「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2008/05/14 (Wed)
(前回からのつづきです)
キッスのセカンドアルバム、
『地獄の叫び/キッス(HOTTER THAN HELL/KISS)』は、
『地獄の軍団』までのアルバムの中では、
最後に日本国内で発売されました。
SDE1
1.ゴット・トゥ・チューズ
(Got To Choose)
2.パラサイト
(Parasite)
3.ゴーイン・ブラインド
(Goin' Blind)
4.ホッター・ザン・ヘル
(Hotter Than Hell)
5.レット・ミー・ゴー・ロックン・ロール
(Let Me Go, Rock'n Roll)
SIDE2
1.オール・ザ・ウェイ
(All The Way)
2.ウォッチン・ユー
(Watchin' You)
3.メインライン
(Mainline)
4.カミン・ホーム
(Comin' Home)
5.ストレンジ・ウェイズ
(Strange Ways)
『地獄の叫び』は、
まるで、
地下鉄が発する、
レールの軋み音のような、
金属的なギターのリフにつづいて、
チョーキングのハモリが鮮やかに、
「クィーンクィーン」とくる、
「ゴット・トゥ・チューズ」で幕を開けます。
一聴するなり、
「うわっ、重たい」
ファーストアルバム『地獄からの使者』とは、
かなり違ったサウンドに仕上がっていました。
つづいて、
ギターの単音リフがカッコイイ、
名曲の誉れ高い「パラサイト」。
歪んだギターのアルペジオの間を、
リードギターのようなベースがメロディを奏でる、
ヘヴィ・バラード「ゴーイン・ブラインド」。
歯切れのいいリフと、
対照的に重たいサウンドが耳に残る、
アルバム・タイトル・チューン、
「ホッター・ザン・ヘル」。
前作における、
軽やかなサウンドはどこへやら、
このアルバムでキッスは、
重金属的な重たいサウンドを聴かせています。
それは、
当時はまだ一般的な表現ではありませんでしたが、
いわゆる“ヘヴィメタル”サウンドそのものです。
ドラムの残響処理に特徴があって、
水平方向にペシャッと響く、
ミョーなサウンドになっています。
これがまた、
全体のサウンドを重くしている要因のひとつでしょう。
前作の延長線上にあるような作風の、
「レット・ミー・ゴー・ロックン・ロール」も、
軽やかにならずひたすら重い。
キッスはこのアルバムで、
自分たちが“ハードロック”・バンドであることを、
宣言したのです。
『地獄の叫び』は、
怒濤の勢いのA面に比べると、
B面が少々気が抜けていて、
「ウォッチン・ユー」以外は、
あまり聴きものがありませんが、
ファンの間では「初期の最高傑作」、
「キッスのヘヴィメタルな面を堪能したければ、
このアルバムである」と言われつづけている作品です。
(エースが弾きまくっていることでも有名です)
しかし、
彼らはこれほどの内容の作品にも、
けっして満足することはなかったのでした。
さて、
サードアルバム、
『地獄への接吻/キッス(DRESSED TO KILL/KISS)』へ続きます。
SDE1
1.ルーム・サービス
(Room Service)
2.トゥー・タイマー
(Two Timer)
3.レディス・イン・ウェイティング
(Ladies In Waiting)
4.ゲット・アウェイ
(Getaway)
5.ロック・ボトム
(Rock Bottom)
SIDE2
1.激しい愛を
(C'mon And Love Me)
2.あの娘のために
(Anything For My Baby)
3.彼女
(She)
4.すべての愛を
(Love Her All I Can)
5.ロックン・ロール・オール・ナイト
(Rock And Roll All Nite)
このアルバムは、
前2作で聴かせた、
軽やかなロックンロールと、
ヘヴィメタル・サウンドがほどよくブレンドされていますが、
最大の特徴は、
全体的に“ポップ”な音作りを心がけていることで、
それは、
シングルカットされた、
「激しい愛を」や
「ロックン・ロール・オール・ナイト」に象徴されている通りです。
ここで明らかになることは、
キッスというバンドは、
パンクロックや、
ヘヴィメタルロックのマニアックな世界で、
そこそこの成功をおさめるのではなく、
アメリカを代表するようなバンドになって、
大きな成功をおさめることを、
当初から活動目的にしていたということです。
『地獄への接吻』は、
全米ヒットチャートに上がるような、
シングル曲を意識した作りになっています。
この点が前2作と大きく異なっているのです。
アルバムを制作するに当たって、
収録曲の数が足らず、
ジーン・シモンズは、
キッス以前に活動していたバンドの曲を持って来た、
という逸話があります。
そのせいか、
このアルバムは、
各曲の出来不出来のレベルの差が激しく、
ポイントとなる曲以外は、
あまり聴くべきもののない作品になっています。
こういうアルバムの作り方は、
アメリカのバンド、
とくにそれなりにヒット曲を持っているバンドに、
よく見られるパターンです。
みなさんは、
シングルヒットした有名曲だけが聴きもので、
あとはまったく聴く気にならないアルバムを、
体験したことがありませんか?
