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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2014/08/03 (Sun)
月日の経つのは速いもので、
今年も前半が過ぎ、
後半も2ヶ月目の、
8月になってしまいました。

今年はなぜか、
ここ数年遠ざかっていた
“紙ジャケ”(紙ジャケット仕様の再発CD)収集に意欲的で、
すでに4系統のコレクションを終えています。

さて、
その4系統とは…?

まずは、
ディープ・パープル初期の3枚。
(いわゆる第1期)

あらためてこの音と向き合い、
第1期は第2期の黎明期であり、
この時期すでに、
その後のサウンドの基本形ができ上がっていたことに気がつき、
認識を新たにしました。
(くわしくはココを参照)

新しい視点で聴いてみたら、
けっこう魅力的な3枚でした。

それから、
ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレイター。
こちらは1975年再結成以降の、
いわゆる“後期”の作品4枚に焦点を絞りました。

なにしろ、
尋常でないエナジーを放出する、
カオスティックな音は、
後期キング・クリムゾンの3枚
(『太陽と戦慄』『暗黒の世界』『レッド』)と対比すると、
そのスゴさがよくわかるので、
これについては、
あらためて語る機会を持ちたいと思います。

卓越した演奏者同士が火花を散らすクリムゾンに対し、
ヴォーカルを中心に一体化したバンドサウンドの
ヴァン・ダー・グラフ。
手法こそ違えども、
表現しようとしたもの、
そして放つエナジーのボルテージは、
ほぼ互角であり、
評価されるべきものです。


さて今回は、
残りの2つ…
パリス~ボブ・ウェルチの3枚、
そして、
パット・トラヴァース初期の5枚から、
ハードロックの進化形について、
語ってみたいと思います。

暑さなんかに負けないぞーっ(笑)


今では、
歪んだギターサウンドを中心にした、
音量の大きい、
うるさいロックを、
一律に“ヘヴィ・メタル”と呼んでいますが、
もともと“ヘヴィ・メタル”は、
“ハードロック”の一分野であり、
“ハードロック”はもっと広く、
さまざまなサウンドのグループを包含していました。

いわく…
ブルースから、
ソウルから、
クラシックから、
ジャズから…
それぞれのアプローチに特徴があり、
これがバンドの個性になっていたのです。

“ヘヴィ・メタル”は、
ブラック・サバスあたりに端を発し、
ジューダス・プリーストがイメージを決定付け、
ヴァン・ヘイレンが商業的成功を収め、
1980年代、
パンク以降の、
ネオ・ヘヴィ・メタル・ブームへとつながっていくわけです。

ボブ・ウェルチとパット・トラヴァースは、
そんな変革が始まる直前の、
1970年代中盤の時期に、
もっともモダンなハードロックのスタイルを提示しました。

ボブ・ウェルチは、
パリスのファーストアルバムで、
スタジオエフェクトやシンセを駆使したサウンド作りに挑んだものの、
この時点ではまだ未整理の部分が多く、
全体的には混沌とした印象を残します。

これがセカンドアルバムになると、
かなりスッキリしてくるのですが、
特徴としては、
当時流行していたファンク…
というよりディスコっぽいリズムを
大々的に取り入れたこと。

そして、
あまり歪んでいないギターの音を多用したこと…
これは後期ZEPの影響が強いと想像しますが、
レスポールをメインにしながら、
こんな音でプレイするとは…スゴいセンスです。

実質はパリスのサードアルバムと言われる、
初のソロ・アルバム『フレンチ・キッス』では、
ディスコどころか…
AORっぽい曲調とアレンジを前面に、
そんなパリス・サウンドを進化させています。

1970年代中盤の、
ポップスシーンの先端にある音で染め上げた“ハードロック”。
ボブ・ウェルチがパリス~ソロで構築したサウンドは、
そんな表現がピッタリの音です。

一方のパット・トラヴァースは、
こちらも、
ブルースなどのブラック・ミュージックをルーツにしながら、
ファンクぽい、
ハネるリズムが中心になっています。

パットもZEPからの影響が強いようで、
リフ中心に、
変拍子を織り交ぜながら、
めまぐるしく展開する曲調は彼特有の持ち味です。

このあたりは、
イエスなどプログレッシヴ・ロックからの影響を感じさせる部分で、
リズムはアメリカ、
アレンジはヨーロッパという、
二層構造になっています。
このミクスチュア感覚は、
パットならではのもの。

ギターは基本的には歪んだ音ではあるものの、
ギターそのものの個性を消さない程度の、
軽い歪みなので、
いわゆる“ヘヴィ・メタル”のような暑苦しさはありません。
ファンクのリズムをベースにしているわりには、
意外とクールな印象です。

