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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2012/04/08 (Sun)
信じられない本が出ています。

「ザ・ギターマン 
特集 炎のギタリスト/YOUNG GUITAR special issue」
(シンコー・ミュージックMOOK:2012/02/29発売)



なんと…、
一冊丸ごと、
トミー・ボーリン、
という企画です(!)

内容は、
トミーの使用機材の解説に始まり、
参加全アルバムのレビュー、
そして貴重な、
本人のインタビュー記録、
そして関係者の証言、
(中でも、
1976年の来日をサポートした、
元四人囃子の森園さんの話が圧巻…)
となっており、
これを1冊の本に仕上げた、
スタッフの熱意に感心させられます。

使用機材の解説の部分が、
少々マニアックなのと、
筆者が断言を避ける曖昧な表現を多用するため、
退屈する個所があるものの、
全体としては満足できる内容になっています。

こんな企画があるなら、
私も参加したかったなぁ…。
なにしろ、
今から10年以上も前に、
彼にスポットライトを当てた企画を書いていたのだから…。
ここをクリック

しかし当時は、
シンコーミュージックのスタッフも、
山川健一さんも、
この企画には興味を示さず、
仕方ないので、
私は自分のサイトに掲載することにしたのでした。

今回の出版物における、
トミーについての見解は、
おおむね私と同じなので、
さきほどクリックした記事を読んでいただければ、
ほとんど理解していただけると思いますが…、
気になったのは、
表紙のコピー…、
“ジェフ・ベック以上”はないでしょう…、
シンコーミュージックさん(笑)

私は、
トミーはまだ、
人格的に成熟していなかった、
と思っています。

トミーについて、
私が強く感じることは、
物事を深く考えていなかった、
ということと、
なにしろスターになって金がほしかった、
ということです。

彼の作品には、
大器の片鱗がうかがえる個所が多数あり、
そこを評価して、
“ジェフ・ベック以上”と言っていると思いますが、
それは単に、
『スペクトラム』が『ワイアード』の数年前に発表されているから、
という事実を指しているだけで、
当のトミーは、
テキトーに弾いたらこうなっちゃったー、
ぐらいの感覚だったと思います。

その証拠は、
その後の彼の動きで…、
『スペクトラム』のスタイルを追求せずに、
ディープ・パープルに参加し、
ソロアルバム『ティーザー』を発表するわけですから…。
『スペクトラム』につながるのは、
『ティーザー』収録の数曲にとどまっています。

つまり、
まずは音楽家として追求するのではなく、
スターになって金がほしかった、
と言えるわけです。

『スペクトラム』の価値を、
わかっていなかったのかもしれませんね…。
それをよくわかっていたのは、
ヤン・ハマーで、
私は、
彼がジェフ・ベックという才能に、
このコンセプトを結びつけたと、
思っています。

ですから、
もう少し時間が経って、
彼自身が自分の方向性を見定めてからでなければ、
評価を下すことができなかったと思うのですが、
残念ながら、
本人はその前に亡くなってしまった、
ということになります。

私はトミーが、
志半ばで亡くなってしまったことと、
追悼盤として発表されたパープルのライブが、
日本で評価を下げるきっかけになっていたので、
そこを不憫に思い、
あの文章を書きましたが、
当然のごとく、
“ジェフ・ベック以上”とは思っていません。

その日本公演時にギターが弾けなかった理由も、
死因も、
ヘロインによるものだったわけで…、
25歳という年齢を考えると、
まだまだ人格的に未成熟だったのでしょうね。

あんまりいろいろ考えず、
“出たとこ勝負”、
って感じだったのではないでしょうか。

ゆえに…、
もし、
今生きていたら、
60歳を超えているわけですが…、
その後どうなったであろうか、
まったく予測が立ちません。

しかし、
人生に“もし”はないわけで、
トミーについては、
過大評価も過小評価もしてほしくなく、
ありのままに捉えて、
それぞれがその音楽を感じてほしい、
と思うだけです。

そういう意味では、
このような資料性の高い出版物が出版されるのは、
たいへん素晴らしいことで、
“ジェフ・ベック以上”という表現は無視してもらって(笑)…
みなさんも、
ぜひ読んでみてください。

考えてみれば、
歴史に埋もれたミュージシャンって、
まだまだいるでしょうね。
このレベルになると、
たいていの場合は、
口コミで、
その素晴らしさを伝えるしかないですからねぇ…。
私の拙いブログなども、
少しは役に立っているのかな?(笑)

それにしても、
トミーのプレイ、
および雰囲気は、
竹中先輩(Char)に似てますなぁ…。


↓じつは、その悪夢のパープル日本公演の映像があるのです。



曲はカッコいいけど、トミーの存在感はないなぁ〜(笑)

↓こっちは切ないなぁ…でも制作者の愛情を感じます

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★ ILLUSTRATION BY nyao