「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2017/02/26 (Sun)
『Guitar magazine』3月号の特集、
「進撃のジャズファンク」に刺激されて購入した、
2枚のアルバムがあまりに素晴らしく、
すっかりハマっている今日この頃です。
今回はその1枚、
メルヴィン・スパークスの『テキサス・ツイスター』を紹介します。
1973年発表のこの作品、
ラッキーなことに、
紙ジャケ仕様で発売された
リマスター盤を手に入れることができました。
LP時代はA面3曲、B面4曲で
全7曲。
リマスターに際して、
余計なボーナストラックは追加せず、
オリジナルのまま、
トータル40分弱の演奏。
潔いですねーっ。
というか、
CDが普及してから収録時間が長くなり、
15曲以上で60分を超える作品が当たり前の世の中ですが、
このぐらいのヴォリュームがちょうどよいのです。
呑み切りサイズのボトルみたいですな…(笑)
オープニングは、
気合の入ったファンクナンバー「Whip! Whop!」
疾走チューンですが、
ホーンセクションがパッパッ!とリフを切り込むパターンは、
典型的なJBスタイルといえるでしょう。
メルヴィンのギターは、
曲調に合わせて、
それなりに弾きまくっていますが、
ブチ切れている感じではなく、
キレイにバンドの枠におさまっています。
これは、
この作品の特徴ですが、
ギタリストの作品でありながら、
ギターが突出することがなく、
バンドとしてのバランスを重視しています。
これが結果として、
うねるような大きなグルーヴを生んでいるのです。
これもJBスタイルの特徴かもしれませんね。
相棒のオルガン奏者(シーザー・フレイジャー)が活躍する、
2曲目「Gathering Together」は、
ラテンっぽいナンバーですが、
このラテンのフレイバーは、
ジャズファンクを構成する重要な要素です。
冒頭の2曲は、
ジャズファンクを知るには格好のナンバーと言えるでしょう。
3曲目「Judy’s Groove」は落ち着いたテンポのファンク。
そして、
アルバムタイトルになっている4曲目、
「Texas Twister」は、
タイトでイカしたリフが印象的なファンク。
5曲目「Ain’t No Woman」はフォー・トップスのヒット曲。
6曲目「I Want Talk About You」はコルトレーンのカヴァー。
シットリした曲が並ぶこのあたりが、
このアルバムのハイライトです。
最後は、
疾走するジャズナンバー「Star In The Crescent」で幕を閉じます。
4曲目からラストにかけて…
LP時代のB面の流れが素晴らしく、
ついつい、
ここから聴いてしまいます。
1曲1曲の完成度が高い上に、
丁寧に作った制作サイドの意図が伝わってくる、
そんなアルバムです。
メルヴィン・スパークスは、
ジャズファンクが再評価された、
アシッドジャズ・ブーム真っ只中の1993年に、
バーナード・パーディのバンドの一員として来日し、
その実力を見せつけてくれました。
2011年に65歳で逝去したメルヴィンですが、
どのアルバムジャケットを見ても、
人の良さそうな笑顔が印象的です。
これもジャズファンクの成せる技でしょうか。
みんなで盛り上がって楽しくやろうぜーってね。
「進撃のジャズファンク」に刺激されて購入した、
2枚のアルバムがあまりに素晴らしく、
すっかりハマっている今日この頃です。
今回はその1枚、
メルヴィン・スパークスの『テキサス・ツイスター』を紹介します。
1973年発表のこの作品、
ラッキーなことに、
紙ジャケ仕様で発売された
リマスター盤を手に入れることができました。
LP時代はA面3曲、B面4曲で
全7曲。
リマスターに際して、
余計なボーナストラックは追加せず、
オリジナルのまま、
トータル40分弱の演奏。
潔いですねーっ。
というか、
CDが普及してから収録時間が長くなり、
15曲以上で60分を超える作品が当たり前の世の中ですが、
このぐらいのヴォリュームがちょうどよいのです。
呑み切りサイズのボトルみたいですな…(笑)
オープニングは、
気合の入ったファンクナンバー「Whip! Whop!」
疾走チューンですが、
ホーンセクションがパッパッ!とリフを切り込むパターンは、
典型的なJBスタイルといえるでしょう。
メルヴィンのギターは、
曲調に合わせて、
