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「web-magazine GYAN GYAN」では、第三者的な視点でロックを検証してきましたが、当サイトではプライベートな感覚で、より身近にロックを語ってみたいと思います。
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  ★ プロフィール
HN:
matsuZACK
年齢:
62
性別:
男性
誕生日:
1962/02/15
自己紹介:
matsuZACKです。
“下天のうちをくらぶれば~”の年齢に到達してしまいました。
ミュージシャンを目指したり、
音楽評論家や文筆業を目指したり、
いろいろと人生の奔流に抵抗してきましたが、
どうやらなすがままに、
フツーの人におさまりつつあります。
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★2019/06/09 (Sun)
5月末に発売されたばかりの、
STINGのニュー・アルバム
『MY SONGS』は、
自身の人生を振り返り、
過去の楽曲を再演した作品です。



正直なところ、
POLICE以降の彼の楽曲は、
あまり知らなかったのですが、
今回聴いてみて、
なかなかよいなぁ…と、
認識を新たにしたところです。

STINGもデヴィッド・ボウイと同じで、
いつも時代の音に敏感に反応し、
それを自分の音に取り込んでいたことが
よくわかりました。

声だけでなく、
ベースのトーンが同じなので、
様々なタイプの音が出ていても、
散漫なイメージにならず、
全体に統一感が出るのでしょう。

この自分の音にする、
消化の仕方はハンパではなく、
まずはここに感服しました。

そして、
POLICEのナンバーは、
さすがに、
アレンジの仕様がないのか、
はたまたアレンジしたくないのか、
ほぼ原曲に忠実に再演されていますが…

STINGの歌が、
円熟しているというか、
当時のややキンキンした感じが消え、
余裕で声を出している感があって、
非常に聴きやすいことに気がつきました。

それは、
「Every breath you take」で顕著で
このことにより、
楽曲の斬新さが際立ち、
各曲の良さを改めて認識することができました。

私にとって、
POLICEの登場は、
かなりの衝撃で…

それは、
レゲエ+ロックという、
斬新な曲の構造もさることながら、
アンディ・サマーズのギターのトーンが、
それまでのロックギターの価値観を
一変させてしまったことによります。

つまり…

あまり歪んでいない音に、
フランジャーを緩くかけて、
「ジョワ〜ン」と…(笑)
ニュアンスに富んだコード一発で、
曲をキメてしまうということです。

この音、
いわゆる1980年代に入ってから流行する、
コンプレッサー+コーラスの音とは一線を画していて、

コンプではなく、
マーシャルのような基本的には歪むアンプで、
歪みを抑えるセッティングにして、
コーラスではなく、
フランジャーをマイルドにセットしているのです。

そして、
そこへデジタルディレイなどを加えると、
「Waiting on the moon」になるわけです。

「デッデデー、ジョワ~ン」(笑)

とにかく、
このギターのトーンが、
当時ハードロック小僧だった私には、
衝撃だったのです。

なんてカッコイイ音だ、
と思ったもんです…

そして、
「Message in a bottle」のリフで使われる、
9thの響き…

POLICEは、
9thとか13thなど、
ロックでは通常使用しない、
テンションコードを多用したことも知られています。

これは、
アンディ・サマーズのセンス
とばかり思っていたのですが、
今回のライナーで確認すると、
STINGのアイデアであったようです。

そういえば、
POLICEのオリジナルギタリストは、
生粋のパンクロッカーで、
STINGの指定するコードに対応できず、
クビになったという話を、
以前に聞いたことがありました。

このあたりのセンスも抜群と言えるでしょう。

当時の私は、
POLICEの影響で、
従来のハードロックに飽き足らなくなり、
RUSHという、
あの時代では、
かなりマニアックなバンドを支持するようになり、

テンションコードの面白さにハマり、
ジョニー・ルイス&チャーをコピーする…
そして、
それらのバンドが全てトリオであったことから、
トリオこそ、
ロックバンドの究極である、
などとのたまうようになったのです。

このあたりの影響力はハンパではなく、
その後の私のギタースタイルを決定してしまった、
といえるでしょう。

そんな風に、
自分の人生まで振り返ることになった、
STINGの新作ですが、
これは名作ですよ。

じつは、
昨年の暮れに、
アンディ・サマーズが使用していた、
tc electronicのアナログ・フランジャーを、
ひそかに手に入れていたりして…(笑)