このクールな感じは、
ボブ・ウェルチと共通しており…
そういえば、
ボブはアメリk人、
パットはカナダ人、
2人とも北米大陸の出身でありながら、
ヨーロッパ的なクールな雰囲気で、
“ハードロック”の進化形を作ったあたりが、
とても興味深いところです。

当時のイギリスで、
“ハードロック”の新しい動きといえば、
クイーンぐらいしか見当たらず、
あとはパンク一色という感じだったので、
その疲弊ぶりが窺えます。
先端を行くサウンドがアメリカから出るようになったのは、
この頃からだったのでしょうか?

さて、
1970年代中盤に、
ボブ・ウェルチとパット・トラヴァースが提示した、
“ハードロック”の進化形ですが、
1980年代のクラブシーンを経由して、
1990年代以降のシーンにしっかりと受け継がれています。

彼らの計8枚のアルバムを聴くと、
それがどのように形成されていったのかがよくわかり、
たいへん興味深いものがあります。


それにしても今回は、
長らく廃盤の憂き目にあった、
パット・トラヴァースのデビューアルバム(1976年)を、
初めて聴くことができましたのですが、
パットの場合、
この段階ですでに、
かなり完成されたサウンドが提示されており、
その成熟度には驚かされました。

あれから40年近くが経つわけですが、
そのサウンドの新鮮さは失われておらず、
これが時代の彼方に埋もれてしまうのは、
あまりに勿体ないので、
語ってみたという次第です。

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★2014/06/29 (Sun)
最近は以前ほど、
何かに取り憑かれたように、
“紙ジャケ仕様再発CD”(通称“紙ジャケ”)を
集めることはなくなりましたが、

ディープ・パープル来日記念ということで、
今年の冬に“紙ジャケ”で再発された、
初期ディープ・パープルの3枚のアルバムは、
日本国内初販当時のオリジナル仕様ということもあり、
往年のパープル・ファンとしては、
見過ごすわけにはいきませんでした。

3枚のアルバムとは、
『紫の世界』
 (ファーストアルバム:その後の邦題は『ハッシュ』)
『ディープ・パープルの華麗なる世界』
 (セカンドアルバム:その後の邦題は『詩人タリエシンの世界』)
『素晴らしきアート・ロックの世界』
 (サードアルバム:その後の邦題は『ディープ・パープルⅢ』)

いずれも、
かつては第1期パープルと称された時期の作品です。
これが、
見開きジャケットの内側に
日本語の解説がプリントされた、
オリジナルの国内盤仕様で再発されたのでした。

見開きの解説は、
さすがに1969年当時のものなので、
表現含めて、
何か違うぞ?と、
今となっては笑える部分もありますが…

たとえば…
フィードバック(電気装置のイタズラとされている再生音の技法)
 ※注)決して誤った表現ではないと思いますが…(笑)
ウァオ・ウァオ・エコーライザー
 ※注)ワウワウペダルのことと思われますが…(笑)

パープルのサウンドを評して、
クリームやバニラ・ファッジのような、
アートロックを志向しているものの、
彼らに比べると、
かなりわかりやすいサウンドとしているので、
音のメッセージは正確に伝わっていたようです。

この“わかりやすい”というのは、
第2期以降にもいえることで…
もっとうまく表現すると、
“ポップで聴きやすい”ということだと思いますが…
パープルサウンドを象徴する言葉でしょう。

それはこの最初期から、
すでに確立されていたということになります。

ファーストとセカンドは、
構成がよく似ていて…

大半がカバーであること。
ヒットを狙ったと思われるポップな曲を含むこと。
そして、
意外とハードな演奏があること。
などが共通しています。

なぜか、
両作品ともカバーが多く、
ファーストには「ハッシュ」、
セカンドにも「ケンタッキー・ウーマン」
「リヴァー・ディープ・マウンテン・ハイ」など、
シングルヒットを狙ったと思える曲を収録しています。

そして…
意外とリッチーが暴れています。

ファーストのオープニング、
「アンド・ジ・アドレス」を聴くと、
もうこの時点で、
彼のスタイルができあがっていることがわかります。

この曲はインストで、
後年レインボーのファーストに収録する、
「スティル・アイム・サッド」によく似ています。
ギター・ソロでは意識的に、
スケールから外れたような調子はずれな音を使い、
聴き手に強烈な印象を残します。