それなりに弾きまくっていますが、
ブチ切れている感じではなく、
キレイにバンドの枠におさまっています。
これは、
この作品の特徴ですが、
ギタリストの作品でありながら、
ギターが突出することがなく、
バンドとしてのバランスを重視しています。
これが結果として、
うねるような大きなグルーヴを生んでいるのです。
これもJBスタイルの特徴かもしれませんね。
相棒のオルガン奏者(シーザー・フレイジャー)が活躍する、
2曲目「Gathering Together」は、
ラテンっぽいナンバーですが、
このラテンのフレイバーは、
ジャズファンクを構成する重要な要素です。
冒頭の2曲は、
ジャズファンクを知るには格好のナンバーと言えるでしょう。
3曲目「Judy’s Groove」は落ち着いたテンポのファンク。
そして、
アルバムタイトルになっている4曲目、
「Texas Twister」は、
タイトでイカしたリフが印象的なファンク。
5曲目「Ain’t No Woman」はフォー・トップスのヒット曲。
6曲目「I Want Talk About You」はコルトレーンのカヴァー。
シットリした曲が並ぶこのあたりが、
このアルバムのハイライトです。
最後は、
疾走するジャズナンバー「Star In The Crescent」で幕を閉じます。
4曲目からラストにかけて…
LP時代のB面の流れが素晴らしく、
ついつい、
ここから聴いてしまいます。
1曲1曲の完成度が高い上に、
丁寧に作った制作サイドの意図が伝わってくる、
そんなアルバムです。
メルヴィン・スパークスは、
ジャズファンクが再評価された、
アシッドジャズ・ブーム真っ只中の1993年に、
バーナード・パーディのバンドの一員として来日し、
その実力を見せつけてくれました。
2011年に65歳で逝去したメルヴィンですが、
どのアルバムジャケットを見ても、
人の良さそうな笑顔が印象的です。
これもジャズファンクの成せる技でしょうか。
みんなで盛り上がって楽しくやろうぜーってね。
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★2017/02/19 (Sun)
『Guitar magazine』の今月号の特集です。
ちなみに先月は「ブルース最強説。」で、
これも今月と同じような表紙でした。
『Guitar magazine』編集部に
何が起きているのかはわかりませんが、
『レコードコレクターズ』なら頷けるような
マニアックなテーマに、
思わず反応してしまった私です。
さて、
ジャズファンクですが…
1970年代の初頭、
台頭するファンクのリズムを取り入れ、
踊れるジャズを演奏した、
プレスティッジ・レーベルを中心としたミュージシャンの一群。
当時は「妥協の産物だ」などと言われ、
ジャズファンからは無視され、
歌がないためメッセージ性に欠けるのか、
ファンクファンからのウケもイマイチで、
いつのまにか衰退したものの、
その後、
フュージョン・ブームで、
ロックとジャズの融合は市民権を獲得し、
さらに、
1980年代後半のクラブブームで、
格好のサンプルネタとして注目を浴び、
かつて評価されなかった作品が続々と再発され、
渋谷界隈のレコードショップを賑わした、
数奇なムーヴメント。
今では、
J-POPをはじめ、
世界中で当たり前になった、
16ビートのサウンド…
その原型がジャズファンクと言えないこともなく、
たしかに、
このタイミングで取り上げる意味はあるのかもしれません。
私は、
前述のクラブブームの頃に、
このようなムーヴメントの存在を知り、
名ドラマー、
バーナード・パーディのソロや参加作を中心に、
LPをコレクションしたものですが、
どうやら、
そのノリと相性がよかったようで、
しっかり、
その後の私の音ネタの基盤になっています。
1991年に制作した、
2作目の宅録作品集は、
モロにその影響を感じさせていたりします。
しかし、
今回は驚きました。
なぜなら、
そんなジャズファンクの、
ギタリストにスポットを当てた企画だったからです。
こんなの見たことがありません。
それ以前に、
ここで紹介されているギタリストの作品のほとんどを、
初めて知りました。
これはショーゲキです。
さらに、
紙面で強調されていた、
ジャズファンクのギタリストは
ペンタトニックのみで勝負している、
と言うフレーズ…
ペンタトニックでジャズに対応する?
