「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2014/03/16 (Sun)
昨夜と今夜の2夜にわたって、
テレビ朝日開局55周年記念番組
「宮本武蔵」が放送されます。
そうです…キムタクの宮本武蔵です。
すでに、
昨夜の放送分をご覧になった方も多いと思いますが、
いかがでしょう?
ストーリーが微妙に違っているって?
私もそう思いますが…何と違っているのでしょう?
原作の…
そう、吉川英治氏の小説と違っているのです。
宮本武蔵の生涯は謎が多く、
というより、
記録に残っている部分が少なく、
何が正しく何が間違っているのか、
議論をしても検証する術がありません。
ところが…
我々の多くは、
吉川英治作品のストーリーが頭から離れず、
あたかもこれが正史であるかのように錯覚してしまいます。
いまだに、
これほどの影響力を持っているとは…
あらためてその偉大さを実感した次第です。
私は中学の頃、
はじめて一連の作品に触れ、
それから折に触れて再読し、
主要な場面を暗誦できるほどになっております。
最初に出会ったのは、
中国伝奇小説を彼流に訳した
「新水滸伝」
そして「三国志」でした。
「新水滸伝」は、
なにしろテンポがよく、
ストーリーのおもしろさは群を抜いているので、
私はすぐにその世界にハマってしまいました。
ただ…
後に原書の直訳本に触れたところ、
あまりに印象が違うので驚いてしまいました。
吉川氏は、
「水滸伝」に登場する、
市井の英雄・豪傑たちに、
より身近で親しみやすいキャラ設定をしたおかげで、
登場人物が、
どことなく、
清水次郎長に出てくるような博徒のように仕上がっています。
次郎長の元に、
腕に覚えのある子分たちが集まってくる…
それと同じような雰囲気になっているのです。
ところが、
原書の直訳本では、
もっとおどろおどろしく禍々しい、
妖怪や魔物の雰囲気に満ちていて、
伝奇小説と呼ばれることが
納得できる内容になっています。
私は、
本物の雰囲気は理解したものの、
一方で、
それを素直に受け入れることができない自分に
気がつきました。
原書を凌駕するほどの魅力…
吉川作品には不思議な存在感があるのです。
そんな私が選ぶ、
吉川英治作品の日本歴史部門ベスト3は、
「宮本武蔵」と、
「新平家物語」
そして「私本太平記」です。
「新平家物語」は、
先の「三国志」を意識したようなところがあります。
平清盛、木曽義仲、九郎義経と主役が交替し、
建礼門院徳子の、
「祇園精舎の鐘の声…」で、
終わるわけですが、
「三国志」も、
劉備や曹操、孔明といった、
英雄・豪傑たちが激しい生き様を見せた後、
本編の登場人物とは別の系統の人物が、
新しい国(晋)を作り、
その国が中国全土を統一するところで終わります。
南へ南へ、
陸続とやっている兵たちは、
新しい国の旗を手にしている。
三国は晋一国になった…と。
読み終えた後、
ちょっと虚しい気分になるところです。
私には、
この感じがよく似ているように思えます。
吉川氏は、
いわゆる人間の業のはかなさを、
「新平家物語」で描きたかったのではないでしょうか。
同じように、
「私本太平記」には、
婆娑羅大名の佐々木道誉という人物が登場し、
きらびやかで退廃的な、
妖しい光を放っております。
そのせいか、
この作品には、
先に述べた「水滸伝」の原書にあるような、
おどろおどろしく禍々しい雰囲気が感じられ、
「新平家物語」とはまた違った印象を受けます。
この2作に対して、
私が「宮本武蔵」から感じたのは、
“青春”というテーマでした。
武蔵と又八という対照的な青年を同時進行で描くことで、
このテーマがより際立っていると思います。
司馬遼太郎さんは、
幕末をテーマに、
幕府側・倒幕側の両サイドから
「龍馬がゆく」「燃えよ剣」(主役は新撰組の土方歳三)
を描き、
読者に両方読むことを勧めていました。
両方を読んではじめて理解できるテーマが、
やはり“青春”だったのです。
2つの生き方を対比させて“青春”を描く手法の元祖が、
この「宮本武蔵」というわけです。
「宮本武蔵」という題材は、
吉川作品の前にも後にも、
これに匹敵する作品がなく、
またテーマゆえか、
多くの人々が青春期に愛読するおかげで、
日本人の心に強く残る作品となっているのでしょうね。
最近では、
コミックではあるものの
「バガボンド」の印象もかなり強烈で、
影響力が大きいかもしれません。
昨夜の放送でも、
松田翔太演じる吉岡清十郎にそれが現れていて、
(また、これが見事に雰囲気出ていました)
ここは、
吉川作品における、
弱々しく都会的な当主のイメージと、
大きくかけ離れているところでありました。
こういうところが、
賛否両論分かれるところだと思いますが…
私は、
まぁ…確証のある話でもないし、
娯楽作品なので、
作品として楽しめればそれでよいかな…なんて思います。
とりあえず、
やはり、
歴史モノはおもしろいなと、
つくづく思った次第です。
もう1回ぐらい、
吉川作品を読み返しておこうかな?
