忍者ブログ
「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
  ★ カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
  ★ フリーエリア
  ★ 最新コメント
[01/25 matsuZACK]
[01/23 shiba]
[01/02 matsuZACK ]
[01/02 ういん]
[12/27 shiba]
  ★ 最新記事
(02/16)
(02/15)
(02/13)
(02/06)
(01/30)
  ★ 最新トラックバック
  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
  ★ バーコード
  ★ ブログ内検索
  ★ P R
  ★ カウンター
  ★ お天気情報
[29] [28] [27] [26] [25] [24] [23] [22] [21] [20] [19]
★2024/11/22 (Fri)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

★2008/07/27 (Sun)
ピンク・フロイドとともに、
プログレッシブ・ロック創成期に重要な役割を果たしたのが、
キング・クリムゾン(KING CRIMSON)です。

彼らのデビュー・アルバム、
『クリムゾンキングの宮殿/IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』
は1969年に発表されました。

このアルバムが、
ビートルズの『アビーロード』をチャートから蹴落としたことは、
あまりにも有名な逸話ですが、
キング・クリムゾンの場合、
デビュー・アルバムの段階ですでに、
完成度の高いバンドサウンドが確立されていたのです。

それは、
比較的新しい時代の、
先進的なクラシック・ミュージックと
ジャズの要素をロックと融合させる試みでした。

この試みは、
たいへん新鮮な感動をもって音楽ファンに受け入れられました。
そして文字通り、
“進歩的/前衛的なロック”という本来の意味で、
人々はキング・クリムゾン・サウンドを、
プログレッシブ・ロックと呼んだのです。

また、
キング・クリムゾンは、
その後のプログレサウンドをイメージづける、
弦楽器のような音色でアンサンブルを埋め尽くす、
メロトロンという
鍵盤楽器を大々的に使用したことで有名です。

プログレサウンドの進化は、
鍵盤楽器の進化とシンクロするのですが、
後にストリングスシンセサイザーの普及によって一般的になる、
あの「サーッ」とした音色の原点が、
このメロトロンなのです。

キング・クリムゾンは、
そのデビュー・アルバムの段階で、
プログレサウンドの具体化に大きく貢献したといえます。

ところで私は、
そんな彼らが真価を発揮したのは、
ロバート・フリップが大きくバンドの路線変更をした、
6枚目のアルバム、
『太陽と戦慄/LARKS TONGUES IN ASPIC』
(1973年発表)から、
『暗黒の世界/STARLESS AND BIBLE BLACK』、
『レッド/RED』(両者とも1974年発表)
へとつながる、
再結成前の当時の表現で言うところの、
“後期”キング・クリムゾンの時期であると確信しています。

この時期の彼らは、
決められた形式の演奏だけではなく、
即興演奏、
インプロビゼイションの手法を大々的に取り入れていました。

これは、
『太陽と戦慄』当時のメンバーだったパーカッショニスト、
ジェイミー・ミューアが持ち込んだ、
フリー・ジャズからの影響だと言われていますが、
ロックとジャズの融合のみならず、
ジャズが進化すればそれを取り入れ、
バンドサウンドを一新するという、
このロバート・フリップの姿勢こそ、
“プログレッシブ・ロック”の神髄であると思います。

一方、
“後期”キング・クリムゾンの時期から、
ロバート・フリップは雄弁に自己の音楽を語るようになりました。
この「ロックについて語る」ことを始めたのは、
どうやらロバート・フリップが元祖のようです。
彼は自己の音楽コンセプトを言葉や文章で表現することと、
音で表現することを同格に扱っていたのです。

確固としたコンセプトに基づき、
構築美と即興性が見事にバランスをとる強靭なサウンド。
“後期”キング・クリムゾンは、
“プログレッシブ・ロック”を一気に、
芸術の高みへと押し上げたのでした。

「つうやくを なかせるほどの へりくつを
        てつがくなりと ひとはいうかな」 

PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする★
忍者ブログ★ [PR]

★ ILLUSTRATION BY nyao