これは革命です。
ペンタトニックは、
ブルースから発展した、
シンプルな5つの音で構成されるスケールで、
ブルースの強い影響下にある、
ロックでも当たり前のように使われています。
有名なところでは、
レッド・ツェッペリンの「天国への階段」のギターソロは、
ほぼペンタトニックのみで構成されております。
この演奏を聴くと、
ギターを弾かない人でも、
イメージがつかめるのではないでしょうか。
私は、
この10年ほど、
自身の骨の髄まで染みついてしまった、
ペンタトニックをベースにフレーズを組み立てることを、
なんとか変えられないか、
と悪戦苦闘してきました。
様々な音楽を通過してみると、
この単純明快なワンパターン具合が、
なんともイモっぽくてイカさない、
と思えてならなかったからです。
そこで、
ジャズギターに注目し、
その技を身につけるべく、
有名曲をコピーしたり、
理論をかじったりしたのですが、
これはまた、
非常に難易度が高く、
いまだにアドリブに対応できません。
長年に渡り、
身についてしまった運指のパターンは、
そう簡単に変えられるものではないのです。
そんな私にとって、
今回の特集は、
天から差し込んだ、
一条の救いの光と思えてなりません。
早速、
自身の誕生日祝いとばかり、
バーナード・パーディのバンドに参加していた、
メルヴィン・スパークスのソロ『テキサス・ツイスター』と、
オドネル・リーヴィーの『シンバ』を購入し、
その極上のグルーヴに合わせギターを弾いて見たら、
あら不思議…
ペンタトニック一発でイケるじゃありませんかーっ。
とはいえ、
その演奏はどう聴いても、
ジャズにしか聴こえません。
これは研究するしかありませんね。
私のペンタトニック・コンプレックス、
そしてジャズギターに対するコンプレックスが、
解消されるかもしれません。
んーっ
新年早々なんたることだ。
しかし、
問題は左の五十肩だ。
ずっと拒否してきたけれど、
病院へ行って注射してもらおうかな?(笑)
ちなみに先月は「ブルース最強説。」で、
これも今月と同じような表紙でした。
『Guitar magazine』編集部に
何が起きているのかはわかりませんが、
『レコードコレクターズ』なら頷けるような
マニアックなテーマに、
思わず反応してしまった私です。
さて、
ジャズファンクですが…
1970年代の初頭、
台頭するファンクのリズムを取り入れ、
踊れるジャズを演奏した、
プレスティッジ・レーベルを中心としたミュージシャンの一群。
当時は「妥協の産物だ」などと言われ、
ジャズファンからは無視され、
歌がないためメッセージ性に欠けるのか、
ファンクファンからのウケもイマイチで、
いつのまにか衰退したものの、
その後、
フュージョン・ブームで、
ロックとジャズの融合は市民権を獲得し、
さらに、
1980年代後半のクラブブームで、
格好のサンプルネタとして注目を浴び、
かつて評価されなかった作品が続々と再発され、
渋谷界隈のレコードショップを賑わした、
数奇なムーヴメント。
今では、
J-POPをはじめ、
世界中で当たり前になった、
16ビートのサウンド…
その原型がジャズファンクと言えないこともなく、
たしかに、
このタイミングで取り上げる意味はあるのかもしれません。
私は、
前述のクラブブームの頃に、
このようなムーヴメントの存在を知り、
名ドラマー、
バーナード・パーディのソロや参加作を中心に、
LPをコレクションしたものですが、
どうやら、
そのノリと相性がよかったようで、
しっかり、
その後の私の音ネタの基盤になっています。
1991年に制作した、
2作目の宅録作品集は、
モロにその影響を感じさせていたりします。
しかし、
今回は驚きました。
なぜなら、
そんなジャズファンクの、
ギタリストにスポットを当てた企画だったからです。
こんなの見たことがありません。
それ以前に、
ここで紹介されているギタリストの作品のほとんどを、
初めて知りました。
これはショーゲキです。
さらに、
紙面で強調されていた、
ジャズファンクのギタリストは
ペンタトニックのみで勝負している、
と言うフレーズ…
ペンタトニックでジャズに対応する?