運命の女神に弄ばれているかもしれませんね。
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★2019/06/02 (Sun)
2週間のご無沙汰です。

何かトラブルがあったわけではなく、

5/19(日)は、
三島「SKYWALK」という、
伊豆半島の付け根あたりにある、
日本一長い大吊橋(全長400m)へ
日帰りバスツアーで行き…





5/26(日)は、
バンドの練習に向かう際に、
滅多にお目にかかれない、
JR東日本E491系電車(通称 East i-E)
という軌道・架線・信号計測用の車両に
お目にかかったり…
(黄色い新幹線よりレアです)



ネタはいろいろありましたが、
両日共に帰宅が遅くなり、
アルコールが入っていたこともあって、
投稿をサボっていたという次第です(笑)

さて…

GW10連休が明けてから、
よく聴いているのが、
沖縄から取り寄せた、
IRIS(イーリス)の『虹鳥(kotori)』という作品です。

IRISは、
沖縄は石垣島をベースに活動している、
姉妹(デュオ)で、
私は2013年5月に石垣島を訪れた際に、
ライヴを見て感動し、
当時の記事はココをクリック
その後、
彼女たちがIRIS以前に活動していた、
ma-yunというユニットのCDを購入したりして、
その時期、
ひとりで盛り上がっていました。



今回、
何かのきっかけで、
そんなIRISが、
2017年にアルバムを出していたことを知り、
「これはしまった」とばかりに、
慌てて購入したという次第ですが…

果たしてその中身は、
いかがなものであったのでしょう?

簡単に言ってしまうと、
ma-yunが残した2枚のアルバムを、
1枚に凝縮したような感じで、

前半は、
j-pop的(というか、歌謡曲的?)な曲が並び、
後半は、
八重山民謡に現代風のアレンジを施した曲が並んでいます。

ここで特筆したいのは、
その後半の8、9、10が非常に面白く、
私はたいへん感銘を受けてしまった、
ということです。

八重山民謡をビートに乗せ、
三線をペダルポイント的に、
ファンクのベースパターンのように置き、
そのリズムと曲全体のリズムが、
ズレたり重なったり、
いわゆるポリリズムのような構造になっていて、
心地よい高揚感を生んでいます。
(プログレファンに説明する場合は、
Yesみたいな変拍子の組み合わせ…としておきましょう(笑)

その上に、
彼女たちの美しい歌声が、
ユーモアに溢れた歌詞をまとい、
なんとも言えない、
おキャンで華やかな雰囲気を醸し出すのです。

このミクスチュア感…
まるで1970年代前半のマイルス・デイビス…
いや、
もっと新しいところで、
よく似た感じを体験したことがあったような…

そうだ、
Hassan Hakmoun & ZAHARの『Trance』(1992年)だ。

Hassan Hakmounはナイジェリア出身で、
シンティールという三線みたいな民族楽器を弾き、
グナワというファンクみたいな民族音楽をベースに、
ニューヨークでグルーヴィンな音を出していた人ですが…

そういえば、
これと感じがよく似ているのです。

ZAHARには、
Anthony Michael Petersonという、
ビル・フリーゼルみたいな、
モダンなギタリストが在籍して、
存在感を示していましたが、
IRISのバックにもそんな存在がいて、
ジャズっぽい9曲目などで、
かなりぶっ飛んだプレイを聴かせてくれます。

これは面白いですね。

『虹鳥』終盤の3曲の感じで、
アルバム1枚作ってくれたら、
ジェフ・ベックやサンタナのような作品ができると思うのですが、
さていかがなものでしょう?