この年齢になると、
また新たな発見があるかもしれませんね。
↓「バガボンド」の吉岡清十郎(この感じ…)
テレビ朝日開局55周年記念番組
「宮本武蔵」が放送されます。
そうです…キムタクの宮本武蔵です。
すでに、
昨夜の放送分をご覧になった方も多いと思いますが、
いかがでしょう?
ストーリーが微妙に違っているって?
私もそう思いますが…何と違っているのでしょう?
原作の…
そう、吉川英治氏の小説と違っているのです。
宮本武蔵の生涯は謎が多く、
というより、
記録に残っている部分が少なく、
何が正しく何が間違っているのか、
議論をしても検証する術がありません。
ところが…
我々の多くは、
吉川英治作品のストーリーが頭から離れず、
あたかもこれが正史であるかのように錯覚してしまいます。
いまだに、
これほどの影響力を持っているとは…
あらためてその偉大さを実感した次第です。
私は中学の頃、
はじめて一連の作品に触れ、
それから折に触れて再読し、
主要な場面を暗誦できるほどになっております。
最初に出会ったのは、
中国伝奇小説を彼流に訳した
「新水滸伝」
そして「三国志」でした。
「新水滸伝」は、
なにしろテンポがよく、
ストーリーのおもしろさは群を抜いているので、
私はすぐにその世界にハマってしまいました。
ただ…
後に原書の直訳本に触れたところ、
あまりに印象が違うので驚いてしまいました。
吉川氏は、
「水滸伝」に登場する、
市井の英雄・豪傑たちに、
より身近で親しみやすいキャラ設定をしたおかげで、
登場人物が、
どことなく、
清水次郎長に出てくるような博徒のように仕上がっています。
次郎長の元に、
腕に覚えのある子分たちが集まってくる…
それと同じような雰囲気になっているのです。
ところが、
原書の直訳本では、
もっとおどろおどろしく禍々しい、
妖怪や魔物の雰囲気に満ちていて、
伝奇小説と呼ばれることが
納得できる内容になっています。
私は、
本物の雰囲気は理解したものの、
一方で、
それを素直に受け入れることができない自分に
気がつきました。
原書を凌駕するほどの魅力…
吉川作品には不思議な存在感があるのです。
そんな私が選ぶ、
吉川英治作品の日本歴史部門ベスト3は、
「宮本武蔵」と、
「新平家物語」
そして「私本太平記」です。
「新平家物語」は、
先の「三国志」を意識したようなところがあります。
平清盛、木曽義仲、九郎義経と主役が交替し、
建礼門院徳子の、
「祇園精舎の鐘の声…」で、
終わるわけですが、
「三国志」も、
劉備や曹操、孔明といった、
英雄・豪傑たちが激しい生き様を見せた後、
本編の登場人物とは別の系統の人物が、
新しい国(晋)を作り、
その国が中国全土を統一するところで終わります。
南へ南へ、
陸続とやっている兵たちは、
新しい国の旗を手にしている。
三国は晋一国になった…と。
読み終えた後、
ちょっと虚しい気分になるところです。
私には、
この感じがよく似ているように思えます。
吉川氏は、
いわゆる人間の業のはかなさを、
「新平家物語」で描きたかったのではないでしょうか。
同じように、
「私本太平記」には、
婆娑羅大名の佐々木道誉という人物が登場し、
きらびやかで退廃的な、
妖しい光を放っております。
そのせいか、
この作品には、
先に述べた「水滸伝」の原書にあるような、
おどろおどろしく禍々しい雰囲気が感じられ、
「新平家物語」とはまた違った印象を受けます。
この2作に対して、
私が「宮本武蔵」から感じたのは、
“青春”というテーマでした。
武蔵と又八という対照的な青年を同時進行で描くことで、
このテーマがより際立っていると思います。
司馬遼太郎さんは、
幕末をテーマに、
幕府側・倒幕側の両サイドから
「龍馬がゆく」「燃えよ剣」(主役は新撰組の土方歳三)
を描き、
読者に両方読むことを勧めていました。
両方を読んではじめて理解できるテーマが、
やはり“青春”だったのです。
2つの生き方を対比させて“青春”を描く手法の元祖が、
この「宮本武蔵」というわけです。
「宮本武蔵」という題材は、
吉川作品の前にも後にも、
これに匹敵する作品がなく、
またテーマゆえか、
多くの人々が青春期に愛読するおかげで、
日本人の心に強く残る作品となっているのでしょうね。
最近では、
コミックではあるものの
「バガボンド」の印象もかなり強烈で、
影響力が大きいかもしれません。
昨夜の放送でも、
松田翔太演じる吉岡清十郎にそれが現れていて、
(また、これが見事に雰囲気出ていました)
ここは、
吉川作品における、
弱々しく都会的な当主のイメージと、
大きくかけ離れているところでありました。
こういうところが、
賛否両論分かれるところだと思いますが…
私は、
まぁ…確証のある話でもないし、
娯楽作品なので、
作品として楽しめればそれでよいかな…なんて思います。
とりあえず、
やはり、
歴史モノはおもしろいなと、
つくづく思った次第です。
もう1回ぐらい、
吉川作品を読み返しておこうかな?
この年齢になると、
また新たな発見があるかもしれませんね。
↓「バガボンド」の吉岡清十郎(この感じ…)
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