これは革命です。
ペンタトニックは、
ブルースから発展した、
シンプルな5つの音で構成されるスケールで、
ブルースの強い影響下にある、
ロックでも当たり前のように使われています。
有名なところでは、
レッド・ツェッペリンの「天国への階段」のギターソロは、
ほぼペンタトニックのみで構成されております。
この演奏を聴くと、
ギターを弾かない人でも、
イメージがつかめるのではないでしょうか。
私は、
この10年ほど、
自身の骨の髄まで染みついてしまった、
ペンタトニックをベースにフレーズを組み立てることを、
なんとか変えられないか、
と悪戦苦闘してきました。
様々な音楽を通過してみると、
この単純明快なワンパターン具合が、
なんともイモっぽくてイカさない、
と思えてならなかったからです。
そこで、
ジャズギターに注目し、
その技を身につけるべく、
有名曲をコピーしたり、
理論をかじったりしたのですが、
これはまた、
非常に難易度が高く、
いまだにアドリブに対応できません。
長年に渡り、
身についてしまった運指のパターンは、
そう簡単に変えられるものではないのです。
そんな私にとって、
今回の特集は、
天から差し込んだ、
一条の救いの光と思えてなりません。
早速、
自身の誕生日祝いとばかり、
バーナード・パーディのバンドに参加していた、
メルヴィン・スパークスのソロ『テキサス・ツイスター』と、
オドネル・リーヴィーの『シンバ』を購入し、
その極上のグルーヴに合わせギターを弾いて見たら、
あら不思議…
ペンタトニック一発でイケるじゃありませんかーっ。
とはいえ、
その演奏はどう聴いても、
ジャズにしか聴こえません。
これは研究するしかありませんね。
私のペンタトニック・コンプレックス、
そしてジャズギターに対するコンプレックスが、
解消されるかもしれません。
んーっ
新年早々なんたることだ。
しかし、
問題は左の五十肩だ。
ずっと拒否してきたけれど、
病院へ行って注射してもらおうかな?(笑)
★2017/02/05 (Sun)
2017年1月31日ジョン・ウェットン逝去、享年67歳。
後期キング・クリムゾンの
『Lark's Tongues in Aspic』と『Starless and Bible Black』
を初めて聴いたときの衝撃を思い出します。
ロバート・フリップは当時、
彼のことを“英国No1ベーシスト”と絶賛していました。
ドイツの音楽番組「ビートクラブ」の映像で、
1973年『Lark's Tongues in Aspic』発売当時の、
貴重な演奏シーンを見ることができます。
(曲はなんと「Lark's Tongues in Aspic part1」…)
そこでは、
ビル・ブラッフォードとジェイミー・ミューアという、
二人の打楽器奏者の中央に位置し、
バンドの演奏をリードしている、
ジョンの姿を確認することができます。
この映像を見た私は、
変幻自在なリズムセクションと、
その外側で演奏に色彩を添える、、
デヴィッド・クロスのヴァイオリンとロバート・フリップ…
これこそが、
後期キング・クリムゾンの正体だと悟ったものでした。
これは、
1990年代の後半になって発売された、
未発表ライヴの中の一枚『The Nightwatch』
(1973年11月23日アムステルダムのライヴ)
なども同様で、
ライヴ音源を確認するたびに、
ジョン・ウェットンのベースが、
このバンドの中心であったことがよくわかります。
細身の長身で、
ごっつい、
フェンダー・プレジションベースを操る姿は、
まさに凄腕ベーシストそのものでした。
そんなジョンは、
キング・クリムゾン解散後、
次から次へと、
英国の名門バンドを渡り歩くことになります。
ユーライア・ヒープ、
ロキシー・ミュージック、
UK、
ウィッシュボーン・アッシュ、
そしてエイジア…
ちょっと節操がないんじゃないかい?
