「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2011/11/13 (Sun)
じつは、
前回の THE WHO で、
このシリーズの第1部が完結します。
というのも、
そこまでが学生時代…
ギターでメシを食おうと夢を見ていた時代…
に影響を受けた作品で、
ここからは、
社会人になってから…
つまりギターでメシを食うことをあきらめてから…
影響を受けた作品ということになるからです。
では、
いままでの作品を一覧にしてみましょう。
①『地獄の軍団/キッス』(1976年発表)
②『ブラック・アンド・ブルー/ローリング・ストーンズ』(1976年発表)
③『ロックス/エアロスミス』(1976年発表)
④『狂気/ピンク・フロイド』(1973年発表)
⑤『ディープ・パープル・イン・ロック』(1970年発表)
⑥『悪魔と魔法使い/ユーライア・ヒープ』(1972年発表)
⑦『ジェフ・ベック・グループ』(通称『オレンジ』:1972年発表)
⑧『フリースピリット/ジョニー・ルイス&チャー』(1979年発表)
⑨『白いレガッタ/ポリス』(1979年発表)
⑩『ムーヴィング・ピクチャーズ/ラッシュ』(1981年発表)
⑪『ザ・フー/キッズ・アー・オールライト』(1979年発表)
(過去のバックナンバーはこちらから)
つまり、
ハードなロックンロールを骨格に、
プログレッシブロックで装飾を加え、
リッチー・ブラックモアからギターテクを学び、
ソウルやファンクといったブラックミュージックで幅を広げた…、
それが私のギタースタイルということになるのでしょうね。
さらに、
バンドでオリジナルを意識してから、
『製なる館』以降の後期レッド・ツェッペリン、
そして、
『太陽と戦慄』から『レッド』あたりの、
こちらもいわゆる、後期キング・クリムゾン
の影響も無視できません。
第三者的に見ると、
私はそんなヤツなんです。
それでは、
そろそろ参りましょうか。
--------------------------------------------------------
私的ロック評論シリーズの第12弾です。
第12回は、
PRETENDERSの『LEARNING TO CRAWL』です。
『プリテンダーズ/ラーニング・トゥ・クロール
(PRETENDERS/LEARNING TO CRAWL』
(1984年発表)
SDE1
ミドル・オブ・ザ・ロード
(Middle Of The Road)
チェイン・ギャング
(Back On The Chain Gang)
タイム・ジ・アヴェンジャー
(Time The Avenger)
ウォッチング・ザ・クローズ
(Watching The Clothes)
ショー・ミー
(Show Me)
SDE2
サンベリーナ
(Thumbelina)
マイ・シティ
(My City Was Gone)
ラブ・アンド・ヘイト
(Thin Line Between Love And Hate)
アイ・ハート・ユー
(I Hurt You)
2000マイルズ
(2000 Miles)
この作品は、
1979年にデビューしたプリテンダーズの3枚目のアルバムです。
プリテンダーズといえば、
ヴォーカル&ギターのクリッシー・ハインド。
彼女が白いSGジュニアを抱えて、
「ストップ・ユア・ソビン」でデビューした際に、
女版キース・リチャーズのようで恰好よかったことは、
いまでも鮮烈に覚えています。
キンクスの大ファンで、
ちょっと跳ねっ返りの彼女は、
まさしくロッカーそのもの。
シンプルで軽めの、
どこか懐かしいタイプの楽曲にも好感が持て、
私はすぐにこのバンドのファンになりました。
それから5年の歳月が流れ、
大学を卒業して就職をした年(1984年)、
「ベストヒットUSA」に
「チェイン・ギャング」がランクインされていました。
あ…これはいい曲だ。
ひさびさのヒットだね。
っと早速購入したのが、
このアルバム『ラーニング・トゥ・クロール』だったのです。
アルバムを聴いてみたところ、
これは素晴らしい…。
名作と言われたファーストアルバムを
はるかに上回る傑作であることに気がつき、
熱心に聴き込むようになりました。
そして、
この年の初めに、
オリジナルメンバーであった、
ジェイムズ・ハニーマン・スコット(ギタリスト)
と
ピート・ファーンドン(ベーシスト)が相次いで、
ドラックが原因で亡くなっていたこと。
さらに…、
クリッシーが、
かねてから愛人関係だった、
キンクスのレイ・デイヴィスとの間にできた子供を
出産していたこと。
を知りました。
あの跳ねっ返りの女キースが、
メンバー2人を…、
いや、
ピートは元カレだから、
単なるメンバーでは済まされない存在のはず…、
そんな自分にとってかけがえのない人を亡くし、
そして、
愛人とはいえ、
子供を産み、
今で言うシングルマザーになったとは…。
この作品から感じとれる、
優しさ、
そして骨太さは、
ここに由来しているものだったのか、
と感心してしまいました。
私にこの世で生きていることの意味を教えて、
と歌う「ショー・ミー」。
好きと嫌いの感情にはほんの少しの境界線しかないのよ、
と歌う「ラブ・アンド・ヘイト」。
そして…、
愛しい人に会いたいけれど、
あなたはもう会えないほど遠くへ行ってしまった、
とクリスマスに歌う「2000マイルズ」。
どれも簡単には言葉で表せない、
壮絶な人生の修羅場を歌っているのですが…、
おそらく、
出産という新しい生命の誕生を経験した彼女は、
それらすべてを受け入れて、
その上で前へ進むことを決心したのでしょう…、
軽やかに、
そしてきらびやかな楽曲に、
さりげなくメッセージを封じ込め、
完成度の高い作品に仕上げています。
だから、
アルバムタイトルが LEARNING TO CRAWL …
ハイハイをし始める…なんですね。
これは、
彼女なりに表現した、
新しい一歩の決意表明なんでしょうね。
(そういえば、
アルバムジャケットのデザインは THE WHO のファーストにそっくり)
女性ってスゴいですよ。
ホントにスゴい!
