発売されたのでした。

選曲は、
ソロ活動からの作品と、
ユートピア名義の作品で、
バランスよく構成されており、
当時ユートピアの最新作であった、
『OOPS, WRONG PLANET(悪夢の惑星)』からも、
数曲演奏されております。

一方、
トッドはこの時期に、
『BACK TO THE BARS』という、
ベストアルバム的な選曲をした、
正規のライヴ・アルバムを発表しています。

こちらは、
ソロ活動の延長っぽく、
多数のゲストを含めた大編成のバンドで、
選曲もソロ活動の作品で占められていますが、
どうやら今回のユートピアのライヴは、
この作品と対になっている位置付けのようです。

ユートピアはシンプルな4人編成のため、
演奏がきわめてタイトでまとまりがよく、
私は『BACK TO THE BARS』より本作の方が、
はるかにすぐれたライヴ・アルバムと評価しています。

4人全員がヴォーカルをとれることに加え、
他の楽器もこなせるようで、
途中で担当楽器を変えた演奏も入っており、
飽きのこない構成になっています。
(ちなみに、
その部分でトッドはドラムを叩いています)

演奏は、
これがライン録りの直音源だとしたら、
信じられないくらい完璧な演奏で、
まったく破綻していないことに驚かされます。

全盛期のトッドの、
ソロとバンド両方からベストな選曲なので、
当然、
珠玉のメロディのオンパレードになるわけですが、
それを完璧に演奏されたら、
こりゃたまらんらん…と、
私は見事にヤラレてしまいました。

トッド未体験の方には、
ぜひおススメしたいほど、
素晴らしい作品です。

トッドはあまり、
ギタリストとして注目されることはありませんが、
私はユートピア時代の、
ちょっとスペーシーでグニョグニョした音が大好きです。

いかにも、
エフェクターで歪ませましたーっ的な音に、
エコーやフランジャーをかまして、
のけぞりながら弾きまくるトッドが、
とても微笑ましいのです。

愛用のギターは、
ギブソンSGと、
フェンダー・ムスタング、
それから、
アンペグのクリスタルギターですが、
一般的には天と地ほども音が違うそれらのギターを、
ほぼ同じ音…
というかギターによる違いがわからないほどに仕上げており、
そんなところが、
かなりのエフェクター小僧ではないか、
と思わせるところであります。

ちなみに、
トッド愛用のSGは、
クラプトンがクリーム時代に愛用していた、
サイケデリック・ペイントのもので、
これを譲り受けて、
長く使っていたということです。

フランク・ザッパといいトッドといい、
この時代に、
異常なまでに音作りにこだわった人は、
なぜかSGを使う傾向があり、
これはちょっと研究してみたいテーマです。

オープニングは、
名盤『SOMETHING/ANYTHING』に収録されていた、
スローテンポの、
ピアノ中心の曲で、
こんなしっとりした曲で始めるのもいいなぁ…と思い、

一方で、
これを軽やかに、
まるで鼻歌でも歌うように歌う、
トッドのセンスは並大抵のものではないと、
舌を巻きました。

こんな歌い方で、
ファルセットまでこなすトッドは、
ものすごく歌がウマイということでしょうね。

私もこんな風に歌えるようになりたい…

今回の作品ですが、
トッド・ラングレン・アーチヴ・シリーズという、
イギリスのレーベルが発掘音源の発表を進めている流れのようで、
他にも魅力的なアイテムが並んでいます。

トッドは、
ソウルとプログレという、
ほぼ対極にある音を、
ハードロックの切り口で、
いっしょの土俵で表現してしまったという、
たいへんな偉業を成し遂げておりますが…

これって、
まさに私の好みと一致しており…

そういう意味では、
私の性感帯を知り尽くしたかのような音(笑)
と言えるでありました。

ダメよそこは弱いのよ…
という攻め方をされるので、
新年早々たまらないのです。

SGねぇ…

そういえば、
ボウイの新作が出ていたんだっけ…

この調子では、
しばらくそこへは到達しないでしょうね(笑)
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★ ILLUSTRATION BY nyao