と戸惑っていたファンは、
エイジアを見て、
ついに「裏切り者」と呼ぶようになりました(笑)
いや、
そもそも彼は、
キング・クリムゾン時代でも、
「Exile」や「Starless」で見事なノドを披露していたし、
ロキシー・ミュージックに参加した事から、
ポップな音に興味があったことも窺えるし、
札束に魂を売り渡してエイジアに参加したわけではないのですが、
コアなファンはそれを許さなかったのでした。
以降、
あまり前衛的でコアな作品には参加しなかった、
ジョン・ウェットン。
訃報に接して、
ひさしぶりで聴いた後期キング・クリムゾンの演奏は、
あまりに凄まじく、
そして圧倒的でした。
ここでの数年間で、
やるべきことをやり尽くしてしまったのかな?
後期キング・クリムゾンの
『Lark's Tongues in Aspic』と『Starless and Bible Black』
を初めて聴いたときの衝撃を思い出します。
ロバート・フリップは当時、
彼のことを“英国No1ベーシスト”と絶賛していました。
ドイツの音楽番組「ビートクラブ」の映像で、
1973年『Lark's Tongues in Aspic』発売当時の、
貴重な演奏シーンを見ることができます。
(曲はなんと「Lark's Tongues in Aspic part1」…)
そこでは、
ビル・ブラッフォードとジェイミー・ミューアという、
二人の打楽器奏者の中央に位置し、
バンドの演奏をリードしている、
ジョンの姿を確認することができます。
この映像を見た私は、
変幻自在なリズムセクションと、
その外側で演奏に色彩を添える、、
デヴィッド・クロスのヴァイオリンとロバート・フリップ…
これこそが、
後期キング・クリムゾンの正体だと悟ったものでした。
これは、
1990年代の後半になって発売された、
未発表ライヴの中の一枚『The Nightwatch』
(1973年11月23日アムステルダムのライヴ)
なども同様で、
ライヴ音源を確認するたびに、
ジョン・ウェットンのベースが、
このバンドの中心であったことがよくわかります。
細身の長身で、
ごっつい、
フェンダー・プレジションベースを操る姿は、
まさに凄腕ベーシストそのものでした。
そんなジョンは、
キング・クリムゾン解散後、
次から次へと、
英国の名門バンドを渡り歩くことになります。
ユーライア・ヒープ、
ロキシー・ミュージック、
UK、
ウィッシュボーン・アッシュ、
そしてエイジア…
ちょっと節操がないんじゃないかい?
と戸惑っていたファンは、
エイジアを見て、
ついに「裏切り者」と呼ぶようになりました(笑)
いや、
そもそも彼は、
キング・クリムゾン時代でも、
「Exile」や「Starless」で見事なノドを披露していたし、
ロキシー・ミュージックに参加した事から、
ポップな音に興味があったことも窺えるし、
札束に魂を売り渡してエイジアに参加したわけではないのですが、
コアなファンはそれを許さなかったのでした。
以降、
あまり前衛的でコアな作品には参加しなかった、
ジョン・ウェットン。
訃報に接して、
ひさしぶりで聴いた後期キング・クリムゾンの演奏は、
あまりに凄まじく、
そして圧倒的でした。
ここでの数年間で、
やるべきことをやり尽くしてしまったのかな?