地元で活動している方々なので、
ライヴを体験するには石垣島へ行かねばならず…
ハワイの後は石垣へ行くか(笑)

何よりも、
私の歌姫が健在であったことが、
ありがたかったですね。
★2019/05/12 (Sun)
前回ウッドストックの話題で登場した、
P 90一発のギブソン・SGジュニアです。



私はこのギターを、
2016年11月20日に入手し、
わずか半月後の12月3日に、
恒例の忘年会ライブで使用しています。

その際に、
スタジオかライヴハウスの天井にヘッドをぶつけ、
早々に1㎠程度のクラッキングを作ってしまいました。

少し粗野で荒っぽい音だから、
扱いも荒っぽくなったのでしょうか(笑)

このときは、
デヴィッド・ボウイの追悼ということで、
全曲を彼のカヴァーにしたので、
私としては、
大好きなミック・ロンソンをイメージしてみたのです。
(ロンソンはSGではなく、
レスポールジュニアを使用していた時期があります)

コイツはその年に発売された、
同ギターの復刻モデルで、
その数年前に出たモノは、
コントロール類の位置がオリジナルと違っていたため、
(なぜかTVと同じ位置になっていました)
購入を見合わせていました。

ギブソン・SGジュニアは、
機能重視で入手したゴダンを別にすると、
私の相棒の中では、
有名なギタリストが手にしていないギターになります。

というより…

ロックギター半世紀の歴史の中で、
デビュー直後の、
クリッシー・ハインド(プリテンダーズ)が
白いギブソン・SGジュニアを手にしていた以外、
あまりお目にかかることのないギターなのであります。

私は、
高校生の頃(1977か78年)に、
『カリフォルニア・ジャム2』の映像で、
アーム付きのSGを弾きまくる、
フランク・マリノ(マホガニー・ラッシュ)を見て以来、
ずっとSGにはアコガレていたのですが、
(カッコよかったですね「パープル・ヘイズ」のカヴァー)



ちょうどその頃、
雑誌『Player』でSGの特集をやっていて、
そこでコイツに一目惚れしてしまったのです。
(マリノのアーム付きは2番に下がったのでした)

文字通り、
ルックスに一目惚れしたわけで、
音や機能は、
最初から度外視していたことになります。

元々キース(リチャーズ:ローリング・ストーンズ)
のファンだった私ですから、
同じくP 90一発の仕様である、
ギブソン・TVには惹かれるモノがあったのですが、
こちらはあまりにもキースのイメージが強くて、
自分が手にする気にはならず…



だからと言ってレスポール・ジュニアになってしまうと、
少しイメージが違ってしまうところ…



SGジュニアがちょうどよい感じだったのでしょう。

なにしろ、
このピックガードの形がオシャレなのです(笑)

実際に使ってみると、
音は想像以上に荒っぽくて、
ハムバッカー以上の歪み方をします。
ところが、
ギター側のヴォリュームを絞ると、
あら不思議、
シングルコイル特有の、
キレイな音が出るじゃありませんか。

その一方で、
揺れモノ(エフェクター)とは相性が悪く、
私の大好きなコーラスとは、
極めて険悪な関係にあります(笑)

歪みモノ(エフェクター)との相性も良好とは言えず、
コイツを使う時は、
エコー以外のエフェクターは使わず、
プリアンプなどで自然に歪ませるのが正解のようです。

しかし、
そうしてハマった音は、
実にロケンロールな、
素晴らしいトーンなのです。
(ジョニー・サンダースっぽい音、というかな…)

2016年のライブの際は、
長年ストラトで苦労していたことが、
一気に解消した感があり…
もう少しサスティンが欲しい、
ここで一発フィードバック!
というタイミングで、
見事に期待に応えてくれたため、
非常に頼もしく思えたものです。

なにしろ、
ハイポジションでの弾きやすさはバツグンなので
それ以降は、
クリームやキッスみたいな音を出したくなると、
コイツを使うようになりまして…
今では常時、
キッス対応のため半音下げチューニングになっています。

SGといえば、
フランク・マリノの後、
ストリート・スライダーズの蘭丸のイメージが強烈でしたが、
最近の彼の画像で、
このSGジュニアを手にしているものがありました。

やはり、
SG好きにはたまらない魅力を放つギターなのでしょうね。

ハードな音を出すと、
コイツの出番が多くなると思いますが、
SGについてはもう一本、
やはり、
板バネ式バイブローラアーム付きの…
いわゆるフランク・マリノ仕様を手に入れたい、
という想いは今でも消えません。