つくづくそう思いました。
一方楽曲は、
フォークやカントリー、
そしてソウルっぽいタイプが多いのですが、
さすがにイギリスのバンドだけあって、
自分流の音として見事に消化しています。
サウンド面で特筆すべきは、
ギターの音の素晴らしさ。
フェンダー系
シングルコイルピックアップの素晴らしさを堪能することができます。
新加入のロビー・マッキントッシュは、
1987年の来日公演では実際に目の前で見たのですが、
じつに腕のいい、
気の利いたプレイをするギタリストで、
ヴォーカルをサポートするタイプとしては、
最高レベルの人だなと思いました。
さすがに、
私が気がつく以上に、
周囲のプロが気がついたようで、
数年後には、
あのポール・マッカートニーのバンドに引き抜かれることになりますが、
彼のキャリアのベストプレイのいくつかは、
間違いなく、
このアルバムに収められております。
また、
この次のアルバム『GET CLOSE』(1986年)は
本作の続編のような内容で、
私はこの2枚がプリテンダーズのベストであり、
ロック史に残る名作であると思います。
私はこの作品と、
それに関連したエピソードを知り、
やはり、
音楽の力はスゴい、
人生のそれぞれの場面で、
その瞬間を表現できるものなんだ、
ロックは人生そのものなんだ…と痛感しました。
プロのギタリストになれなかったとしても、
ずっと音楽を続けていこう、
続けていくことが重要なんだということに気がつきました。
そしてそれは、
今でも続いています。
クリッシーの母性が、
東洋の果てにいる私に伝えたメッセージは、
いまでも生き続けているのです。
母は強し。
前回の THE WHO で、
このシリーズの第1部が完結します。
というのも、
そこまでが学生時代…
ギターでメシを食おうと夢を見ていた時代…
に影響を受けた作品で、
ここからは、
社会人になってから…
つまりギターでメシを食うことをあきらめてから…
影響を受けた作品ということになるからです。
では、
いままでの作品を一覧にしてみましょう。
①『地獄の軍団/キッス』(1976年発表)
②『ブラック・アンド・ブルー/ローリング・ストーンズ』(1976年発表)
③『ロックス/エアロスミス』(1976年発表)
④『狂気/ピンク・フロイド』(1973年発表)
⑤『ディープ・パープル・イン・ロック』(1970年発表)
⑥『悪魔と魔法使い/ユーライア・ヒープ』(1972年発表)
⑦『ジェフ・ベック・グループ』(通称『オレンジ』:1972年発表)
⑧『フリースピリット/ジョニー・ルイス&チャー』(1979年発表)
⑨『白いレガッタ/ポリス』(1979年発表)
⑩『ムーヴィング・ピクチャーズ/ラッシュ』(1981年発表)
⑪『ザ・フー/キッズ・アー・オールライト』(1979年発表)
(過去のバックナンバーはこちらから)
つまり、
ハードなロックンロールを骨格に、
プログレッシブロックで装飾を加え、
リッチー・ブラックモアからギターテクを学び、
ソウルやファンクといったブラックミュージックで幅を広げた…、
それが私のギタースタイルということになるのでしょうね。
さらに、
バンドでオリジナルを意識してから、
『製なる館』以降の後期レッド・ツェッペリン、
そして、
『太陽と戦慄』から『レッド』あたりの、
こちらもいわゆる、後期キング・クリムゾン
の影響も無視できません。
第三者的に見ると、
私はそんなヤツなんです。
それでは、
そろそろ参りましょうか。
--------------------------------------------------------
私的ロック評論シリーズの第12弾です。
第12回は、
PRETENDERSの『LEARNING TO CRAWL』です。
『プリテンダーズ/ラーニング・トゥ・クロール
(PRETENDERS/LEARNING TO CRAWL』
(1984年発表)
SDE1
ミドル・オブ・ザ・ロード
(Middle Of The Road)
チェイン・ギャング
(Back On The Chain Gang)
タイム・ジ・アヴェンジャー
(Time The Avenger)
ウォッチング・ザ・クローズ
(Watching The Clothes)
ショー・ミー
(Show Me)
SDE2
サンベリーナ
(Thumbelina)
マイ・シティ
(My City Was Gone)
ラブ・アンド・ヘイト
(Thin Line Between Love And Hate)
アイ・ハート・ユー
(I Hurt You)
2000マイルズ
(2000 Miles)
この作品は、
1979年にデビューしたプリテンダーズの3枚目のアルバムです。