★2017/01/29 (Sun)
レッド・ツェッペリンをcoverしているピアノトリオ、
ZEK3のアルバムを聴き、
同じようにレッド・ツェッペリンをcoverした、
スライ&ロビーのアルバムを聴いたあとで、
レッド・ツェッペリンのオリジナルアルバムを聴いてみたら、
なんだかミョーに音が薄く、
垢抜けないリズムだなーっと思ってしまいました。
じつは以前、
ビートルズでこれと同じような体験をしたことがあります。
どこかのブティックで、
ボザノヴァにアレンジしたビートルズの曲を、
女性ヴォーカルが歌っているBGMが流れていて、
あーっビートルズっておシャレだよねと思い、
帰宅してからオリジナルアルバムを聴いてみたら、
むむむ…こんなにショボかった?となったのです。
ビートルズの曲は、
楽曲としての完成度が高く、
メロディラインやコードの使い方も優れているので、
素材としては最高の部類に入るのだと思います。
この素材に、
センスのいいアレンジと卓越した技術が加わると、
非の打ち所がない作品に仕上がります。
一方、
彼らのオリジナルは、
アレンジはシンプルだし、
ポール以外は飛び抜けた演奏者がいるわけでもありません。
私が感じた違和感はこんなところに端を発していると思われます。
レッド・ツェッペリンも、
じつは楽曲としての完成度が高いものが多いことは事実です。
とくにコードの使い方は優れていて、
わかりやすく表現すると、
ハードロック・バンドと呼ばれながら、
メジャー。マイナー、知っててセブンスぐらいの、
ハードロック小僧では対応できない領域になっているのです。
これは明らかに、
同時代にライバルとして並べられた、
他のハードロック・バンドとは一線を画しています。
そして、
レッド・ツェッペリンにあってビートルズにないのが、
その圧倒的な演奏力…
以前、
どこかで書いたように、
とくにヴォーカルとドラムスは唯一無二の個性で、
他に代替が効かないシロモノです。
ジミー・ペイジは、
その辺をよくわきまえていたようで、
楽曲としての完成度が高いことは理解していたものの、
アレンジは必要最小限にとどめ、
演奏陣の個性がストレートに伝わるようにしていた…
つまり、
わざとスカスカの音にしていた、
と思えて仕方ありません。
ディープ・パープルの曲を演奏しようと思ったら、
アレンジせずにそのままやろうとすることが多いですよね?
とくにギタリストは、
リッチーにどれだけ似ているかを競います。
ハードロック系で、
ギターヒーローがいるバンドは、
同じような傾向が見られます。
これはいわゆる、copyの領域です。
レッド・ツェッペリンはcopyしたくても、
なかなかあの感じが出なくて四苦八苦してしまうほど、
演奏陣が個性的なのです。
ジミー・ペイジのギターも、
譜面やリズムにきっちり収まらないことが多いので、
なかなかあの感じにはなりません。
となると、
レッド・ツェッペリンには、
楽曲を自分たちでアレンジする、
coverで対応する方がよいのかもしれません。
ZEK3やスライ&ロビーの作品を聴いていると、
そんな気がしてならないのです。
とはいえ、
ロックの歴史の中では、
まだまだレッド・ツェッペリンのcoverは一般的ではありません。
なぜなら、
彼らの存在が神格化してしまったからで…
そう考えると、
ジミー・ペイジの戦略は大当りということになるのですが、
いかがなものでしょう?
私もこれからは、
レッド・ツェッペリンはcoverの対象となる、
完成度の高い楽曲と考えるようにして、
付き合い方を変えようか、
などと思う今日この頃です。
ZEK3のアルバムを聴き、
同じようにレッド・ツェッペリンをcoverした、
スライ&ロビーのアルバムを聴いたあとで、
レッド・ツェッペリンのオリジナルアルバムを聴いてみたら、
なんだかミョーに音が薄く、
垢抜けないリズムだなーっと思ってしまいました。
じつは以前、
ビートルズでこれと同じような体験をしたことがあります。
どこかのブティックで、
ボザノヴァにアレンジしたビートルズの曲を、
女性ヴォーカルが歌っているBGMが流れていて、
あーっビートルズっておシャレだよねと思い、
帰宅してからオリジナルアルバムを聴いてみたら、
むむむ…こんなにショボかった?となったのです。
ビートルズの曲は、
楽曲としての完成度が高く、
メロディラインやコードの使い方も優れているので、
素材としては最高の部類に入るのだと思います。
この素材に、
センスのいいアレンジと卓越した技術が加わると、
非の打ち所がない作品に仕上がります。
一方、
彼らのオリジナルは、
アレンジはシンプルだし、
ポール以外は飛び抜けた演奏者がいるわけでもありません。
私が感じた違和感はこんなところに端を発していると思われます。
レッド・ツェッペリンも、
じつは楽曲としての完成度が高いものが多いことは事実です。
とくにコードの使い方は優れていて、
わかりやすく表現すると、
ハードロック・バンドと呼ばれながら、
メジャー。マイナー、知っててセブンスぐらいの、
ハードロック小僧では対応できない領域になっているのです。
これは明らかに、
同時代にライバルとして並べられた、
他のハードロック・バンドとは一線を画しています。
そして、
レッド・ツェッペリンにあってビートルズにないのが、
その圧倒的な演奏力…
以前、
どこかで書いたように、
とくにヴォーカルとドラムスは唯一無二の個性で、
他に代替が効かないシロモノです。
ジミー・ペイジは、
その辺をよくわきまえていたようで、
楽曲としての完成度が高いことは理解していたものの、
アレンジは必要最小限にとどめ、
演奏陣の個性がストレートに伝わるようにしていた…
つまり、
わざとスカスカの音にしていた、
と思えて仕方ありません。
ディープ・パープルの曲を演奏しようと思ったら、
アレンジせずにそのままやろうとすることが多いですよね?