さらにファーストでは、
LP時代ではB面1曲目だった
「マンドレイク・ルート」が、
「パープル・ヘイズ」や「フォクシー・レディ」にそっくりで、
これはジミ・ヘンそのものという感じです。
(この植物は『ハリーポッター』に出てきましたね…
発売当時の邦題「マンダラゲ」はどうも…(笑)

「マンドレイク・ルート」後半のアドリブ部分は、
第2期の代表作『ライブ・イン・ジャパン』における、
「スペース・トラッキン」後半の
長尺演奏の部分にそのまま流用されています。

セカンドでも、
オープニングの「リッスン」の終盤で、
フィードバックさせながら、
ハンパない暴れ方をしています。
(残念なことに、
すぐにフェイドアウトされて、
聴こえなくなってしまいますが…)

また、
「シールド」という曲でも、
当時のブルース主流のギタリストとは明らかに違う、
イレギュラーなフレーズを連発して、
異彩を放っています。

リッチーは、
かなりメチャクチャなことをやっても、
最後にはうまくおさめてしまうという特技があって、
ここに非常に高度な理論とテクニックを感じますが、
それはすでにデビューの時点で確立されていたのです。

イアン・ペイスのドラムも、
すでにパワフルに叩きまくっていて、
意識的にそうなっているのか、
録音時に想定していたダイナミックレンジを超えていただけなのか、
かなり音が割れていて、
迫力十分です。
(この感じは『ファイヤーボール』ぐらいまで同じですなぁ…)

ロッド・エヴェンスは、
中域から低音にかけて響く、
マイルドな声の持ち主です。
私はこの感じ、
少し抑えぎみに歌ったときの、
イアン・ギランの声に似ていると思うのですが、
いかがでしょう?

全体の演奏も、
後のパープル・サウンドの特徴である、
中音域で一丸となって、
ゴリゴリとリズムを出してくる…
「ハイウェイ・スター」の感じですね…
これがすでに確立されているし、

キーボードがリフを弾くことが多いことと、
ヴォーカルがシャウトしないことを除けば、
第2期のハードロック路線と、
初期の2枚のアルバムが、
意外とつばがっていることがよくわかると思います。

そういえば、
前述の「マンドレイク・ルート」や、
セカンド収録の「ハード・ロード」は、
第2期初期のライブでは定番でした。

一方、
サードは少々雰囲気が違っていて、
完全に鍵盤主体の、
それこそ、
プログレっぽいアートロック作品になっています。

チェンバロを使ったり、
弦楽を導入したり、
この延長に、
例の『ロイヤル・フィル・ハーモニック・オーケストラ』
が予感される音です。

これはどういうことなのだろうか?

私はパープルの公式年表を見てみました。

すると…

1968年2月 ファーストアルバムをリリース
1968年4月 初のアメリカンツアー
1968年12月 セカンドアルバムをリリース
1969年3月 ロッド・エバンスとニック・シンパーを解雇
1969年4月 2度目のアメリカンツアー
 (ツアー後、前述の2人は正式脱退)
1969年6月 イアン・ギランとロジャー・グローバー加入
1969年9月 サードアルバムをリリース
 同月にロイヤル・フィル・ハーモニック・オーケストラと共演
1970年6月 『イン・ロック』リリース

つまり、
第1期というのは、
独立した時期としてとらえられるほど、
十分な期間にわたる活動はしておらず、
セカンドアルバムリリース後すぐに、
第2期のメンバーになっているということなのです。

当初から中心メンバーには、
第2期に開花するサウンドのイメージがあったものの、
それを表現するにはヴォーカリストの力量が足りず、
また、
ジョン・ロードはクラシック志向が強く、
バンドとしての方向性に悩んでいた。

ジョンは、
サードアルバムとオーケストラとの共演で、
自分の欲求を満足させたものの、
『イン・ロック』の成功で、
その後のハードロック路線に合意した、
ということでしょう?

実際、
クラシック路線を主張するジョンと、
よりハードな路線を主張するリッチーが、
紳士的な解決策として、
お互いがイニシアティヴをとるアルバムを1枚ずつ作り、
成功した方の路線で行くことで、
和解をしたと言われているのです。