たぶん…
ストラトの次に好きなギターなんですよ、
SGって。
★2019/05/05 (Sun)
明日でGWも終わりですね。

すべて休むことができれば、
10連休になるわけですが、
緊急事態発生の業務報告などもなく、
このままいけば、
私もその通りになりそうです。

今回はとくに、
旅行などの遠出を計画しなかったので、
途中で飽きるかなと思いましたが、
一向にそのような気配がなく、
このままずっと休みでもいいなぁ…
などと思ったりしています(笑)

10年前ぐらいだと、
そうはならなかったのですが、
これも加齢の為す処でしょうか…
このたびはこのような心境に至っています。

さて、
そんなGWに際して、
リマスターされたばかりの映画、
『ウッドストック』のブルーレイディスクを手に入れ、
一気に全編を見るという、
荒技を試してみました。

思い起こせば、
中学3年の時に、
映画館で初めて見て以来…

高校1年か2年の、
大晦日の夜にテレビで放映され、
ゆく年くる年から徹夜になった時と…

この映画を一気に全編見たことは、
過去に2回しかなく、
あとはVHS時代の映像を、
細切れに見ていた根性なしの私です。

中学の時も高校の時も、
途中で意識を失っている時間があり、
細切れのVHSで初めて、
「あ〜こんなシーンがあったのか」
などと気がついた次第なのに、

今回入手した、
(というか現在のスタンダードは)
ディレクターズ・カットは、
オリジナルより40分程度長く、
果たして最後まで意識があるかな?
という不安を抱きつつ、
挑戦してみましたが…

案外、楽にイケました(笑)

というのも、
当時は、
得体の知れなかった方々が大半を占めていたのに、
今では氏素性もわかり、
その音楽性も把握していたので、
個々に検証することができたからなのです。

そして、
なによりも映像がキレイ。

かつて見ていたオリジナル版は、
結構ボヤけた映像でしたが、
どういう技術を使ったのか、
どのミュージシャンも、
スッキリクッキリした、
シャープな輪郭になっています。

たしか…

昔見ていたオリジナルでは、
ジェファーソンやジャニスの演奏シーンはなく、
これがディレクターズ・カットで加えられたはず…
(ジェファーソン後半のブルースは、
ヨーマとジャックによる、
ホットツナの予行演習ですな…)

そんなことも考えながら、
4時間弱に及ぶタイムスリップを経験したのです。

そして今回は、
使用ギターに注目してみたのですが…

後に主流となる、
ハムバッカー仕様のレスポールや
ストラトキャスターはまだ、
それほど使われておらず、
有名どころが手にしているのが、
P 90(シングルコイルPU)を搭載している、
ギブソン・ギターたちで、
ハムバッカーを搭載したギターは、
セミアコにとどまっていることに気がつきました。

ピート(タウンゼント)とサンタナは、
P 90を2基搭載したSGスペシャル、
ジョー・コッカーのバックや
キャンド・ヒートの片方(ハービー・マンデル?)は、
P 90仕様のゴールドのレスポール(一本欲しいっす)です。

つまり、
アノ音がウッドストックのメイン、
ということで、
さっそく私も所有している、
P 90一発のSGジュニアを弾いてみました。



少し粗野で荒っぽい、
この音なんですね…当時のトレンドは。

この荒っぽさが削れてくるのは、
1970年代に入ってからなのでしょう。

それにしても、
今回のように、
ギターに注目して見てみると、
ジミヘンの異常さがよくわかります。

P 90のモワっとした音に対して、
あれだけソリッドでジャッキーンとした音を、
ものすごいパワーで放出するというのは、
異常としか言いようがありません。

もう、
一曲目の、
「ヴードゥー・チャイル」のイントロで、
すべて決まり!