プリテンダーズといえば、
ヴォーカル&ギターのクリッシー・ハインド。
彼女が白いSGジュニアを抱えて、
「ストップ・ユア・ソビン」でデビューした際に、
女版キース・リチャーズのようで恰好よかったことは、
いまでも鮮烈に覚えています。
キンクスの大ファンで、
ちょっと跳ねっ返りの彼女は、
まさしくロッカーそのもの。
シンプルで軽めの、
どこか懐かしいタイプの楽曲にも好感が持て、
私はすぐにこのバンドのファンになりました。
それから5年の歳月が流れ、
大学を卒業して就職をした年(1984年)、
「ベストヒットUSA」に
「チェイン・ギャング」がランクインされていました。
あ…これはいい曲だ。
ひさびさのヒットだね。
っと早速購入したのが、
このアルバム『ラーニング・トゥ・クロール』だったのです。
アルバムを聴いてみたところ、
これは素晴らしい…。
名作と言われたファーストアルバムを
はるかに上回る傑作であることに気がつき、
熱心に聴き込むようになりました。
そして、
この年の初めに、
オリジナルメンバーであった、
ジェイムズ・ハニーマン・スコット(ギタリスト)
と
ピート・ファーンドン(ベーシスト)が相次いで、
ドラックが原因で亡くなっていたこと。
さらに…、
クリッシーが、
かねてから愛人関係だった、
キンクスのレイ・デイヴィスとの間にできた子供を
出産していたこと。
を知りました。
あの跳ねっ返りの女キースが、
メンバー2人を…、
いや、
ピートは元カレだから、
単なるメンバーでは済まされない存在のはず…、
そんな自分にとってかけがえのない人を亡くし、
そして、
愛人とはいえ、
子供を産み、
今で言うシングルマザーになったとは…。
この作品から感じとれる、
優しさ、
そして骨太さは、
ここに由来しているものだったのか、
と感心してしまいました。
私にこの世で生きていることの意味を教えて、
と歌う「ショー・ミー」。
好きと嫌いの感情にはほんの少しの境界線しかないのよ、
と歌う「ラブ・アンド・ヘイト」。
そして…、
愛しい人に会いたいけれど、
あなたはもう会えないほど遠くへ行ってしまった、
とクリスマスに歌う「2000マイルズ」。
どれも簡単には言葉で表せない、
壮絶な人生の修羅場を歌っているのですが…、
おそらく、
出産という新しい生命の誕生を経験した彼女は、
それらすべてを受け入れて、
その上で前へ進むことを決心したのでしょう…、
軽やかに、
そしてきらびやかな楽曲に、
さりげなくメッセージを封じ込め、
完成度の高い作品に仕上げています。
だから、
アルバムタイトルが LEARNING TO CRAWL …
ハイハイをし始める…なんですね。
これは、
彼女なりに表現した、
新しい一歩の決意表明なんでしょうね。
(そういえば、
アルバムジャケットのデザインは THE WHO のファーストにそっくり)
女性ってスゴいですよ。
ホントにスゴい!
つくづくそう思いました。
一方楽曲は、
フォークやカントリー、
そしてソウルっぽいタイプが多いのですが、
さすがにイギリスのバンドだけあって、
自分流の音として見事に消化しています。
サウンド面で特筆すべきは、
ギターの音の素晴らしさ。
フェンダー系
シングルコイルピックアップの素晴らしさを堪能することができます。
新加入のロビー・マッキントッシュは、
1987年の来日公演では実際に目の前で見たのですが、
じつに腕のいい、
気の利いたプレイをするギタリストで、
ヴォーカルをサポートするタイプとしては、
最高レベルの人だなと思いました。
さすがに、
私が気がつく以上に、
周囲のプロが気がついたようで、
数年後には、
あのポール・マッカートニーのバンドに引き抜かれることになりますが、
彼のキャリアのベストプレイのいくつかは、
間違いなく、
このアルバムに収められております。
また、
この次のアルバム『GET CLOSE』(1986年)は
本作の続編のような内容で、
私はこの2枚がプリテンダーズのベストであり、
ロック史に残る名作であると思います。
私はこの作品と、
それに関連したエピソードを知り、
やはり、
音楽の力はスゴい、
人生のそれぞれの場面で、
その瞬間を表現できるものなんだ、
ロックは人生そのものなんだ…と痛感しました。
プロのギタリストになれなかったとしても、
ずっと音楽を続けていこう、
続けていくことが重要なんだということに気がつきました。
そしてそれは、
今でも続いています。
クリッシーの母性が、
東洋の果てにいる私に伝えたメッセージは、
いまでも生き続けているのです。
母は強し。
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