第1期ディープ・パープルは、
文字通りの“第1期”ではなく、
第2期の初期…黎明期というのが正しい解釈。

そう考えると、
初期のこの3枚は、
非常に興味深く聴けるのでありました。

↓やはり、このノリでゴーゴー踊るんだ(笑)
★2014/06/22 (Sun)
ひさしぶりの“鉄”話題です。

九州や四国の主要都市へ行くと、
車道の真ん中を路面電車が走っている、
ちょっとレトロな光景に出会います。

私が小さい時分は、
京都や仙台…
いやいや、
東京は銀座の交差点でも見かけた光景です。

どう見ても、
車の方が早いのに、
重要な市民の足として。
のんびりと、
しかも堂々と走る路面電車の姿には、
格別の風情があります。

そんな路面電車…
本州の都市部には、
ほとんど残っていないのですが、
ここ広島には、
広島電鉄という有名な鉄道会社があり、
各地で引退した車両たちが、
のんびりと余生を過ごしている姿に出会えます。

オリジナルの塗装のままの、
種々雑多な車両たちが、
数分おきに眼の前を通り過ぎるのは、
鉄道マニアでなくても、
目を見張る光景ではないでしょうか?

以下、
原爆ドームから東の、
白神社前交差点にて撮影。







路面電車の定番スタイルといえる、
3種の車両。
やはり1両でガーガー走る姿が美しい。



江の電で有名な、
連接車両という、
短めの車両の連結部分に台車を置く、
ユニークな構造の車両たち。
急カーブの多い、
狭い空間の走行に適しています。

なぜか、
この連接車両の新しいのから古いのも、
たくさんいるのです。



車の走行が激しくて、
シャッターを切った瞬間に、
眼の前に入ってくることが多く、
四苦八苦しました。



この古い連接車両は、
ミョーに味のある顔(前面)をしていたので、
数時間後に広島駅前で撮り直しました。



カッパのような愛嬌のある顔ですね。



こちらは同じく、
広島駅前で見つけた、
ドイツからやってきたという、
最新式の連接車両。
堂々とした5両編成で、
たしかに、
この石畳を見ていると、
ヨーロッパの街並っぽい。

私の鉄道に対する興味は、
まず車両そのものであり、
次にその車両が似合う景色、
ということになるのですが、
一日見ていても飽きないであろう、
広島電鉄のスナップでした。

そろそろ…
鉄道模型に予算を割くかなぁ…
(そのためには“ギターほしー病”を克服せねば…(笑)
★2014/06/15 (Sun)
今年の夏は、
全国を巡業する業務があって、
6月は大阪・広島・博多、
7月は神戸・札幌・仙台・名古屋と…
まるで、
大物来日ミュージシャンの
全国ツアーのようなスケジュールになっているのでした。

地方巡業に行くと、
地元の食事とお酒が期待されるわけですが、
最近は東京に、
郷土料理のお店がたくさんあるので、
驚くべきものに出会うことは少なくなりましたね。

もうひとつ、
私は“鉄”(鉄道ファン)なので、
地方のローカル線を見ることができるという、
じつにマニアックな楽しみを、
秘かに持っているのですが、
最近はどこへ行っても近代化が進み、
かつて目にしたような光景に出会うことが少なくなり、
これまた少々残念なことではあります。

とはいえ…
やはり、
郷愁あふれる景色と、
現地の空気の中で口にする、
地元の食事と料理はまた格別のもの…
今回はどんなものに出会うことでしょう。

ミュージシャンたちも、
ツアー先ではいろいろな出会い(?)があると思いますが、
イギリスのミュージシャンはみな一様に、
カリフォルニアを褒め讃えます。
なぜでせう?
ZEPに至っては「Going To California」などという、
ノー天気な曲を発表してしまうほどなのです。
(みな、カリフォルニアではなく、
カリフォルニアのおネーチャンを褒め讃えているという説あり…)

ZEPといえば最近ある所で、
「天国への階段」を演ろうということになって、
あらためて、
音を採り直したり、
DVDを見たりしましたが、
やはり、
よく出来ていますね…名曲と言われるにふさわしい。

ジミー・ペイジという人は、
エレキよりもアコのプレイに秀でたものがあり、
センスも抜群だと思いますが、
「天国への階段」はエレキとアコ…
6弦と12弦の混在とバランス感覚が素晴らしく、
そんな彼の作品の中でも、
ずば抜けた出来になっています。

あの名イントロを6弦のアコで始め、
Am7のカッティング&アルペジオから、
12弦エレキのエキゾティックな響きが登場し、
徐々に演奏がエキサイトし、
リードギターは6弦のエレキ…
それもペンタトニック・スケールコードという、
5音で組み立てたシンプルな音階で、
一気に爆発するという…
ギターという楽器の機能を生かしきった、
じつに計算された構成になっているのです。