このように、
『地獄への接吻』は、
シングルカット候補曲を中心に制作された作品です。
その背景には、
もうこのアルバムで結果が出なかったらすべてが終わり、
という、
切羽詰まったバンドの事情があったようです。
結果的に、
シングルカットされた、
「ロックン・ロール・オール・ナイト」と
「激しい愛を」が、
デトロイトを中心としたローカルエリアで、
スマッシュヒットを放ったからよかったようなものの、
これがなかったら、
キッスというバンドは、
世に出ることなく終わってしまったかもしれません。
この後、
次作『地獄の狂獣(KISS ALIVE)』が、
彼らの熱狂的なライブを伝える作品としてブレイクし、
敏腕プロデューサー、
ボブ・エズリンを迎えた、
スタジオ作品の傑作『地獄の軍団』がブレイクしたことで、
キッスは一気に、
スターダムをのし上がって行きました。
このへんは、広く知られていることでしょう。
さて、
このように、
キッス初期の3枚のアルバムは、
それぞれ違った印象の作品になっており、
そこからは、
未来のスターを夢見るミュージシャンが、
悪戦苦闘している姿が見えてきます。
ロック初心者だった私が、
若いバンドが成功をおさめていく過程を、
リアルタイムで体験できたことは、
大きな意味を持っていたのではないでしょうか。
そして、
どのバンドでも、
ブレイクする直前の時期が、
いちばんおもしろい作品を作る、
創造性に富んだ時期であることということは、
間違いのない事実でしょう。
キッスのセカンドアルバム、
『地獄の叫び/キッス(HOTTER THAN HELL/KISS)』は、
『地獄の軍団』までのアルバムの中では、
最後に日本国内で発売されました。
SDE1
1.ゴット・トゥ・チューズ
(Got To Choose)
2.パラサイト
(Parasite)
3.ゴーイン・ブラインド
(Goin' Blind)
4.ホッター・ザン・ヘル
(Hotter Than Hell)
5.レット・ミー・ゴー・ロックン・ロール
(Let Me Go, Rock'n Roll)
SIDE2
1.オール・ザ・ウェイ
(All The Way)
2.ウォッチン・ユー
(Watchin' You)
3.メインライン
(Mainline)
4.カミン・ホーム
(Comin' Home)
5.ストレンジ・ウェイズ
(Strange Ways)
『地獄の叫び』は、
まるで、
地下鉄が発する、
レールの軋み音のような、
金属的なギターのリフにつづいて、
チョーキングのハモリが鮮やかに、
「クィーンクィーン」とくる、
「ゴット・トゥ・チューズ」で幕を開けます。
一聴するなり、
「うわっ、重たい」
ファーストアルバム『地獄からの使者』とは、
かなり違ったサウンドに仕上がっていました。
つづいて、
ギターの単音リフがカッコイイ、
名曲の誉れ高い「パラサイト」。
歪んだギターのアルペジオの間を、
リードギターのようなベースがメロディを奏でる、
ヘヴィ・バラード「ゴーイン・ブラインド」。
歯切れのいいリフと、
対照的に重たいサウンドが耳に残る、
アルバム・タイトル・チューン、
「ホッター・ザン・ヘル」。
前作における、
軽やかなサウンドはどこへやら、
このアルバムでキッスは、
重金属的な重たいサウンドを聴かせています。
それは、
当時はまだ一般的な表現ではありませんでしたが、
いわゆる“ヘヴィメタル”サウンドそのものです。
ドラムの残響処理に特徴があって、
水平方向にペシャッと響く、
ミョーなサウンドになっています。
これがまた、
全体のサウンドを重くしている要因のひとつでしょう。
前作の延長線上にあるような作風の、
「レット・ミー・ゴー・ロックン・ロール」も、
軽やかにならずひたすら重い。
キッスはこのアルバムで、
自分たちが“ハードロック”・バンドであることを、
宣言したのです。
『地獄の叫び』は、
怒濤の勢いのA面に比べると、
B面が少々気が抜けていて、
「ウォッチン・ユー」以外は、
あまり聴きものがありませんが、
ファンの間では「初期の最高傑作」、
「キッスのヘヴィメタルな面を堪能したければ、