今では、
この弾き方が、
ロックギターのスタイルとして定着していますが、
当時はあんなアプローチをする人は、
どこにもおりませんよ〜(笑)

音の出し方が違いすぎる…

英米の代表的なミュージシャンを集めた中で、
これですから、
一般人から見たら、
ジミヘンは間違いなく宇宙人ですね。

正直な所、
ほとんどの人に理解されていなかったのでは?
という思いを強くしましたが、
結局『ウッドストック』を見て感じたのは、
ジミヘンという稀代のミュージシャンの存在感…
まぁ…毎回ここに来るといえば、
それまでですが…

やはり、
これに尽きてしまいます。

さて…

今年の夏で、
『ウッドストック』が開催された1969年から、
半世紀が経過したことになるという、
信じられない事実があります。

私が初めてこの映画をみたのは、
おそらく1976年なので、
わずか7年しか経っていなかったことになりますが、
今から考えてみると、
はるかに、
最近のことでしたね。

これほどの時間が経過しても、
見るたびに新しい発見がある、
ジミヘンという方は、
いったい何者なのでしょう?

おそらく、
永遠に解明されることはないでしょうね。

ずっと、
仕事のことなど考えずに、
こんなことばかり考えていたいよ〜(笑)

時間は無常である。
明後日の朝には、
スーツを着た私が都心へ向かうのです。
★2019/04/21 (Sun)
私は1980年、
高校を卒業した18歳のときに、
フェンダー・ストラトキャスターを購入して以来、
メイプル指板に慣れてしまい、
それ以外のギターを手にする気になれませんでした。

有名なギタリストでも、
エリック・クラプトンや
エディ・ヴァン・ヘイレンが
メイプル指板を好んでおりますが、
そうなると、
手にするギターの種類が限られてしまいます。

一生ギブソンには縁がないのかな…

そんな私に転機が訪れたのは、
1992年のことです。
ちょっとしたきっかけで手にした、
ヤマハのパシフィカのネックが素晴らしくて、
ローズ指板を見直すことになったのです。

今から考えると、
これは指板ばかりでなく、
わりと大きめで高さのある、
いわゆるミディアム・ジャンボのフレット
によるところも大きかったと思いますが、
なにしろ初めて、
弾きやすいなぁ…と思ったローズ指板でした。

残念ながら、
パシフィカはチューニングが不安定で、
ほどなく手放してしまいましたが、
いまだにその指板の感触を覚えているほど、
弾きやすいギターでした。

もう一度、
あんな指板のギターに触れたいと思いながら、
20年近く経過した、
2010年11月6日に入手したのが、
このローズ指板のストラトキャスター…
バッカスのコピーモデルです。



バッカスは、
知る人ぞ知る、
長野県の職人集団で、
あまりに完成度の高いコピーモデルを製作したため、
本家からクレームを受け、
それらの製作を自粛したという伝説を持つほどの、
実力を持ったブランドで、
私はその時すでに2本のモデルを入手していました。

このモデルは、
そんなバッカスがこの年に、
本数限定で製作したフル・コピー・モデルのひとつで、
フェンダーの1962年モデル…
それもレアな、
マッチングヘッド・タイプを再現しています。

このバーガンディ・ミストというカラーは、
竹中CHAR先輩の使用で有名で…
これにより私は、
ブルーのムスタングと共に、
先輩愛用の2本のギターを
コレクションすることになりました。

さて、
そんなバッカスのストラトキャスターですが、
まず驚くべきほど軽量で、
そして左腕にストレスを感じさせない、
絶妙な握りのネックとなっています。

先に紹介したパシフィカ同様、
薄めでスリムなネックにローズ指板、
ミディアム・ジャンボのフレット、
そして、
サテン・フィニッシュという、
あまりツルツルしない塗装で、
ネック裏部分を仕上げてあることが、
この絶妙さを生み出しているようですが…

なにしろ、
長時間抱えていても、
まったく苦にならないのです。

このギターの後に、
前回紹介した、
ゴダン・モントリオールを経由して、
本格的に、
ギブソン系のギターに接するようになるのですが、
私にとって、
大きなターニング・ポイントであったことは、
間違いありません。

音の方は、
それ以前に使っていた、
メイプル指板のストラトキャスターには及ばないのですが、
それを凌駕するほどの使いやすさは、
すべてを補って余りあるというところでしょう。

いろいろなギターを手にしても、
最後にはこいつを手にして落ち着いている自分がいて、
つい笑ってしまうのです。


↓自宅でアイロンに激突した痛恨の打痕…
当初はこのようにシールでごまかしていたが、
最近は何もせずムキ出しになっている

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★ ILLUSTRATION BY nyao