とくにギタリストは、
リッチーにどれだけ似ているかを競います。
ハードロック系で、
ギターヒーローがいるバンドは、
同じような傾向が見られます。
これはいわゆる、copyの領域です。
レッド・ツェッペリンはcopyしたくても、
なかなかあの感じが出なくて四苦八苦してしまうほど、
演奏陣が個性的なのです。
ジミー・ペイジのギターも、
譜面やリズムにきっちり収まらないことが多いので、
なかなかあの感じにはなりません。
となると、
レッド・ツェッペリンには、
楽曲を自分たちでアレンジする、
coverで対応する方がよいのかもしれません。
ZEK3やスライ&ロビーの作品を聴いていると、
そんな気がしてならないのです。
とはいえ、
ロックの歴史の中では、
まだまだレッド・ツェッペリンのcoverは一般的ではありません。
なぜなら、
彼らの存在が神格化してしまったからで…
そう考えると、
ジミー・ペイジの戦略は大当りということになるのですが、
いかがなものでしょう?
私もこれからは、
レッド・ツェッペリンはcoverの対象となる、
完成度の高い楽曲と考えるようにして、
付き合い方を変えようか、
などと思う今日この頃です。
★2017/01/15 (Sun)
レッド・ツェッペリンの楽曲のみを演奏する
世界初、唯一無二のサウンド…
その名はZEK3(絶句トリオ)
数年前から新宿ピットインなどの、
ライヴハウスで話題になっていたグループですが、
待望のファーストアルバム
『A Piano Trio only plays the music of Led Zeppelin』が、
昨年12月に発表されました。
そう、
これは日本のグループです。
レッド・ツェッペリンのカヴァーといえば、
2007年(もう10年前になりますなぁ…)に発表された、
Sly & Robbieの『Greets Zeppelin』の、
レゲエやラテンのリズムを使った、
オシャレなアレンジが印象に残っておりますが、
ZEKはジャズのピアノトリオです。
つまり、
あのレッド・ツェッペリンがジャズにアレンジされている?
収録曲は以下の通り、
すべてライブで、
2枚組の大作となっております。
disc1
1. Friends
2. The Song Remains The Same
3. Moby Dick
4. The Rain Song
5. Four Sticks
6. Immigrant Song
disc2
1. Bring It On Home
2. Ramble On
3. Friends
4. Ten Years Gone
5. Whole Lotta Love
「The Song Remains The Same」
「Moby Dick」
「The Rain Song」
「Whole Lotta Love」の4曲は、
Sly & Robbieも取り上げていたので、
聴き比べて見るとおもしろいと思います。
ちなみに、
「The Song Remains The Same」
「The Rain Song」
の2曲はかねがね、
私もアレンジしてみたい題材と思っていましたが、
どうやら多くのミュージシャンが同感のようです。
さて、
ZEK3の演奏ですが、
ドラマーの本田珠也氏のボンゾに対する敬愛の度合いが、
どうやら桁外れなようで、
ジャズというよりは、
ギターの代わりにピアノがメインのレッド・ツェッペリン、
という感じの演奏が多く収録されております。
とくに「Moby Dick」は凄まじく、
まるでボンゾの魂が乗り移ったような迫力で、
約20分の一人舞台が展開されます。
これは聴きモノです。
ボンゾを意識したドラマーは、
世界に数あれど、
ここまで凄まじい演奏は初めて聴きました。
生で体験してみたいなぁ…
一方、
「Friends」などは、
かなりジャズ寄りの演奏になっていて、
例の印象的なリフが出てくるまでは、
レッド・ツェッペリンの楽曲かどうか、
まったく判別がつきません。
ベースの米木康志氏は、
このような振幅の激しいサウンドを柔軟に支え、
ピアノの清水くるみ氏は、
女性らしい繊細なタッチで、
ジミー・ペイジのフレーズをリリカルに再現します。
ZEK3はまだ、
一部のマニアックなファンの支持にとどまっていますが、
今後の活躍が期待されるグループだと思います。
私は早くライヴを体験したいと、
年末からウズウズしているところです。
レッド・ツェッペリンというか、
ロック全盛期の名曲はそろそろ、
スタンダードになりつつあるので、
我々もいつまでもコピーばかりに固執しないで、
自分流にアレンジを加え、
その魂を伝承するよう、
考え方を変えなければならない時代に
入ってきたのではないでしょうか。
ZEK3の切り口、
見事なり。
↓CDよりは短いですが…私の言っていることがわかりますか?