このアルバムである」と言われつづけている作品です。
(エースが弾きまくっていることでも有名です)
しかし、
彼らはこれほどの内容の作品にも、
けっして満足することはなかったのでした。
さて、
サードアルバム、
『地獄への接吻/キッス(DRESSED TO KILL/KISS)』へ続きます。
SDE1
1.ルーム・サービス
(Room Service)
2.トゥー・タイマー
(Two Timer)
3.レディス・イン・ウェイティング
(Ladies In Waiting)
4.ゲット・アウェイ
(Getaway)
5.ロック・ボトム
(Rock Bottom)
SIDE2
1.激しい愛を
(C'mon And Love Me)
2.あの娘のために
(Anything For My Baby)
3.彼女
(She)
4.すべての愛を
(Love Her All I Can)
5.ロックン・ロール・オール・ナイト
(Rock And Roll All Nite)
このアルバムは、
前2作で聴かせた、
軽やかなロックンロールと、
ヘヴィメタル・サウンドがほどよくブレンドされていますが、
最大の特徴は、
全体的に“ポップ”な音作りを心がけていることで、
それは、
シングルカットされた、
「激しい愛を」や
「ロックン・ロール・オール・ナイト」に象徴されている通りです。
ここで明らかになることは、
キッスというバンドは、
パンクロックや、
ヘヴィメタルロックのマニアックな世界で、
そこそこの成功をおさめるのではなく、
アメリカを代表するようなバンドになって、
大きな成功をおさめることを、
当初から活動目的にしていたということです。
『地獄への接吻』は、
全米ヒットチャートに上がるような、
シングル曲を意識した作りになっています。
この点が前2作と大きく異なっているのです。
アルバムを制作するに当たって、
収録曲の数が足らず、
ジーン・シモンズは、
キッス以前に活動していたバンドの曲を持って来た、
という逸話があります。
そのせいか、
このアルバムは、
各曲の出来不出来のレベルの差が激しく、
ポイントとなる曲以外は、
あまり聴くべきもののない作品になっています。
こういうアルバムの作り方は、
アメリカのバンド、
とくにそれなりにヒット曲を持っているバンドに、
よく見られるパターンです。
みなさんは、
シングルヒットした有名曲だけが聴きもので、
あとはまったく聴く気にならないアルバムを、
体験したことがありませんか?
このように、
『地獄への接吻』は、
シングルカット候補曲を中心に制作された作品です。
その背景には、
もうこのアルバムで結果が出なかったらすべてが終わり、
という、
切羽詰まったバンドの事情があったようです。
結果的に、
シングルカットされた、
「ロックン・ロール・オール・ナイト」と
「激しい愛を」が、
デトロイトを中心としたローカルエリアで、
スマッシュヒットを放ったからよかったようなものの、
これがなかったら、
キッスというバンドは、
世に出ることなく終わってしまったかもしれません。
この後、
次作『地獄の狂獣(KISS ALIVE)』が、
彼らの熱狂的なライブを伝える作品としてブレイクし、
敏腕プロデューサー、
ボブ・エズリンを迎えた、
スタジオ作品の傑作『地獄の軍団』がブレイクしたことで、
キッスは一気に、
スターダムをのし上がって行きました。
このへんは、広く知られていることでしょう。
さて、
このように、
キッス初期の3枚のアルバムは、
それぞれ違った印象の作品になっており、
そこからは、
未来のスターを夢見るミュージシャンが、
悪戦苦闘している姿が見えてきます。
ロック初心者だった私が、
若いバンドが成功をおさめていく過程を、
リアルタイムで体験できたことは、
大きな意味を持っていたのではないでしょうか。
そして、
どのバンドでも、
ブレイクする直前の時期が、
いちばんおもしろい作品を作る、
創造性に富んだ時期であることということは、
間違いのない事実でしょう。
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