特筆すべきは、
やはり12弦エレキの響きで、
ライブ映像では、
例のSGのダブルネックを縦横無尽に振り回しています。

このギターけっこう重いんだよ。
これをこんな風に扱うなんて、
ジミー・ペイジは非力そうに見えて、
なかなか力持ちなのかもしれませんね。

ダブルネックというのは、
いろいろな使い方ができるもので、
私が感心したのは、
6弦をオープンチューニングにして12弦を弾くと、
とても深い共鳴が得られるということ。
これにはちょっと興味があります。

ちょっと…?
いや、
正直に言うと、
かなり興味があります。

12弦ギターには昔から惹かれるものがあったのですが、
今だに手元に置くことなく今日に至っております。
自分の演奏スタイルや、
なによりも、
我が LOOSE CONNECTIONのオリジナル曲に、
じつによく合いそうだと思いながら、
まだそれを実践に移していないのです。

ZEPのアコースティックサイドばかりをアレンジして、
ステージを構成したら、
それはそれで素晴らしいと思うのですが、
いかがでしょう?

リッケンバッカーの12弦なんか美しいんだけれど、
ステージでの使い勝手を考えると、
やはりダブルネックになりますか…
うーん、
年々衰える体力と五十肩にはツライかも…(笑)

★2014/06/08 (Sun)
私の大好物ですが…
ここに、
ハイスピードの曲展開、
正確無比なテクニックが加わると、
これはもう…
まったく抵抗することができない状態になります。

ジャズピアニストの上原ひろみさんが、
トリオで活動を始めたという話を聞き、
他のメンバーの名前を見て、
軽くドキっとしたのは、
少し前のことでした。

アンソニー・ジャクソン(ベース)
サイモン・フィリップス(ドラムス)

サイモン・フィリップス…
1977年に、
ジェフ・ベック師匠がスタンリー・クラークと来日した際、
ツアーメンバーとして同行したドラマー。
その後、
アルバム『ゼア&バック』(1980)に参加…

私は1977年、
ジェフ・ベック師匠来日公演で、
はじめて彼のプレイを見て、
そのパワフルでありながら繊細なスティックさばきに、
ブッ飛びました。

他にも、
ロキシー・ミュージックの、
イーノ&フィル・マンザネラのプロジェクト、
『801ライヴ』でのプレイ…
(「東の小惑星」のバスドラ、すさまじかーっ)

珍しいところでは、
ジューダス・プリーストの『シン・アフター・シン』での、
端正なプレイなどなど…

この人と、
驚異的な早さで指が動くのに、
いつも笑顔で楽しそうに演奏をする、
上原ひろみさんが組んだという…

ベースのアンソニー・ジャクソンは、
フュージョン系のセッションミュージシャンですが、
ぶっといネックの6弦ベースを縦横無尽にプレイする…

これはきっとカッコいいだろう…

私がそう確信していた矢先に、
彼らの新譜『ALIVE』が届きました。

果たしてその内容は…

これが、
みごとに期待を裏切らない、
すばらしい内容で…
期待を裏切らなかったということは、
とてつもなく高いレベルの作品だったということです。

一言で表現すると、
カッコいい!

そう、
こんなにカッコいい音には久しぶりで出会った気がします。

冒頭、
いきなりニュアンスに富んだコードが…
まるで『アイランド』のような…
そこへリズム隊が加わり、
たたみかけるように変拍子の嵐、
めまぐるしい曲展開…
これはユーロロックの世界だ。
ジャズじゃないよーっ。

と興奮していたら、
いきなりジャズっぽい展開も現れ…じつにスリリング。
手に汗にぎるうちに時間が過ぎていく…
そんな感じです。

上原ひろみさんは、
リズム感がバツグンなので、
細かく譜割の混んだフレーズが、
見事なぐらいきっちりとおさまるのですが、
彼女がタダモノでないのは、
そこにグルーヴというか、
大きなうねりのようなものが生じていて、
聴き手の耳に心地よく飛び込んでくることなのです。

じつに素晴らしい…天才の所業ですね。

で…
驚異的なテクニックだけで押すのかと思えば、
4曲目のような、
ブルージーでやさしいタッチもあって、
こういうセンスに女性ならではの繊細な面を感じてしまいます。

バランス感覚もまた見事なり。

これ、
今のところ、
本年最大のヒットの予感で、
当分ハマりそうなんですが、
とりあえず、
生で見てみたいなぁ…。
そんなに大きくない会場…
演奏者と一体になるような環境で、
興奮の坩堝にはまってみたい。

今いちばん見てみたい演奏。

うーっスゴい!
何度聴いてもスゴい。

これは傑作ですよーっ。

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★ ILLUSTRATION BY nyao