世界初、唯一無二のサウンド…
その名はZEK3(絶句トリオ)
数年前から新宿ピットインなどの、
ライヴハウスで話題になっていたグループですが、
待望のファーストアルバム
『A Piano Trio only plays the music of Led Zeppelin』が、
昨年12月に発表されました。
そう、
これは日本のグループです。
レッド・ツェッペリンのカヴァーといえば、
2007年(もう10年前になりますなぁ…)に発表された、
Sly & Robbieの『Greets Zeppelin』の、
レゲエやラテンのリズムを使った、
オシャレなアレンジが印象に残っておりますが、
ZEKはジャズのピアノトリオです。
つまり、
あのレッド・ツェッペリンがジャズにアレンジされている?
収録曲は以下の通り、
すべてライブで、
2枚組の大作となっております。
disc1
1. Friends
2. The Song Remains The Same
3. Moby Dick
4. The Rain Song
5. Four Sticks
6. Immigrant Song
disc2
1. Bring It On Home
2. Ramble On
3. Friends
4. Ten Years Gone
5. Whole Lotta Love
「The Song Remains The Same」
「Moby Dick」
「The Rain Song」
「Whole Lotta Love」の4曲は、
Sly & Robbieも取り上げていたので、
聴き比べて見るとおもしろいと思います。
ちなみに、
「The Song Remains The Same」
「The Rain Song」
の2曲はかねがね、
私もアレンジしてみたい題材と思っていましたが、
どうやら多くのミュージシャンが同感のようです。
さて、
ZEK3の演奏ですが、
ドラマーの本田珠也氏のボンゾに対する敬愛の度合いが、
どうやら桁外れなようで、
ジャズというよりは、
ギターの代わりにピアノがメインのレッド・ツェッペリン、
という感じの演奏が多く収録されております。
とくに「Moby Dick」は凄まじく、
まるでボンゾの魂が乗り移ったような迫力で、
約20分の一人舞台が展開されます。
これは聴きモノです。
ボンゾを意識したドラマーは、
世界に数あれど、
ここまで凄まじい演奏は初めて聴きました。
生で体験してみたいなぁ…
一方、
「Friends」などは、
かなりジャズ寄りの演奏になっていて、
例の印象的なリフが出てくるまでは、
レッド・ツェッペリンの楽曲かどうか、
まったく判別がつきません。
ベースの米木康志氏は、
このような振幅の激しいサウンドを柔軟に支え、
ピアノの清水くるみ氏は、
女性らしい繊細なタッチで、
ジミー・ペイジのフレーズをリリカルに再現します。
ZEK3はまだ、
一部のマニアックなファンの支持にとどまっていますが、
今後の活躍が期待されるグループだと思います。
私は早くライヴを体験したいと、
年末からウズウズしているところです。
レッド・ツェッペリンというか、
ロック全盛期の名曲はそろそろ、
スタンダードになりつつあるので、
我々もいつまでもコピーばかりに固執しないで、
自分流にアレンジを加え、
その魂を伝承するよう、
考え方を変えなければならない時代に
入ってきたのではないでしょうか。
ZEK3の切り口、
見事なり。
↓CDよりは短いですが…私の言っていることがわかりますか?